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足りない召喚士の戦い方  作者: トリバード


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20/55

20:場を回す

初作品です。

誤字脱字、矛盾などあるかもしれませんが、

生暖かい目で見ていただけますと幸いです。

「……聞いてください!」


声を張る。


戦闘中。

それでも三人は反応した。


「このままだと消耗で崩れます!」


ガドが叫ぶ。


「じゃあどうする!」


レオンは即座に答える。


「役割を固定します!」



「ガドさんは前だけ見てください!」

「フィナさんは抜けた敵だけ処理!」

「エルトさんは撃破じゃなく足止め優先!」


一気に言い切る。


沈黙は、ほんの一瞬。


「……分かった!」


ガドが返した。


レオンは支援の配分を変える。

ガドへ耐久。

フィナへ加速。

エルトへ集中補助。


役割が固定される。


だから、迷いが減る。


「前、押せるぞ!」

ガドが叫ぶ。

フィナも動きやすくなる。

エルトの魔法が、敵の流れを止める。


レオンは全体を見る。


(左が薄い)


「ガドさん、一歩左!」


「了解!」


修正が回る。


初めてだった。


“戦線が自分を中心に回っている”


昇格試験の時の指示とはまた違った、その感覚。



だが、楽ではない。

遠くで爆発。

別パーティの一角が崩れる。


「撤退!撤退しろ!」


負傷者が運ばれる。

血の匂い。


そして――


布を被せられた衛兵。

死者も出ていた。


(……これが現実か)


今まで死人が出るような任務には参加したことがなかった。

自分もいつこうなってもおかしくない状況。

これまでより、ずっと、重い。


それでも、止まれない。


大型の猿型魔獣が現れる。


「来るぞ!」


全員が疲弊している。

だが、レオンは冷静だった。


「フィナさん、右誘導!」

「エルトさん、視界止めてください!」

「ガドさん、正面固定!」


即座に指示。

全員が動く。

大型個体が孤立する。


「今!」


ガドの一撃。

フィナの追撃。

最後に、エルトの風刃が首を裂いた。


静寂。


戦闘終了だった。

誰もしばらく立てなかった。


「……終わったのか」


遠くではまだ救護活動が続いている。


負傷者は多い。

死者も出た。


だが――


「お前ら、大した怪我はないのか……?」

救護班の男が目を見開く。


確かに。

消耗は激しい。

だが、四人とも生きている。

大きな負傷もない。

他の組と比べれば、明らかに損耗が少なかった。


フィナがぽつりと呟く。

「……レオンが回してたからだ」


エルトも静かに頷く。

「途中から、戦いやすさが全然違った」


ガドが笑う。

「お前、“支援役”じゃねえなもう」


レオンは少しだけ目を見開いた。


“支援役”。


その言葉が、今までと少し違って聞こえた。



ギルド内は騒然としていた。



負傷者。

治療。

報告。


その中で、

レオンたちの報告にざわめきが走る。



「損耗なし……?」

「Dランク寄せ集めで?」


ガドが親指でレオンを指す。


「こいつの指示が良かったんだ」


視線が集まる。

レオンは少しだけ困ったように視線を逸らした。

肩の妖精鳥が、静かに光る。


昇格試験には落ちた。

足りないと言われた。


でも――今日、

確かに一つ、


前へ進めた気がした。


“支える”だけではなく、


“導く”側へ。


その小さな変化は、


まだ始まったばかりだった。

成長を書くのって難しいですね。

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