40:防衛会議
本日もよろしくお願いします。
基地奥の簡易会議室。
机上へ地図が広げられる。
「現状を説明する」
バルクが指を置く。
「襲撃は主に夜間」
「数は?」
カイルが聞く。
「小規模なら毎晩、中規模が三日に一度くらいだな」
全員の顔が少し変わる。
多い。
通常より明らかに。
「大型個体は?」
「まだ確認されていない」
“まだ”。
その言い方が少し気になった。
レオンは静かに地図を見る。
防壁。
見張り塔。
巡回路。
⸻
ふわり。
⸻
肩の四羽目を窓から飛ばす。
「確認させてもらいますね、少しだけ。」
視界共有。
瞬間。
軽い吐き気。
だが以前よりマシだった。
上空視点。
基地全体。
そして。
「……死角」
思わず呟く。
「何?」
ミナが聞き返す。
レオンは地図の一角を指した。
「ここ、岩場で見張りが切れてます」
バルクが眉を動かした。
「……よく気づいたな」
「え?」
「そこは先週侵入された地点だ」
会議室が少し静まる。
レオンは少し困惑した。
別に深い意味はない。
ただ見えただけだ。
だが。
セスだけは、
静かにレオンを見ていた。
⸻
会議後、外へ出る。
ミナが笑った。
「いやー、便利だね召喚士!」
「そうですか?」
「索敵できるの強くない?」
レオンは少し曖昧に笑う。
まだ訓練中だ。
実戦で安定する保証もない。
その横で。
「……」
セスは無言だった。
カイルが苦笑する。
「気にするな。こいつは元々無口なんだ」
「別に疑ってるわけじゃない」
セスが口を開く。
「ただ、支援役ってのは実戦見ないと分からない」
その言葉は正しかった。
支援職は数値化しづらい。
どこまで役立っているか、実際に組まないと分からない。
だからこそ、レオンは静かに頷いた。
「そうですね」
否定しない。
その反応に、
逆にセスが少しだけ目を細めた。
⸻
夜。
基地屋上。
レオンは一人で周囲を見ていた。
暗い山。
静かな風。
そして。
どこか落ち着かない空気。
四羽目が飛ぶ。
視界共有。
まだ数秒。
それでも。
遠く。
山奥。
何かが動いた気がした。
「……気のせい、ですかね」
だが。
妖精鳥は、
静かに暗い魔境側を見続けていた。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
鉱山村編開始です。
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