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足りない召喚士の戦い方  作者: トリバード


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26/54

26:赤い眼光

本日もよろしくお願いします。

リオが地面を滑る。

砂利が散る。


「っ……!」


左腕。

浅くはない。

斬られたように血が流れていた。


異常個体の狼は、静かにこちらを見ている。


低い唸り声。

赤い双眸。


その場にいる全員が理解していた。


“今までの相手とは違う”。


空気そのものが張り詰める。


「ダグラス!」


リオが叫ぶ。


「前固定!」


重戦士ダグラスが即座に前へ出る。

大盾を構える。


その瞬間。



黒狼が消えた。



「速――」


衝撃。

轟音と共にダグラスの巨体が後退する。


「ぐっ……!」


盾越しですら止め切れない。

地面に靴跡が深く刻まれる。


(重い……!)


レオンは息を呑む。

速さだけじゃない。

単純な膂力も異常だった。


「来るぞ!」


狼が再び跳ぶ。

今度は横の弓手へ。


「っ!」


レオンが杖を振る。

妖精鳥が飛ぶ。


身体強化。


弓手がギリギリで回避。

狼の爪が岩を抉る。


「助かった!」


だが、休む暇はない。


狼が即座に反転。

再加速。


「チッ!」


リオが踏み込む。


剣閃。


だが狼は空中で軌道を変えた。


速い。

異常な反応速度。


「避け――」


間に合わない。


狼の爪がリオを捉える。


金属音。

火花。


ギリギリで剣を差し込んでいた。

だが完全には殺せない。


「ぐっ……!」


再び押し込まれる。


(押されてる)


リオですら。


レオンは戦況を見る。


ダグラスは耐えられる。

だが長くない。

弓手は近づかれると危険。

回復術師は今、リオの治療優先。


そして狼は、


明らかに“前衛を嫌っている”。


弱い場所を狙っている。


(賢い……!)


ただ強いだけじゃない。


戦い慣れている。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

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