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【収容者記録】○○County Asylum患者個別記録簿より抜粋(複写)

患者名:Tony Wicks

記録番号:No.184-27

収容日:1873年11月4日

推定年齢:4〜5歳

性別:男

身長:5フィート10インチ(成人男性相当)

備考:身体発育と精神発達の著しい乖離あり


収容理由

・見世物小屋にて「成人男性のような外見を持つ子供」として展示されていた。

・興行中に興奮状態となり、複数名を負傷させたため警察により保護。

・興行主より「年齢不詳・制御不能」として引き渡される。



初診時所見(医師記録)

・精神年齢は明らかに幼児〜学童期相当。

・言語能力は単語中心で、文章構成は未発達。

・感情表現は幼児的で、刺激に対し即時反応を示す。

・外見は完全に成人男性であり、筋力も成人並み。

・医師所見:「本患者は、幼い子供が成人の身体に閉じ込められた状態と推察される」

・成長ホルモン異常の可能性を指摘する記述あり(当時の医学では未解明)。



行動記録(看護記録より)

・11月 5日:収容直後、興行主を呼ぶように泣き叫ぶ。拘束椅子使用。

・11月 7日:冷水療法に強い恐怖反応。看護師にしがみつく。

・11月 9日:回転療法後、嘔吐と混乱。幼児のように「こわい」と繰り返す。

・11月12日:独房内で玩具を求める行動。

・11月14日:職員に向かって笑顔を見せるが、理由は不明。

・11月18日:夜間、扉の前で座り込み、誰かを待つような姿勢を続ける。


備考

・見世物小屋での展示は、本人の意思ではなく、「大人の身体を持つ子供」という外見が興行価値を持ったためと推察される。

・興行主の証言: 「彼は子供そのものだった。泣けば泣くほど客が喜ぶから、笑わせたり泣かせたりした」

・本人の説明は幼児的で断片的。

・医師所見: 「本患者は精神の未成熟ではなく、身体の異常成長が主因である」



最終記録

・1874年1月3日:深夜巡回時、独房内に患者の姿なし。

・扉の施錠に異常なし。

・捜索するも発見に至らず。

・記録上:行方不明


(※本記録は1874年の火災により原本の大部分が焼失。現存するのは複写の一部のみとされる。)

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