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足りない召喚士の戦い方  作者: トリバード


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41/54

41:現場を見る

本日もよろしくお願いします。

夜の山は暗い。

鉱山村グランディア防衛基地。


防壁上では兵士たちが慌ただしく動いていた。


松明の交換。

武器確認。

巡回班の編成。


その空気を眺めながら、

レオン・アルバーンは静かに息を吐く。


防衛任務。

しかも二週間。


短期護衛とは違う。


兵士との連携や巡回動線、配置など、理解しておきたいことが多かった。


「どうした、レオン」


背後から声。


振り向くと、

バルクが腕を組んで立っていた。


「いえ……」


レオンは少し考えてから言う。


「実際に現場を回してる人と話をしておきたくて」


「現場?」


「はい。巡回や防衛班の動きとか、実際の運用を知りたいんです」


バルクは少しだけ目を細めた。


普通の冒険者なら、危険度や報酬を聞く。


だがこの召喚士は違った。



“現場がどう回っているか”


を気にしている。


数秒後。


「……エリスのところへ行け」


「エリス?」


「現場指揮を任せてる」


バルクは防壁東側を顎で示した。


「若いが、頭は回る。ただ少し真面目すぎるがな」


最後に少しだけ笑う。


「まあ、お前とは相性悪くないだろ」



東側防壁。


「第三巡回班、交代五分前!」


凛とした声。


若い女性兵士だった。


栗色の髪を後ろで束ね、

軽鎧の上から外套を羽織っている。


手元には記録板を持ち、兵士たちへ次々指示を飛ばしていた。


動きに無駄がない。


ただ、どこか少し硬い。

責任を抱え込みすぎているような空気があった。


「あの」


レオンが声をかける。


エリスが振り向く。


「はい?」


数秒。


「あ」


反応した。


「レオン・アルバーンさん?」


「え?」


「今回の指名冒険者の方ですよね」


話は聞いていたらしい。


ただその視線には、

少し不思議そうな色も混じっていた。


若い。


そして。


思ったより普通。


そんな印象なのだろう。


「現場の動きを知りたくて来ました」


「……動き?」


「兵士の皆さんがどう動いてるか、把握しておきたいんです」


エリスは少しだけ目を丸くした。


普通の冒険者は、そこまで聞かない。


「分かりました」


だがすぐ頷く。


「では巡回路から説明します」


そのまま二人は、

夜の防壁を歩き始めた。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

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