↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
足りない召喚士の戦い方  作者: トリバード
山岳地帯調査

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
23/143

23:経験の値段

本日もよろしくお願いします。


「また行くのか?」


朝、ギルドの受付前。

ガド・バレインが呆れたように言った。


レオン・アルバーンは依頼書を手にしたまま頷く。


「……空いてる依頼が多いので」



町襲撃から数日経ったが、リスベル周辺はまだ不安定だった。

魔物の出現数も増えている。


結果として、依頼は山積み。


「若いなあ……」


ガドは苦笑した。


ここ数日、レオンは異様なペースで依頼を受けていた。


護衛。

採取。

討伐。

探索。


規模は様々。


まるで“止まるのを嫌がる”みたいに。


「無理すんなよ」


ガドが言う。


「……大丈夫です」


だが、ガドは鼻を鳴らした。


「大丈夫って言うやつほど危ねえんだよ」


レオンは少しだけ困った顔をした。


⸻


「座れ」


ガドが椅子を引く。

昼前のギルドは比較的空いていた。


「……はい」


レオンも腰を下ろす。


ガドはしばらく黙ってから口を開いた。


「お前、“急いでる”だろ」


レオンの手が止まる。


「昇格試験落ちたからか?」


否定できなかった。


ガドはため息を吐く。


「気持ちは分かる」


「俺も昔、無茶した」


酒臭い笑い。


「若い頃は、“数こなせば強くなる”って思うんだよ」


「……違うんですか?」


「半分正解、半分間違いだ」


ガドは指を立てる。


「経験は必要だし、場数も踏まなきゃ話にならねえ。

そこは否定しない。」


「でもな」


視線が真っ直ぐ向く。


「経験ってのは、“考えて残した経験”じゃねえと意味がねえ」


レオンは黙って聞く。


「死にかけました〜だの、ギリギリ勝ちました〜だの」


ガドは肩をすくめならが言った。


「そんなんだけ積み重ねても、ただ消耗するだけだ」


「……」


「ちゃんと、“何が良かったか”を残せ」


一拍。


「お前、最近ちょっと視野狭くなってるぞ」


その言葉に、レオンは少しだけ目を見開いた。


図星だった。


昇格試験。

町防衛。

足りないと言われたこと。


それが頭から離れない。

だから、とにかく前へ進もうとしていた。


「焦るなとは言わねえ」


ガドが言う。


「でも、“急ぐ”と“雑になる”は違うからな」


レオンは静かに頷いた。


「……ありがとう、ございます」



その日の午後。

掲示板前で依頼を探していた時だった。


「お、いたいた」


聞き覚えのある声に振り返る。


赤髪。

軽い笑み。


リオ・ヴァレット。


「久しぶり」


Cランクへ昇格したばかりの剣士。


レオンは少し驚く。


「……リオさん」


「今から任務?」


「はい」


リオは掲示板を見る。


「じゃあ一緒だわ」


指差した依頼。


⸻


《山岳地帯における調査・護衛任務》


⸻


「俺もそれ受ける」


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

続きが気になると思っていただけたら、ブックマークや評価をいただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。