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足りない召喚士の戦い方  作者: トリバード
指名依頼:グランディア防衛

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44/143

44:群れ

本日もよろしくお願いします。

■四日目


「……数が多すぎるな」


朝。


防衛基地内は、普段より明らかに慌ただしかった。

兵士たちが矢束を運び、防壁補強を進めている。


昨夜、レオン・アルバーンが視界共有で確認した、森奥の大規模な魔物群。


その報告はすぐにエリスへ共有され、

さらにバルクへ上げられた。


結果、本日は警戒態勢強化。


巡回数を増やし、戦力を固めた。


基地全体が、普段とは違う緊張感に包まれていた。


「本当に来ると思うか?」


槍の穂先を点検しながら、

カイルが聞く。


「来ると思います」


レオンは即答した。


昨夜見た群れ。

あれはただの移動じゃない。


何かに“押し出されている”。


そんな違和感があった。


「ま、来たら返り討ちでしょ」


ミナが気楽に笑う。


「あたしたち結構やれてるし」


「油断するな」


セスが淡々と言う。


だが、誰の顔にも少し自信があった。


レオン達が到着してから、防衛はかなり安定していた。


兵士側被害も少ない上に、連携も噛み合っている。


それは事実だった。


⸻


昼過ぎ。


――ウォオオオオォッ!!


山側から咆哮が響いた。


空気が変わる。


「来たぞ!!」


⸻


警鐘。


⸻


兵士たちが一斉に持ち場へ走る。

レオンも防壁上へ駆け上がった。


その瞬間、森が揺れた。


狼型と猪型、猿型も混ざった混成の群れが迫ってきている。


しかも。


「……多い」


エリスが息を呑む。


想定以上だった。


見えているだけでも三十、いや、四十近い。


しかも後方からまだ出て来ているようだ。


「全班迎撃配置!」


エリスが即座に指示を飛ばす。

兵士たちが槍列を形成。

冒険者組も展開する。


だが、最初の激突で空気が変わった。


多すぎる。


「第二列押されてます!」

「持ち場維持!」


エリスは規範通り、

防衛線維持を優先する。


これまでの小規模な群れであれば、それ自体は正しい。


だが今回は、敵数が想定を超えていた。


一体一体は決してそこまで強い訳ではない。


しかし、それが物量で攻めてくるとしたら、まさしく脅威であった。


「うわっ!?」


左翼兵士が押し倒され、陣形が詰まり始める。


対応が遅れる。


その瞬間。


「エリスさん!」


レオンが叫んだ。


「東側密集しすぎです!」


「っ!第三班半歩後退!槍列縮めてください!」


エリスが即座に修正指示を出すと、それに呼応し兵士たちが動く。


すると。


崩れかけた防衛線が、

僅かに持ち直した。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

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