表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
足りない召喚士の戦い方  作者: トリバード
異常個体:骨鳥

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
131/135

131:遺されたもの

本日もよろしくお願いします。

骨鳥の報告は、一日では終わらなかった。


二日。

三日。

そして四日目。


レオンはようやく解放された。


「疲れた……」


思わず漏れた本音だった。


ギルド本部の会議室。

何度も同じ説明をした気がする。


どこで発見したのか。

どんな行動を取ったのか。

どう戦ったのか。

骨鳥を見た第一印象は。

恐怖は感じたか。

異形化を見て何を思ったか。

なぜあの場面で強化対象をゼインへ変えたのか。


そして。


最後の変化について。


妖精鳥との繋がり。

魔力の流れ。

身体感覚。


覚えている限り全てを聞かれた。


エドガーも何度か同席していた。


質問の内容は細かかった。

だが、不思議と嫌な感じはしなかった。


何か手掛かりを探ろうとしている。


そんな印象だった。



「やっと終わったな」


会議室の外でゼインが肩を回す。


「終わったのは報告だけだ」


マークが苦笑した。


荷車へ視線を向ける。

そこには回収した遺品が並べられていた。


冒険者証。

武器。

装飾品。

防具の破片。

全て骨鳥が取り込んでいたものだ。


「次はこっちですね」


マークが言う。

ゼインも頷く。


「先に危険物の確認だな」


そして二人は同時に振り返った。


視線の先には。


「おや」


ヴァイスだった。

嫌な予感しかしない。


「その顔は失礼ですよォ」



結局、遺品は一度ヴァイスへ預けられる事になった。


異形化した組織。

呪い。

魔力汚染。


何が付着しているか分からない。


その確認が必要だった。


「安心してください」


ヴァイスは真顔で言った。


「ちゃんと目録を作成しましたからねェ」


「当たり前だろ」


ゼインが即座に返した。


「いやぁ、それが当たり前ではないんですよォ」


どこか遠い目だった。

誰も深く聞かなかった。

聞きたくなかった。



そこからさらに数日、レオンも遺品整理を手伝った。


名前の分かる冒険者証。

ギルド記録との照合。

持ち主の確認。

返却先の確認。

地味な作業だった。


だが、不思議と嫌ではない。


骨鳥との戦いは終わった。

これは、骨鳥と戦った誰かの痕跡だった。


「これで最後ですね」


マークが帳簿を閉じる。

夕暮れだった。


「助かりました」


「いえ」


レオンは首を振る。


「僕も関わった事ですから」


マークは少しだけ笑った。


「そういう所は良い所だと思いますよ」


レオンは少し照れ臭くなった。



そして数日後。


レオンは一人で王都中央区を歩いていた。


目的地は決まっている。

石造りの建物。

王都魔術研究院。

その一角。


ヴァイスの研究室だった。


骨鳥との戦いの後、ヴァイスは言った。


――君の変化について仮説がある。


――後日、時間を頂けませんか。


その言葉がずっと引っ掛かっていた。


妖精鳥との繋がり。

あの強化。

今も残る違和感。


知らなければならない。


そんな気がしていた。


レオンは研究棟の扉を見上げる。


そして深く息を吸った。


「……よし」


覚悟を決める。


そのまま扉を押し開いた。


後に、レオンの常識を大きく変える事になる話が、ここから始まる。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

続きが気になると思っていただけたら、ブックマークや評価をいただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ