32:療養命令
本日もよろしくお願いします。
報告終了後。
ギルド長がレオンへ視線を向ける。
「お前もしばらく休め」
「ですが――」
「却下だ」
即答。
「魔力消耗がかなり深い。これはまず看過できん。」
さらに。
「最近働きすぎだ」
ぐうの音も出なかった。
その横で、
ダグラスがニヤリと笑う。
「お、図星か?」
「……否定はできません」
「やっぱりな」
ダグラスは腕を組む。
「ガドのおっさんが心配してたぞ」
レオンが少し目を瞬かせた。
「ガドさんが?」
「ああ。最近のレオン、ちょっと焦り気味だーってな。今回の任務でも無理しないように見ててやってくれって言われたんだぜ。まぁ結局全員無理しなきゃ生きて帰ってこれなかったんだけどな」
ダグラスは苦笑する。
「あのおっさん、昔から面倒見いいんだよ」
「……意外です」
「普段はただの酒臭い盾オヤジだけどな」
少し笑いが起きる。
「で、その時言ってた」
ダグラスはガドの顔と口調を真似して言った。
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『“急ぐ”と“雑になる”は違うからな』
⸻
レオンは少し黙った。
確かに。
ここ最近の自分は、前へ進むことばかり考えていた。
経験を積む。
強くなる。
追いつく。
その焦りがあった。
ダグラスはそんなレオンを見て、小さく笑う。
「まあ、心配されるうちは若手だよ」
「……そういうものですか?」
「そういうもんだ」
その言葉は妙に自然で、
少しだけ肩の力が抜ける気がした。
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