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足りない召喚士の戦い方  作者: トリバード


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44/59

44:群れ

本日もよろしくお願いします。

■四日目


「……数が多すぎるな」


朝。


防衛基地内は、普段より明らかに慌ただしかった。

兵士たちが矢束を運び、防壁補強を進めている。


昨夜、レオン・アルバーンが視界共有で確認した、森奥の大規模な魔物群。


その報告はすぐにエリスへ共有され、

さらにバルクへ上げられた。


結果、本日は警戒態勢強化。


巡回数を増やし、戦力を固めた。


基地全体が、普段とは違う緊張感に包まれていた。


「本当に来ると思うか?」


槍の穂先を点検しながら、

カイルが聞く。


「来ると思います」


レオンは即答した。


昨夜見た群れ。

あれはただの移動じゃない。


何かに“押し出されている”。


そんな違和感があった。


「ま、来たら返り討ちでしょ」


ミナが気楽に笑う。


「あたしたち結構やれてるし」


「油断するな」


セスが淡々と言う。


だが、誰の顔にも少し自信があった。


レオン達が到着してから、防衛はかなり安定していた。


兵士側被害も少ない上に、連携も噛み合っている。


それは事実だった。



昼過ぎ。


――ウォオオオオォッ!!


山側から咆哮が響いた。


空気が変わる。


「来たぞ!!」



警鐘。



兵士たちが一斉に持ち場へ走る。

レオンも防壁上へ駆け上がった。


その瞬間、森が揺れた。


狼型と猪型、猿型も混ざった混成の群れが迫ってきている。


しかも。


「……多い」


エリスが息を呑む。


想定以上だった。


見えているだけでも三十、いや、四十近い。


しかも後方からまだ出て来ているようだ。


「全班迎撃配置!」


エリスが即座に指示を飛ばす。

兵士たちが槍列を形成。

冒険者組も展開する。


だが、最初の激突で空気が変わった。


多すぎる。


「第二列押されてます!」

「持ち場維持!」


エリスは規範通り、

防衛線維持を優先する。


これまでの小規模な群れであれば、それ自体は正しい。


だが今回は、敵数が想定を超えていた。


一体一体は決してそこまで強い訳ではない。


しかし、それが物量で攻めてくるとしたら、まさしく脅威であった。


「うわっ!?」


左翼兵士が押し倒され、陣形が詰まり始める。


対応が遅れる。


その瞬間。


「エリスさん!」


レオンが叫んだ。


「東側密集しすぎです!」


「っ!第三班半歩後退!槍列縮めてください!」


エリスが即座に修正指示を出すと、それに呼応し兵士たちが動く。


すると。


崩れかけた防衛線が、

僅かに持ち直した。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

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