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足りない召喚士の戦い方  作者: トリバード
山岳地帯調査

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26/143

26:赤い眼光

本日もよろしくお願いします。

リオが地面を滑る。

砂利が散る。


「っ……!」


左腕。

浅くはない。

斬られたように血が流れていた。


異常個体の狼は、静かにこちらを見ている。


低い唸り声。

赤い双眸。


その場にいる全員が理解していた。


“今までの相手とは違う”。


空気そのものが張り詰める。


「ダグラス!」


リオが叫ぶ。


「前固定!」


重戦士ダグラスが即座に前へ出る。

大盾を構える。


その瞬間。


⸻


黒狼が消えた。


⸻


「速――」


衝撃。

轟音と共にダグラスの巨体が後退する。


「ぐっ……!」


盾越しですら止め切れない。

地面に靴跡が深く刻まれる。


(重い……!)


レオンは息を呑む。

速さだけじゃない。

単純な膂力も異常だった。


「来るぞ!」


狼が再び跳ぶ。

今度は横の弓手へ。


「っ!」


レオンが杖を振る。

妖精鳥が飛ぶ。


身体強化。


弓手がギリギリで回避。

狼の爪が岩を抉る。


「助かった!」


だが、休む暇はない。


狼が即座に反転。

再加速。


「チッ!」


リオが踏み込む。


剣閃。


だが狼は空中で軌道を変えた。


速い。

異常な反応速度。


「避け――」


間に合わない。


狼の爪がリオを捉える。


金属音。

火花。


ギリギリで剣を差し込んでいた。

だが完全には殺せない。


「ぐっ……!」


再び押し込まれる。


(押されてる)


リオですら。


レオンは戦況を見る。


ダグラスは耐えられる。

だが長くない。

弓手は近づかれると危険。

回復術師は今、リオの治療優先。


そして狼は、


明らかに“前衛を嫌っている”。


弱い場所を狙っている。


(賢い……!)


ただ強いだけじゃない。


戦い慣れている。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

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