表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
足りない召喚士の戦い方  作者: トリバード
異常個体:骨鳥

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
119/135

119:標的

本日もよろしくお願いします。

轟ッ!!


骨鳥が空を裂いた。


一直線。


迷いは無い。

狙いは最初から決まっていた。


レオンだった。


「来るぞ!!」


ゼインの怒声。


だが。


その声が響くよりも早く。


ドルガが動いていた。


重い鎧に巨大な盾。


その全てを抱えたまま、一歩前へ出る。


轟音。


骨鳥の嘴が盾へ突き刺さった。


ガギィィィィィンッ!!


火花。


衝撃。


ドルガの身体が地面を滑る。


だが、止まった。


骨鳥の突進が。


「ッ……!!」


レオンが息を呑む。


昨夜から散々翻弄され続けた。


速過ぎて見えない。

避け切れない。

そう思っていた。


だから、ドルガは受けた。

真正面から。


骨鳥の眼孔が細まる。


理解出来ない。

そんな風にも見えた。


「言っただろう」


ドルガが低く言う。


盾越し。


骨鳥を見上げながら。


「狙いが、分かっているなら...!!」


力が込められる。


盾が持ち上がる。


「受けるのも、容易いと...!!!」


その瞬間。


ゼインが飛んだ。


轟ッ!!


戦斧の重い一撃が横から叩き込まれる。


骨鳥が翼を広げる。


骨。

肉。

黒い触手。


異形の翼が斧を受け止める。


だが。


完全には止め切れず、骨片が弾け飛ぶ。


ジャラァッ!!


無数の遺品が散る。


骨鳥が後退した。


ほんの僅か。


それだけだった。


だが。


今まででは考えられない事だった。


「押したぞ!!」


カイルが叫ぶ。


槍を構えたまま走る。


骨鳥の死角。


側面。


そこへ突き込む。


鋭い刺突が骨鳥の脇腹へ吸い込まれる。


ガギィッ!!


止まった。

半ばまでは入った。


だが、それ以上進まない。


咄嗟に引き抜こうとするも、何かに掴まれているように動かない。


骨のその奥。

何かが槍先を絡め取っていた。


「んだこれっっ!!」


カイルが舌打ちする。


その瞬間、骨鳥の首が捻れた。


黒い眼孔がカイルを見据える。


だが、そこから骨鳥が動き出すまでの僅かな隙にシエラが動く。


木を蹴る。


高速移動。


残った右腕だけで双剣を振るう。


銀閃。


カイルの槍が刺さった場所の近くをなぞるように切りつける。


骨鳥が反射的に後退した。


完全には通らない。


浅い。


だが。


狙いはそれで十分だった。


その瞬間、槍の拘束が解け、カイルが距離を取る。


「助かった!!」


「借り一つね!!」


シエラが叫ぶ。


その直後、骨鳥が翼を広げ、木々の上へ舞い上がる。


ガチガチと遺品が激しくぶつかり合うような音が響く。


嫌な予感。


「来る!!」


マークの声。


次の瞬間。


無数の何かが飛んだ。

骨片に金属片、その羽に取り込んだ幾つもの勲章のようなそれらの遺品が、嵐のように放たれる。


そうしてその合間に鋭い骨の槍が幾つも形成され、射出。

木々を貫きながら降り注ぐ。


咄嗟にマークが土壁を展開。


その刹那にドルガが前へ飛び出し、

壊れかけの大盾を斜めに構える。


轟音。


三本。


四本。


五本。


仲間に当たらないよう受け流す。


だが。


全部は無理だった。


「散開!!」


ゼインが叫ぶ。


全員が飛ぶ。


レオンも動く。


だが。


今度は違った。


骨鳥を見ない。


仲間を見る。


誰が危ない。


誰へ飛ぶ。


どこが崩れる。


それだけを見る。


「右!!」


叫ぶ。


妖精鳥が飛ぶ。


赤い光。


シエラへ。


身体能力強化。


シエラが加速する。


骨槍が頬を掠める。


回避成功。


「助かる!!」


同時。


二羽目。


ドルガへ。


盾を押し支える力が増す。


三羽目。


マークへ。


魔術展開速度が上がる。


水と土を組み合わせた泥の塊を骨鳥の羽に向かって放つ。


その反撃に体勢が崩れ、金属片の嵐が止む。


繋がった。


全員が。


レオンの中で確信が生まれる。


これだ。


敵を見るな。

仲間を見ろ。

崩れる場所を支えろ。


それが、自分の戦い方だ。


ジャラ……


骨鳥が距離を取り、羽に付いた泥を剥がす。


枝の上。


木々の隙間。


黒い眼孔だけがこちらを見る。


レオンを。


そして、骨鳥は理解した。

先程よりも、さらに明確に。


この人間がいる限り、自分は狩れない。



レオンも理解した。


骨鳥はまだ余裕がある。

今のは様子見だ。

本気ではない。


だが。


こちらも同じだった。


まだ、切り札は切っていない。


森の空気が張り詰める。


ジャラ……


金属音。


再び。


骨鳥が翼を広げた。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

続きが気になると思っていただけたら、ブックマークや評価をいただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ