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足りない召喚士の戦い方  作者: トリバード


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17/55

17:番外編:あいつの厄介なところ

初作品です。

誤字脱字、矛盾などあるかもしれませんが、

生暖かい目で見ていただけますと幸いです。

番外編


『あいつの厄介なところ』

――リオ・ヴァレット視点


昇格試験。


正直に言えば、最初は興味なかった。

やることやればいい、それだけで俺は合格するだろう。


集合場所に集まった面子を見て、ざっと評価する。


槍の女――悪くない。安定型。

弓のやつ――普通。


で――


「……あれが例の」


少し離れたところにいた、銀髪の男。


レオン・アルバーン。


“支援のやつ”。



噂は聞いてた。


「地味だけど崩れない」

「どこにでも入れる」


便利枠、ってやつだ。


(まあ、いて困るタイプじゃない)


それくらいの認識だった。


最初の戦闘。

いつも通り前に出る。


一体、二体といつも通り普通に落とす。


(……あれ?)


ふと気づく。


“ちょっと軽い”


別に、劇的に変わるわけじゃない。

でも、ほんの少し。


動きやすい。


振り返ると、あいつがいた。


本を開いて、いつの間にか支援を飛ばしてる。


(……なるほどね)


派手じゃないが、確実に効いてる。


ただ、問題もすぐ分かった。



遅い。



正確には、“遅れてる”。


俺が崩した後に来る。

だから意味が薄い。


(惜しいな)


これ、タイミング合えばかなり強い。

でも、今はズレてる。


何戦かやるうちに、もう一つ気づく。


あいつ、“ずっと見てる”。


敵じゃなく、俺たちを。


誰がどう動くか。

どこで崩れるか。


(ああ、そういうタイプか)


支援専門。


だから“人を見る”。


悪くない。


むしろ正解。

でも――


(見すぎだな)


判断がワンテンポ遅れる理由、それだ。



あいつが初めて口を出した時、正直、ちょっと驚いた。


(あ、言うんだ)


もっと黙ってるタイプかと思ってた。



内容はシンプル。

順番と役割の整理。


(まともだな)


だから、すぐ乗った。

こういうのは、試した方が早い。


結果は――


(いいじゃん)


ちゃんと回る。

むしろやりやすい。


ただし、


“ギリギリで回してる”


余裕がない。

誰かが崩れたら、そのまま崩壊する形。



数が来た時、

あいつは迷わなかった。


(あ、選んだな)


支援を一点集中。

俺に全部乗せた。


その時点で分かる。


(他は捨てた)


結果は正解。

俺は押し切れる。


でも、その代わりに――

一人、間に合わなかった。


(……そりゃそうだ)


全員は無理。


問題はそこじゃない。


“選べる”こと。

そして“実行できる”こと。


Dランクでこれやるやつ、あんまりいない。


普通は迷う。

全員助けようとする。

結果、全滅なんてことになるのが普通だ。


あいつは違った。


(割り切ってるな)


でも、足りない。

それでも、結論は変わらない。


あいつは落ちる。


理由は簡単。


“待ってるから”。


状況を見て、

最適解を探して、

一番いい支援を選ぶ。


それ自体は強い。

かなり強い。


でも――“始めてない”


流れを作る側じゃない。

あくまで、整える側。


(だから惜しい)


あと一歩で、別物になるのにな。


■試験後


結果は予想通り。


「不合格」


あいつ、あんまり動じなかったな。



(まあ、分かってた顔だ)


外に出たところで声かける。


「残念だったな」


振り返る顔。

悔しさはある。


でも折れてない。



(いいな、このタイプ)



だから、少しだけ言う。



「一番惜しいの、あんただったと思うよ」



俺以外の奴は全員不合格だった。


あいつにかけたこの言葉は、本音だ。



俺は通る。

今のままで。


でもあいつは――“まだ伸びる余地がある”

しかも、かなり大きく。


「支えるだけじゃなくて、“動かせる側”になったら」



想像してみる。



あいつが前提で組まれたパーティ。

あいつが流れを作る戦場。


(……面倒くせえな、それ)


正直、やりたくない相手になる。


レオン・アルバーン。

強くはない。


でも――


“強くなる場所にいるやつ”。


ああいうのは、大体化ける。


だからまあ、

またどっかで会うだろ。


その時が、少し楽しみだ。


こいつのことは覚えておこう。

その価値があるかもしれない。


番外編として、リオの視点から見たレオンを書いてみました。

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