↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
足りない召喚士の戦い方  作者: トリバード
指名依頼:グランディア防衛

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
46/143

46:任せる

本日もよろしくお願いします。

■五日目


四日目の大規模襲撃以降、魔物の数は減っていた。


「三体確認!」


防壁外。


小規模の狼型の群れを相手に、兵士たちは即座に配置へ着く。


本来なら、既に共有済みの対処手順で十分対応可能な規模だった。


「第一班牽制、第二班側面――」


エリスが指示を出しかける。


その時。


「レオン、右見えるか?」


兵士の一人が聞いた。


レオンは反射的に四羽目を飛ばす。


視界共有。


瞬間、

軽い吐き気。


「……二体、右から回ります」


「了解!」


兵士たちが即座に対応。


数分後、戦闘終了。


被害なし。


⸻


「やっぱレオンいると楽だなー」


ミナが笑う。


「助かる」


カイルも短く頷いた。


レオンは苦笑する。


だが、本来なら、

今のは聞かなくても処理できる戦闘だった。


⸻


■六日目


「東側小規模群れ!」


再び警鐘。


今度は猪型二体。

兵士たちは落ち着いていた。


昨日の戦闘を経て、

恐慌は薄れている。


「レオン、数は?」


「……二です」


「動きは?」


「左寄りです」


自然だった。

誰も違和感を持たない。


レオンが見て。


レオンが確認して。


そこから動く。


それが、

いつの間にか当たり前になっていた。


戦闘は問題なく終了した。


だが。


「……っ」


レオンは壁へ手をつく。


視界共有の時間自体は短い。

それでも、回数が増えていた。


脳へ負担が積み重なっていく。


妖精鳥が、

心配そうに肩へ止まった。


「大丈夫です」


そう返す。


誰に聞かせるでもなく。


⸻


その夜、食堂にて。


「最近かなり安定してるよな」


兵士たちが笑っている。


「あの召喚士来てから変わった」

「助かってる」


空気は悪くない。

むしろ良い。


だが。


「……」


バルクだけは黙っていた。


彼は知っている。


“楽な現場”ほど危ういことを。


「責任者殿?」


隣の兵士が声をかける。


「どうしました?」


バルクはしばらく黙った後。


「……あの召喚士はどこだ」


「レオンですか?」


兵士は周囲を見る。

だが居ない。


まただ。


戦闘後、いつも最初に消える。


騒ぎにも加わらない。


「……」


バルクは小さく息を吐く。


今日の戦闘。


本来なら、現場判断だけで十分回せた。


だが皆、先にレオンを見た。


確認し、判断を預けた。


本人たちは、

信頼のつもりなのだろう。


だが。


「寄りかかり始めてるな……」


誰にも聞こえない声だった。


⸻


その頃


レオンは部屋で、

椅子にもたれたまま目を閉じていた。


頭が重い。


視界共有の残滓が、

まだ脳裏へちらついている。


それでも。


明日も必要なら、使う。


その考えが、

もう当たり前になっていた。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

続きが気になると思っていただけたら、ブックマークや評価をいただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。