表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
足りない召喚士の戦い方  作者: トリバード
指名依頼:グランディア防衛

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
53/138

53:返す

本日もよろしくお願いします。

九日目、夕方。


休憩を終えた冒険者組は、

再び巡回任務へ出ていた。


空は赤く染まり始めている。


森の奥は薄暗く、視界も悪い。


「……静かだな」


カイルが周囲を警戒しながら呟く。


四日目以降、大規模な群れは現れていない。


出てくるのは、せいぜい数体規模。


だが、だからこそ油断が危険だった。


「前方、気配」


セスが短く告げる。

全員が即座に止まった。


少し前なら。


ここで誰かが、

無意識にレオンを見ていただろう。


敵数は。

位置は。

どこから来る。


だが今、そこにレオンはいない。


だから。


「……カイル、左見れる?」


ミナが先に動いた。


「ああ、任せろ。セスは右を頼む」


「了解」


自分たちで確認する。

自分たちで考える。


数秒後。


茂みから現れたのは、

狼型が三体。


「左に狼型、前二、後ろ一!」


カイルの声に反応して即座に前衛が前へ出る。


エリスも素早く指示を飛ばした。


「セス、右を牽制!ミナは後衛からタイミングを見て迎撃!」


「了解!」


戦闘開始。


以前より、明らかに忙しい。

視線を動かす回数が多い。


周囲確認。

味方位置。

敵数。


自分で考えることが増えている。


だが。


「右、回り込んでるぞ!」


「見えてる!」


セスが即応する。


以前のような、

“先に答えが来る感覚”は無い。


その代わり、全員が、自分の役割を意識していた。


数分後。


最後の一体を倒し、戦闘終了。


「……はぁ」


ミナが息を吐いた。


「疲れる……」


「そりゃな」


セスも息を整える。


レオンの指揮があった時はもっと楽だった。

もっと滑らかだった。


だが。


「でも、こっちが本来なんだろうな」


カイルが剣を収めながら言う。

エリスも静かに頷いた。


「ええ」


「今までは、

レオンさんが一人で負担を抱えすぎていました」


その言葉に、誰も反論しない。


少しの沈黙。


その後。


ミナがぽつりと呟く。


「……ちゃんと返さないとね」


「何を?」


カイルが聞く。


ミナは少し考えてから、

苦笑した。


「えーっと、なんて言うか、負担?」


その言葉にセスは、小さく笑った。


「今さらかよ」


だが、その声音は、

少しだけ柔らかかった。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

続きが気になると思っていただけたら、ブックマークや評価をいただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ