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本日もよろしくお願いします。
九日目、夕方。
休憩を終えた冒険者組は、
再び巡回任務へ出ていた。
空は赤く染まり始めている。
森の奥は薄暗く、視界も悪い。
「……静かだな」
カイルが周囲を警戒しながら呟く。
四日目以降、大規模な群れは現れていない。
出てくるのは、せいぜい数体規模。
だが、だからこそ油断が危険だった。
「前方、気配」
セスが短く告げる。
全員が即座に止まった。
少し前なら。
ここで誰かが、
無意識にレオンを見ていただろう。
敵数は。
位置は。
どこから来る。
だが今、そこにレオンはいない。
だから。
「……カイル、左見れる?」
ミナが先に動いた。
「ああ、任せろ。セスは右を頼む」
「了解」
自分たちで確認する。
自分たちで考える。
数秒後。
茂みから現れたのは、
狼型が三体。
「左に狼型、前二、後ろ一!」
カイルの声に反応して即座に前衛が前へ出る。
エリスも素早く指示を飛ばした。
「セス、右を牽制!ミナは後衛からタイミングを見て迎撃!」
「了解!」
戦闘開始。
以前より、明らかに忙しい。
視線を動かす回数が多い。
周囲確認。
味方位置。
敵数。
自分で考えることが増えている。
だが。
「右、回り込んでるぞ!」
「見えてる!」
セスが即応する。
以前のような、
“先に答えが来る感覚”は無い。
その代わり、全員が、自分の役割を意識していた。
数分後。
最後の一体を倒し、戦闘終了。
「……はぁ」
ミナが息を吐いた。
「疲れる……」
「そりゃな」
セスも息を整える。
レオンの指揮があった時はもっと楽だった。
もっと滑らかだった。
だが。
「でも、こっちが本来なんだろうな」
カイルが剣を収めながら言う。
エリスも静かに頷いた。
「ええ」
「今までは、
レオンさんが一人で負担を抱えすぎていました」
その言葉に、誰も反論しない。
少しの沈黙。
その後。
ミナがぽつりと呟く。
「……ちゃんと返さないとね」
「何を?」
カイルが聞く。
ミナは少し考えてから、
苦笑した。
「えーっと、なんて言うか、負担?」
その言葉にセスは、小さく笑った。
「今さらかよ」
だが、その声音は、
少しだけ柔らかかった。
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