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足りない召喚士の戦い方  作者: トリバード


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49/57

49:いつも通り

本日もよろしくお願いします。

■七日目


防衛基地の空気は、

数日前より明らかに落ち着いていた。


四日目の大規模襲撃以降、

現れる魔物は小規模群れが中心。


兵士たちにも余裕が戻り始めている。


「東側、小群れ二体!」


朝の警鐘。

兵士たちが慌てる様子は、

もうほとんど無い。


この数日で、

防衛基地全体が慣れ始めている。


「第一班前へ!」


エリスが指示を飛ばす。

兵士たちが配置についた。


本来なら、

事前共有済みの対処で十分処理できる規模。


だが。


「レオン、右見えるか?」


カイルが自然に聞いた。


「……はい」


レオンは反射的に四羽目を飛ばす。


視界共有。

瞬間、軽い眩暈。


「二体、右から回ります」


「了解!」


兵士たちが即座に動く。

迎撃終了。

被害なし。



「最近ほんと安定してるよなー」


ミナが剣を振って血を払う。


「あたしたち、結構上手くなってない?」


「少なくとも最初よりはな」


カイルも頷いた。


実際、連携は良くなっていた。


兵士側の対応も早い。

恐慌も減っている。


だが。


「……」


レオンは少し遅れて、

壁へ背を預けた。


妖精鳥が肩へ止まる。


「レオンさん」


今度はエリスが先に声をかけた。


「今日は休んでも大丈夫ですよ」


レオンは少し目を瞬かせる。


「え?」


「小規模ですし、事前確認した配置でも対応できます」


言葉を選びながら、エリスは続ける。


「ここ数日、頼りすぎていました」


レオンは少し黙った。

その後、苦笑する。


「……大丈夫です」


やはりそう返す。


「本当に無理なら言います」


嘘ではない。


だが。


“まだ無理じゃない”。


彼自身、そう思ってしまっている。

だから止まらない。


再び小規模襲撃。

今度は兵士主体で迎撃が始まる。


配置も悪くない。


だが。


「右から来ます!」


誰かが叫んだ瞬間、複数人の視線が、一斉にレオンへ向いた。


確認。

判断。

答え合わせ。


もう無意識だった。


レオンは反射的に視界共有を使う。


「三体です!」


「了解!」


兵士たちが動く。

問題なく処理完了。


「助かった!」


笑う兵士たち。


だが、戦闘後。


「っ……」


レオンが小さくよろめく。

ほんの一瞬のことではあった。


それを。


少し離れた場所から、

バルクは見ていた。


そして。


エリスもまた、

静かにレオンを見つめていた。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

知らずのうちの依存って怖いですよね。

続きが気になると思っていただけたら、ブックマークや評価をいただけると励みになります。

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