2話
またもや投稿期間が空いてしまい申し訳ありません。これからも投稿頻度は不定期になりそうですが、今後ともよろしくお願いします!
ゲートに入ってから5分程経つが……今のところは異常は無さそうだ。
今いるのは渋谷ゲートの地下1階。森のようになっており、異常に大きく紫色の木々が生えている。木々の隙間からは時々太陽らしきものや青空が見えてくる。
確か出現モンスターは大狼と水操魔だったはず。どちらも大きいだけで警戒さえ怠らなければ普通に対処可能だ。
「ん?」
一番後ろを歩いていた近藤さんがいきなり立ち止まる。
「どうしたんすか?」
轍がそう聞くと近藤さんは口に指を立てた。何かがいるのだろうか?俺は何も聞こえないが……
グチョッ、
液体が移動する音が微かに俺の耳に入ってきた。恐らく水操魔、近接戦闘の轍は相性が悪い。
近藤さんが腰から拳銃を取る。銃弾には属性ルーンが刻まれており様々なモンスターに対応可能だ。
俺はポケットから同じくルーンが刻まれているナイフを出す。近藤さんが一発で核を撃ち抜いてくれるはずだが一応持っておいた方が良いだろう。
徐々に音が近づいて来る。水操魔の身体の一部が見えるが近藤さんは微動だにしない。水操魔は核を破壊しない限り動き続ける。一撃で仕留めるつもりだろう。
水操魔の核が見えた瞬間、
パァン
拳銃から放たれた弾丸は正確に水操魔の核を撃ち抜いた。
「走るよ!」
近藤さんがそう言った瞬間、俺達は駆け出す。今の銃声で大狼が寄ってくるかもしれないからだ。早い内に離れた方が無駄な戦闘を避けることができ、生存する可能性が上がる。
三分程走った所で開けた場所に出て俺達は止まる。せっかく戦闘を避けるために走ってきたのによりにもよって大狼の巣に着いてしまった。見えるだけでも10体はいる。
「こうなったら仕方がないね。轍君は前に、古矢君は後ろに下がって支援を!」
「「はい!」」
轍がマッスルポーズをすると身体の色が黒くなる。あれが「鋼化」か、いつ見ても人間離れしていると感じる。リベラトルでの実験では銃弾すら跳ね返していた。
「おりゃぁぁぁ!」
鋼化した身体で飛びかかってくる大狼達へと突っ込んでいく。俺は近藤さんと共にこちらへ来るやつや他方向から来るやつを拳銃で一匹一匹倒している。
「これで最後だね、」
近藤さんがこちらに向かって突進してくる最後の一匹を撃ち抜く。元軍所属というだけあって銃の腕前は俺なんかより遥かに上だ。
「早く次の階層へ行こうか。」
大狼の巣から少し進んだところに神結晶があった。神結晶は登録された他の神結晶の所に移動することができる。
俺達は神結晶に触れて地下5階に来た。ちなみにここはボスがいた場所だ。5階層ごとにボスがいるのだがここのボスは随分前に討伐されており、今はこの階層の中ボス的立ち位置である一角狼が湧いている。
今回の目的は一角狼のドロップアイテムである角を10本集める事だ。ドロップアイテムはポーションや武器を作るのに使われるため、高値で売買される。
「よし、10本角を集めたら即撤収だからね!」
ウオォォォン
早速、一角狼が3体こちらに向かってきている。転移直後に出くわすとは運がないな……
「おりゃ!」
轍が向かってきた一角狼の角を掴んで背負い投げをする。あまりの力業に俺と近藤さんは言葉を失いながら一角狼の頭を撃ち抜く。
「あと7本、手早く終らせよう」
その後も一角狼を順調に倒していき、必要な角は残り1本になった。
「近藤さん、一角狼全然いないっすね」
あれから20分程探しているが一角狼どころか大狼すらいない。明らかに異常だ。
「……そうだね。一旦帰ろうか。」
近藤さんがそう提案した瞬間。
グオォォォォンッ
明らかに一角狼や大狼の遠吠えとは違う雄叫びが聞こえる。
「急ぐよ!」
近藤さんにそう言われ、俺達は神結晶の元へ走る。
後ろからは木がなぎ倒されている音がする。明らかに俺達を追いかけてきている。
神結晶まではここから徒歩20分。どれだけ早く走っても5分以上はかかる。
「……追い付かれる。」
そう思った俺は後ろに振り返りその姿を確認する。
「……なんで…あいつが……」
俺達の方に突っ込んで来ているそいつは確かに死んだはずだ。なぜここに?なぜ?なぜ?
一瞬思考が停止してからハッと我に返る。
今は生きて帰る事が第一だ。討伐するしか……ないな。




