北の領主の一族の最期
神さまが引き起こした事故によって死亡した私たちは、別の世界に転生することになった。
小さな(体格の)女の子になりたいって要望を伝えたのに、一寸法師なみに(サイズの)小さな女の子に転生させられてしまった。
次々と襲いかかって来る虫や小動物を撃退し、苦労の末に手にした打出の小槌は、呪いと引き換えに一時的に願いが叶うという、質の悪いレプリカだった。ぴえん。
神さまへの生贄になりかけていた小梅という少女を助けたが、再度降りかかる災厄をキャッチしてしまい、鬼の里の長アイリスとガチ対戦になりなんとか勝利する
こんなの命がいくつあっても足りないよ。絶対に転生やり直してもらうんだから!
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「いつもなんですか?」
アレックスの問いに劉星は意図を理解できなかった。
「?」
「神さまです。いつも女性を…?」
「はい。いつもです」
苦虫を噛み潰したような顔をしている劉星にアレックスは苦笑しながら、
「大変そうですね」
と言うと、劉星はアレックスに食い付いてきた。
「そうなんですよ!本当に大変で!」
「そ、そんなにですか?」
「そんなにです! 本当に大変なんです。聞いてくださいよ。まず、神さま以外の男との経験がある娘は駄目なんです。次に神さまが一度お試しになって良くなかった娘も次からつけられません」
「お、おぉ、潔癖なんですね」
アレックスは、劉星の高いテンションに若干引いたが、相槌を打って、感想を言う。劉星はさらに高いテンションで食い付いてきた。
「そう思いますよね! どうも違うようなんです!」
「お相手した娘達が言うには、比較されるのがお嫌なようだと…、アレが控えめなサイズだからとか」
「…え?」
「嘘がわかっちゃう方じゃないですか。だから、物足りなくても隠せないんです。感じてる振りしても駄目なんですよ」
「ああ! そうか」
「だから他の男を経験してちゃ駄目だと…」
「そうです。それに、実際に初めてやってみて、神さまのアレを物足りないと感じてしまった娘も駄目です。しかもですよ!しかも、何人も侍らせるんです!」
「確保大変じゃないですか」
「そうなんです! 滅多にいないんですよ。美人でスタイルが良くて、処女で、あのサイズ満足する娘なんて!」
「しーっ。危ないこと口走ってますよ」
「おっと、すいません。今お相手している子達を引退させて結婚させたいんですけどね、新しい子が確保出来ないんですよ」
「本当に大変ですね」
「我が領の1番の悩みです」
「お察しします」
「鬼の里ではどうされているんですか?」
「うちに来る時は仕事の件だけです。なにしろ女の鬼は1人しかいないですから」
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その鬼の里で唯一の女であるアイリスは、拘束されたまま、鬼の里に帰還する馬車にいた。
途中、ユイの不意打ち落馬させられた鬼達を回収していく。幸いにも命を失ったものはいなかった。
打出の小槌の効果が切れたユイは、呪いによって普段の3センチよりもさらに小さく、1ミリ以下になっている。
なので、レオナルドと小梅が鬼の一団を率いている格好だ。
馬車の屋根には銀色の鷹が止まっている。
鷹は神さまが置いていったままだ。神さまが直接コントロールして、意思疎通に使っていたものだが、現在は自律行動をしている。
ユイの監視と記録を行なっている。
戦闘などの能力は無く、手助けはしてくれない。この世界における常識は聞けば答えてくれるので、たまにレイジから質問攻めにされたりしている。
とりあえず今は何事もなく、穏やかな移動であった。
アイリスの一行が東の地から南へと移動している一方で、中央から東へ向かっている集団があった。
鬼の実行舞台の隊長、通称「頭領」のランスロットと、北の領主の一族である。
この2組は接触することなく、入れ違いになってしまった。
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神さまと呼ばれている腹の出た汚いおじさんは、数時間に渡って、美女達による歓待を満喫した。
すっかり満足した様子で奥の部屋から応接室に戻ってきた。
美女達が自衛のためにサービスとして綺麗にしたのだろう。おじさんは頭髪や髭、歯、爪などが、入る前よりも格段に綺麗になっていた。
神さまは応接室で機嫌よく東の領主に接待の感想を言い、次に北の領主の一族の処刑について話した。
到着が遅くなるなら、帰るのでやっといてくれというものだった。
ちょうどその時、ランスロットが北の領主一族を連れて到着したと報告が入った。
アレックスが先に連れて来た2人と一緒に裏に待たせているというので、3人は揃って向かうことにした。
兵に案内されて裏庭に到着すると、馬車の前に数人の男女が出ていた。先に連れて来た2人はまだ馬車の中のようだ。
彼らは領主達の姿を見るなり、不平と不満を機関銃の弾丸のように3人にぶつけた。
「我らを誰だと思っている! なぜこんなところで待たせるのか」
「何を偉そうに高い所に突っ立っているのよ!」
「無礼であろう」
「その汚い男はなんなの?」
「とりあえずなんか食いもん出せ」
「そうだよ。腹減った。美人に給仕させろよ」
「いや、イケメンがいいわ。そこの鬼、あなたなかなかいい男ね。あなたが私に給仕しなさい」
「いやぁ。劉星殿、うちの者がわがまま言って申し訳ない。だが、ここは客を待たせるには適しているとは言えない。まだお若いので、今後は領主同士であることだし、教えて差し上げよう」
「カッコつけてんじゃないよ。誰があんたを領主と認めたのよ。領主は長女である私の旦那が継ぐのよ」
「嫁に行ったやつに権利があるわけねーだろ。俺が継ぐんだよ」
「お前みたいな馬鹿に継げるわけないだろ」
東の領主はウンザリといったため息を吐き、神さまは怒りで顔色が悪くなっている。
アレックスは神さまに謝り倒して怒りを抑えてもらい、ランスロットの元へ駆け寄った。
「頭領、なんと言って連れて来たんですか?」
「いや、東の領主邸に神さま来るからって言ったら、こいつら喜んでついて来ただ。なんか誤解があるかもしれねぇだ」
「…あぁ、そうですか。まあ、仕方ないですね。最初の2人を馬車から出して、全員拘束しましょう」
「わかった」
ランスロットとアレックスは最初に酒場で捕まえた2人を馬車から出した。この2人はある程度状況がわかっているので、馬車から出てすぐに跪いて命乞いを始めた。
一方、後から来た一族はその姿を見て笑ったが、彼らの妻達だけは彼らの隣に行って、一緒に跪いた。
もっとも、彼らも腹の出たおじさんが神さまだと知っているわけではなかった。とにかく許しを乞うしかないと思っていただけである。
ランスロットとアレックスは手際よく全員を拘束して跪かせた。
彼らは異変と恐怖を感じつつも、わがまま放題に育てられたために、この状況で尚、罵倒する言葉が口から止まらなかった。
溢れ出る聞き苦しい罵詈雑言。その中の一言が神さまの耳に引っ掛かった。
「生贄にガキを差し出しだろ! もらったくせに約束守らねぇのかよ!」
神さまはランスロットに聞いた。
「生贄はいなかったんじゃないのか?」
ランスロットはレイジとの打ち合わせに参加していないので、馬鹿正直に答えた。
「生贄はいました」
「どういうことだ?」
神さまはイラっとした様子で今度はアレックスに聞く。
「彼が言っているのは、奴隷の少女です。しかも何日も前に置き去りにして死にかけていました。当然、生贄の条件を満たしていませんので、『生贄はいなかった』と申し上げました」
「なるほど。全員、嘘は言ってないな。じゃあ予定通りこいつらは処刑しておいて」
「かしこまりました」
一同ほっとした。しかし、
「で、その小梅っていうのは、どうしてるんだ?」
「…一族の者が保護しております」
「可愛いのか?」
「…人間の美醜はよくわかりません」
神さまの濁った目が鋭くアレックスを睨んだ。
「嘘は駄目だな。可愛いのか」
「…申し訳ありませんでした。可愛い娘です」
アレックスは観念して答えた。
「そうか。じゃあ、俺は里に行くわ。あとよろしく」
神さまは鬼の里に向かって飛んで行った。
いつもありがとうございます。
実はある回の描写が「エロすぎてNGです」と連絡がありまして、修正をいたしました。
それで、コユキからエロ要素を薄めることにし、これまでのお話を少し修正しました。ついでにいくつか設定を変えました。m(._.)m
・コユキの生前の描写
・コユキの武装
・戦闘シーンを少し
行き当たりばったりですいませんが、これからもよろしくお願いします。




