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足りない召喚士の戦い方  作者: トリバード
初の昇格試験

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17/143

17:番外編:あいつの厄介なところ

初作品です。

誤字脱字、矛盾などあるかもしれませんが、

生暖かい目で見ていただけますと幸いです。

番外編


『あいつの厄介なところ』

――リオ・ヴァレット視点


⸻

昇格試験。


正直に言えば、最初は興味なかった。

やることやればいい、それだけで俺は合格するだろう。


集合場所に集まった面子を見て、ざっと評価する。


槍の女――悪くない。安定型。

弓のやつ――普通。


で――


「……あれが例の」


少し離れたところにいた、銀髪の男。


レオン・アルバーン。


“支援のやつ”。


⸻


噂は聞いてた。


「地味だけど崩れない」

「どこにでも入れる」


便利枠、ってやつだ。


(まあ、いて困るタイプじゃない)


それくらいの認識だった。


⸻

最初の戦闘。

いつも通り前に出る。


一体、二体といつも通り普通に落とす。


(……あれ?)


ふと気づく。


“ちょっと軽い”


別に、劇的に変わるわけじゃない。

でも、ほんの少し。


動きやすい。


振り返ると、あいつがいた。


本を開いて、いつの間にか支援を飛ばしてる。


(……なるほどね)


派手じゃないが、確実に効いてる。


ただ、問題もすぐ分かった。



遅い。



正確には、“遅れてる”。


俺が崩した後に来る。

だから意味が薄い。


(惜しいな)


これ、タイミング合えばかなり強い。

でも、今はズレてる。


何戦かやるうちに、もう一つ気づく。


あいつ、“ずっと見てる”。


敵じゃなく、俺たちを。


誰がどう動くか。

どこで崩れるか。


(ああ、そういうタイプか)


支援専門。


だから“人を見る”。


悪くない。


むしろ正解。

でも――


(見すぎだな)


判断がワンテンポ遅れる理由、それだ。


⸻


あいつが初めて口を出した時、正直、ちょっと驚いた。


(あ、言うんだ)


もっと黙ってるタイプかと思ってた。



内容はシンプル。

順番と役割の整理。


(まともだな)


だから、すぐ乗った。

こういうのは、試した方が早い。


結果は――


(いいじゃん)


ちゃんと回る。

むしろやりやすい。


ただし、


“ギリギリで回してる”


余裕がない。

誰かが崩れたら、そのまま崩壊する形。



数が来た時、

あいつは迷わなかった。


(あ、選んだな)


支援を一点集中。

俺に全部乗せた。


その時点で分かる。


(他は捨てた)


結果は正解。

俺は押し切れる。


でも、その代わりに――

一人、間に合わなかった。


(……そりゃそうだ)


全員は無理。


問題はそこじゃない。


“選べる”こと。

そして“実行できる”こと。


Dランクでこれやるやつ、あんまりいない。


普通は迷う。

全員助けようとする。

結果、全滅なんてことになるのが普通だ。


あいつは違った。


(割り切ってるな)


でも、足りない。

それでも、結論は変わらない。


あいつは落ちる。


理由は簡単。


“待ってるから”。


状況を見て、

最適解を探して、

一番いい支援を選ぶ。


それ自体は強い。

かなり強い。


でも――“始めてない”


流れを作る側じゃない。

あくまで、整える側。


(だから惜しい)


あと一歩で、別物になるのにな。


⸻

■試験後


結果は予想通り。


「不合格」


あいつ、あんまり動じなかったな。


⸻


(まあ、分かってた顔だ)


外に出たところで声かける。


「残念だったな」


振り返る顔。

悔しさはある。


でも折れてない。


⸻


(いいな、このタイプ)


⸻


だから、少しだけ言う。


⸻


「一番惜しいの、あんただったと思うよ」


⸻


俺以外の奴は全員不合格だった。


あいつにかけたこの言葉は、本音だ。



俺は通る。

今のままで。


でもあいつは――“まだ伸びる余地がある”

しかも、かなり大きく。


「支えるだけじゃなくて、“動かせる側”になったら」


⸻


想像してみる。


⸻


あいつが前提で組まれたパーティ。

あいつが流れを作る戦場。


(……面倒くせえな、それ)


正直、やりたくない相手になる。


レオン・アルバーン。

強くはない。


でも――


“強くなる場所にいるやつ”。


ああいうのは、大体化ける。


だからまあ、

またどっかで会うだろ。


その時が、少し楽しみだ。


こいつのことは覚えておこう。

その価値があるかもしれない。


番外編として、リオの視点から見たレオンを書いてみました。

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