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足りない召喚士の戦い方  作者: トリバード
異常個体:骨鳥

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124/135

124:繋がる活路

本日もよろしくお願いします。

所用につき、投稿時間が遅れました。申し訳ありません。

ジャラァァァァッ!!!


異形の腕が振り上げられる。


骨に肉、黒い触手と、それに絡みついた数々の遺品。

その全てが混ざり合った腕だった。


巨大。


それだけで圧迫感がある。


だが、本当に恐ろしいのは速さだった。


「レオン!!」


ゼインが叫ぶ。


骨鳥が落ちてくる。


一直線。


狙いは変わらず、自分だ。


レオンは反射的に妖精鳥を飛ばそうとした。


だが、魔力が暴れる。

制御しようとしても勝手に流れていく。


「ッ……!」


妖精鳥が勝手に魔力を持っていく。

制御出来ない。


頭痛と眩暈。

視界が揺れる。


骨鳥は迫る。


近い。

速い。

このままでは、死ぬ。


そんな言葉が脳裏を過った。


その瞬間、レオンの視界へ飛び込んできたのは仲間達だった。


ドルガが動くが、間に合わない。


カイルも走るが、届かない。


シエラは立ち上がろうとしているが、無理だ。


ゼインは全力でこちらへ向かっていた。


仲間たちのその姿を見た瞬間、レオンの中で何かが噛み合う。


違う。

骨鳥を見るな。

仲間を見ろ。

繋げ。


それが、お前の役割だろう。


「――行け」


小さく呟く。


その瞬間だった。


今まで感じていた抵抗感が消えた。

驚くほど自然に魔力が流れる。


妖精鳥へ。


無理矢理奪われる感覚ではない。


パスが完全に繋がった。


そんな感覚だった。


赤い妖精鳥が輝く。


一際大きく、一際鮮明に。


そして、一直線にゼインへ飛んだ。


「……?」


ゼインの目が僅かに見開かれる。


身体が軽い。


違和感。

だが不快ではない。


心臓が脈打つ。

血が巡る。

筋肉が応える。


それに合わせるように。


魔力も巡る。


速い。


今までより遥かに。


滑らかに。

力強く。


雷鉄鉱が唸った。

バチバチと激しく放電する。

まるで歓喜しているかのようだった。


「これは……!!」


ゼインが笑う。


斧を振りかぶり、地面を踏み込む。


轟ッ!!


爆発した。


そう錯覚する程の加速。


景色が近い。

骨鳥が反応する。

だが遅い。


ゼインの方が、速い。


「オラァッ!!」


戦斧が唸り、弧を描く。


轟音。


振り下ろされた渾身の一撃が、骨鳥の異形の腕へ叩き込まれた。


骨が砕ける。

触手が千切れる。

肉が裂ける。


異形の腕が弾き飛ばされた。


ギィィィィィィッ!!


骨鳥が絶叫する。


今までで一番大きな悲鳴だった。


そのままゼインは止まらず、さらに踏み込む。


胸。

心臓。


そこを狙う。


だが、骨鳥も必死だった。


残った触手。

骨。

遺品。


全てを再度胸の前へ集める。


防御。


間に合う。


そう思った。


その瞬間。


ギャアァァァッ!!


骨鳥の身体が大きく揺れる。


異形化が暴走していた。


先程無理矢理生やした異形の腕のせいか、自身の肉体の輪郭すら把握できておらず、動きが一瞬硬直した。


僅かな隙。


ほんの一瞬。


胸部が露出する。


ゼインの目が細まった。


獲物を捉えた狼のように。


「捉えたぜ?」


身体を捻って斧を大きく振りかぶる。


直後、雷光が走る。


その光景を見ながら。


ヴァイスの魔眼が見開かれていた。


見ているのはゼインだけではない。


レオンだった。


レオンから妖精鳥へ。


そして、妖精鳥からゼインへ。


流れる魔力が、今までとは違う。


一方通行ではない。

循環している。


「ハ……」


ヴァイスが笑う。


血の混じった息を吐きながら。


「おもしろい……」


魔眼が細まる。


狂気じみた歓喜。


「これはまるで……!!!」


そして。


ゼインの戦斧が振り下ろされた。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

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