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足りない召喚士の戦い方  作者: トリバード


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31/52

31:ギルドへの討伐報告

本日もよろしくお願いします。

「……以上が、今回確認された内容です」


ギルド会議室。

レオン・アルバーンは静かに報告を終えた。


机を囲むのは、

ギルド職員数名に調査員、町の衛兵隊長、

そして、ギルド長。


普段の依頼報告とは空気が違う。


机上には、異常個体の詳細資料。



赤黒い魔力核。

異常な身体能力。

通常種との差異。


調査員の一人が険しい顔で呟く。


「……討伐難度、最低でもB級相当」


部屋が静まる。


B級。


Cランク上位パーティでも、

死人が出かねない難度。


今回、それを、


Cランク一人。

Dランク一人。

Cランクパーティ三名。


計五人で撃破した。


「正直、全滅しててもおかしくなかった」


衛兵隊長が吐き捨てるように言う。


レオンは何も言えなかった。

実際、かなり危なかった。


「で?」


ギルド長が資料を閉じる。


「問題はこっちだ」


視線が移る。

部屋の隅。


「…………」


ダグラスが露骨に目を逸らした。



「おい」


ギルド長が低い声を出す。


「なんで昨日からお前、俺避けてた?」


「いやぁ……?」


ダグラスが乾いた笑みを浮かべる。


「偶然じゃねえかな……」


「倉庫裏から逃げてたの見たぞ」


「……」


レオンは少しだけ困惑した。


普段落ち着いているダグラスが、

妙にそわそわしている。


理由はすぐ分かった。


「今回の案件」


ギルド長が言う。


「正式にB級指定が降りた」


ダグラスが天井を見た。


「あー……」


「そして、お前」


嫌な沈黙。


「昇級条件満たした」


「やめましょうよ」


即答だった。


部屋の空気が少し崩れる。


「...俺もう歳ですよ?...責任重いの嫌なんですよ?...Cで十分じゃないですか...」


「黙れ」


ギルド長が一蹴した。


「異常個体相手に前衛維持して生還した時点で無理だ」


ダグラスが頭を抱える。


「いや俺、あれ半分くらいレオンのおかげ――」

「評価は総合だ」


逃げ道を塞がれる。


「あとお前」


ギルド長が追撃する。


「昔から“責任増えるから上がりたくねえ”って逃げ続けてただろ」


レオンは少し目を瞬かせた。


「……そうだったんですか?」


「そうだよ!」


ダグラスが机を叩く。


「Bなんて面倒しかねえんだ!」


「高難度案件!新人教育!地方応援!貴族案件!」


「絶っっ対、胃が死ぬ!」


調査員が吹き出した。

ギルド長は額を押さえる。


「お前実力はあるくせに本当にそれだからな……」


どうやら、ダグラスは“上へ行けなかった”わけではないらしい。



“行きたくなかった”。


責任を背負う立場に就きたくなかった。


それが妙に彼らしくて、レオンは少しだけ笑ってしまった。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

しばらく戦闘が続いていたので、しばらくは日常回です。

続きが気になると思っていただけたら、ブックマークや評価をいただけると励みになります。

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