04:即席の模擬戦
初作品です。
誤字脱字、矛盾などあるかもしれませんが、
生暖かい目で見ていただけますと幸いです。
訓練場。
パーティ3人 vs レオン
いまいち何をしようとしているのかがわからない、という顔をしたリーダーが一言声をかけてきた。
「本気でやれよ?」
「はい」
レオンは頷く。
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相手のパーティは3人。
両手剣を持ったリーダー、
盾と槍を持った前衛の男、
前回の任務には同行していなかった弓使いの女の3人だ。
バランスの良いスリーマンセルのオーソドックスなパーティだ。
3対1でどこまでやれるか、できることを考える。
ソロで動く自分が今できることは、なんだ?
開始。
前衛の男が盾を構えて一気に距離を詰める。
前衛の男はレオンの持つ戦い方を多少知っている。
「速いな……」
レオンは一歩下がる。
「フェアリーバード」
光が展開する。
一羽、二羽、三羽。
今まで通り。
だが――
支援の向きが違う。
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「……自分に向けて?」
弓使いが眉をひそめる。
そう。
今回は“全て自分を対象”にしている。
反応速度、回避能力、集中力。
すべてを底上げする。
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前衛の一撃を、小剣を挟んで紙一重で外す。
リーダーの踏み込みをいなす。
弓使いへ視線を送り最小限の牽制。
「当たらねえ……!」
「無理に攻めるな!」
リーダーが叫ぶ。
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だが、レオンは攻めない。
ただ、避ける。
いなす。
時間を稼ぐ。
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やがて――
「……分かった、止めだ」
リーダーが手を上げる。
戦闘終了。
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「今のは何だ?」
「……全部、自分に回しました」
「それは分かる」
リーダーは腕を組む。
「でも、勝ち目がない。お前の力では決め手が無いだろう。」
パーティ支援が本分なのに。
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レオンは、静かに首を振った。
「……意味はあります」
そして、言葉を続ける。
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「パーティに入ると、支援は“そのパーティ専用”になります」
誰も口を挟まない。
「でも僕は――」
少しだけ、言葉を探す。
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「状況に応じて、“どこにでも入れる状態”でいたいんです」
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静寂。
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「それ、どういう……」
前衛の男が聞く。
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「前回みたいに、急に人が足りない時」
「危険度が読めない依頼」
「誰も入りたがらない編成」
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レオンは、視線を上げた。
「そういうところに、入れる方が」
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一拍。
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「……自分には合っていると思います」
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それは、遠回しな断りだった。
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しばらく沈黙が続いた。
やがて、リーダーが息を吐く。
「……なるほどな」
悔しさ半分、納得半分の顔。
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「つまり、お前は」
苦笑しながら言う。
「自分だけでも生き延びることができるのは前提として、“どのパーティにも属さない支援役”をやるってことか」
レオンは、ほんの少しだけ頷いた。
「……はい」
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前衛の男が笑う。
「変わってるなあ」
弓使いの女も肩をすくめる。
「でも、あんたらしいかもね」
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リーダーは最後に一言だけ言った。
「気が変わったら来い」
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レオンは小さく頭を下げる。
「ありがとうございます」
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その後、彼はいつも通り掲示板に向かった。
端の依頼。
誰も選ばないもの。
それを手に取る。
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背後から、誰かが呟いた。
「……あいつ、結局ソロかよ」
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別の誰かが返す。
「いや」
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「“どこにでもいるやつ”だろ」
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レオンは、その言葉を聞いていなかった。
ただ、外へ向かって歩き出す。
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肩に、妖精鳥。
腰に、小剣。
手には、使い込まれた魔導書。
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誰のものでもない。
だが――
必要な場所には、必ず現れる。
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そんな“席”が、確かにあった。
ここの模擬戦の流れはちょっと無理があるかな、と思っていますが、レオンがソロで動く事の動機を強くしたかったため、こういう書き方にしました。




