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1度勝ったくらいで油断するからそうなるのよ

神さまが引き起こした事故によって死亡した私たちは、別の世界に転生することになった。

小さな(体格の)女の子になりたいって要望を伝えたのに、一寸法師なみに(サイズの)小さな女の子に転生させられてしまった。

次々と襲いかかって来る虫や小動物を撃退し、苦労の末に手にした打出の小槌は、呪いと引き換えに一時的に願いが叶うという、質の悪いレプリカだった。ぴえん。

神さまへの生贄になりかけていた小梅という少女を助けたが、おじさんにしか見えない神さまに目をつられて、神さまと戦う羽目になり、現在絶体絶命。


まったく、こんなの命がいくつあっても足りないよ。絶対に転生やり直してもらうんだから!


------------------------------------------


ユイと小梅は拘束された。


「『くっころ』はまだ早いな。うち連れて帰って、さんざん俺に可愛がられたあとに、初めて言っていいセリフだな」


楽しみだと言わんばかりのいやらしい表情を浮かべて、ヒロアキはユイの胸の谷間を覗きながら言った。


「デカいな。F、いや、Gか?」


いやらしい表情がげひた笑みにグレードアップした。

さらに口髭が下品さを何段も引き上げている。

口髭の奥に見える上下の歯に渡って伸びた唾液は、もはやおぞましくすらある。


(マジでキモい。こんなやつの言いなりにならなきゃいけないなんて冗談じゃない)


ユイは挽回の道を探っていた。

ヒロアキは道着に手を突っ込みユイの胸を鷲掴みにした。


「おおお、すげーボリュームだ。ひひひ。まだ諦めてないのがそそる。ぐふっ。屈服させる楽しみが増えた。ふふふ。ふへ」


ユイは心底気色悪くて震えた。


(こんなにキモチワルイ奴も、こんなにムカつく奴も初めてだ…? いや、あの子の父親に似てるんだコイツ。他にも何人か似てるな。この感じ、他人を見下してる傲慢さぶりがそっくりだ)


さて、ユイは武器を自由に召喚できるので、手足を拘束されたところであまり意味はない。拘束されている箇所に召喚すれば拘束具を切れるからだ。たとえ失敗してもやり直しはいくらでも出来る。

問題は一緒に拘束されている小梅だ。

彼女を守りながら戦うか、あるいは、先に逃すことができるタイミングを待っているのだ。

怪我の回復のこともあった。

ユイは魔力のほとんどを強化と回復に注ぎ込まれる設定になっているので、時間が経てば、たいていの怪我は治ってしまう。タイミングを図りつつ回復もするつもりだった。


しかし、ユイはその考えの甘さのために、機を逸してしまった。

ヒロアキはユイと小梅を掴んだと思うと一瞬で転移したのだ。


(!? しまった! さっさとやるべきだった)


失敗したという気持ちが表情に洩れているユイを、心底馬鹿にしたように笑いながら、2人を別々の部屋に閉じ込めた。

小梅を人質に取りながら、先にユイを閉じ込め、それから小梅を別の部屋に閉じ込めた。

部屋は頑丈な檻に囲まれていた。中の部屋は洋室だが、構造的にはいわゆる座敷牢だった。


ユイはもっと早く仕掛けるべきだったと自分の判断を呪った。

小梅の状況を確認できない為に、いつ牢を破って行動を起こすべきかが決められなかった。


ヒロアキは手慣れているのだ。

それだけにユイヒロアキを許せなかった。

一体何人の女の子を閉じ込めたのか。


「ゲスめ」


ユイは吐き捨てるように言った。

それから10分ほどして、ヒロアキが部屋にやってきた。


「黒鬼と白い虎を召喚しろ」


ヒロアキは、自分の一物の一部を持ったまま送還されてしまった召喚獣を、再召喚する様に言ってきた。


「召喚して欲しいなら、小梅を解放して)


ユイは条件を突き付けた。


「逆らうなよ、面倒だから」


そういうや否や、ヒロアキは指先から光線を出して、ユイの肩を再び射抜いた。

治りかけていた傷から再び出血した。


「ぐっ!」


ユイはこういう形を望んでなかったけど、「仕掛けてこられたのだから仕方ない」と開き直って、戦うことにした。


唐突に再戦が始まったが、ユイは初っ端から全力で行く。

先ほどの戦いで思ったことがある。

自分たちの攻撃力は十分だ。攻撃を集中させれば勝機はある。


十字手裏剣を召喚して、手の拘束を切り捨て、そのまま流れるようにヒロアキに投げつけた。

手裏剣のすぐ後ろを鎖鎌に追いかけさせる。


ヒロアキは十字手裏剣をボクシングのスウェーバックよろしく後ろにのけぞってやり過ごした。


「食らわんよ。こんなもの」


十字手裏剣は通り抜けるが、すぐ後ろの鎖鎌がヒロアキの首に巻きつこうとする。

鎖に気づいたヒロアキは首が締まらないように、両腕を鎖と首との間に入れてガードする。


「卑劣な」


巻きついた鎖鎌がヒロアキを引き寄せようとするが、踏ん張って堪える。しかし、それを見越したかのように投げられた小太刀がヒロアキの左足に突き刺さる。


「痛っ!」


ヒロアキの足は自宅へ帰ってきてリラックスしていたために裸足にスリッパだった。ユイが投げた小太刀はスリッパを貫いて小指と薬指の指の股を切り裂いた。


踏ん張りが効かなくなったヒロアキはつんのめるようにユイに引き寄せられた。その行き先にはユイの振る太刀が待っていた。

盾が出現して致命傷になる太刀の胴斬りを防ぐ。


「!」


間髪入れずに、ヒロアキ踏ん張れなくなった直後に送還されていた小太刀が、ユイの右手に召喚されて、ヒロアキの内股の大動脈を刺しにいくが、これを2枚目の盾が防ぐ。


「!!」


2枚の盾が2本に太刀を防いだ刹那、戻ってきた十字手裏剣がヒロアキの背後から首の左側を斬り裂いていった。

切断された頸動脈から大量の血が噴き出す。


「!!!」


ヒロアキの盾は致命傷になる攻撃を自動的に防ぐが、2枚しかないため同時に防げるのは2か所までである。先ほどの戦いでそれを理解しているユイは十字手裏剣と2本の太刀で3つの攻撃を仕掛けた。


ヒロアキは大量に出血してその場に仰向けに倒れた。


「ううぅ。卑怯な…」


ユイはとどめを刺そうとしたが、自動盾がまだ活動していて、邪魔をしてくる。


(仕方ない。まずは拘束するか)


ユイはヒロアキをシーツを使って手足を縛り上げて、しゃべれないように口も縛った。

ここまでやってっユイは思い出したように、手をたたいた。


(マサムネに手伝ってもらおう。呼べるかな)


すぐにマサムネを召還した。

まだ30分経っていないが召喚できた。やはりさっきまでいた場所とは別の場所らしい。


マサムネの両手の爪とユイの小太刀と太刀、4か所同時に攻撃することにした。

盾が防げなかった攻撃がヒロアキを切り刻む。

あっという間にヒロアキはバラバラになった。


(でも、これぐらいじゃ死なないか…)


それとさっき回収された一物の3つの肉片が出てきた。

ユイはそのうちの1つを部屋にあったトイレに流し、1つをヒロアキの裂けた腹の中に、最後の1つを頭蓋骨の割れ目から脳の中に埋めた。

マサムネが持っていた分は追加でトイレに流した。


牢の鍵は指紋認証だったので、ヒロアキから右手を切り取って拝借し、ユイは牢を出た。


「1度勝ったくらいで油断するからそうなるのよ。いい気味」


ユイとマサムネは小梅を救出するためにヒロアキの屋敷を探索し始めた。


読んでいただいてありがとうございます。

次話もよろしくお願いいたします。

できましたら、ブックマーク登録と評価をよろしくお願いいたします。


m(._.)m

すいません。第1話を大きく修正しました。

ユイとレイジの前世の年齢職業を変更し、エピソードを一つ追加しました。

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