05:噛み合わない歯車
初作品です。
誤字脱字、矛盾などあるかもしれませんが、
生暖かい目で見ていただけますと幸いです。
「……あんたが臨時の支援か」
低い声だった。
レオン・アルバーンの前に立っていたのは、無骨な斧使いの男。
その後ろに、細身の双剣使い、そして無言の魔術師。
三人パーティ。
空気は、あまり良くない。
「レオンです。よろしくお願いします」
頭を下げる。
返事は曖昧だった。
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依頼は、渓谷地帯の調査兼討伐。
三日間の予定だ。
魔境に近い、やや危険度の高いエリア。
「先に言っておく」
斧使いが言う。
「俺たちは“速さ重視”だ。足を引っ張るな」
「……分かりました」
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開始直後から、違和感はあった。
速い。
とにかく前へ出る。
連携よりも、各自の判断。
「突っ込むぞ!」
斧使いが飛び出す。
双剣が横を抜ける。
魔術師が詠唱に入る。
――そして、レオンは一拍遅れる。
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(……早すぎる)
支援を展開する前に、戦闘が動く。
「フェアリーバード」
出す。
だが、配置が合わない。
誰に何を乗せるか判断する前に、状況が変わる。
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「遅い!」
斧使いが叫ぶ。
「すみません……!」
だが、次の瞬間にはもう別の敵へ向かっている。
支援が“噛み合わない”。
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初日の戦闘は、なんとか終わった。
だが――
「……やりにくいな」
双剣使いが呟く。
「支援が来る前提で動けない」
魔術師も一言。
「...タイミングが...合っていない...」
レオンは黙って聞く。
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夜。
焚き火の前。
誰も責めない。
だが、誰もフォローもしない。
その沈黙が、重い。
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(……このままだと、意味がない)
レオンは魔導書を開いて見返す。
書き込まれた式。
未完成の調整。
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(合わせるしかない)




