フォーメーション
神さまが引き起こした事故によって死亡した私たちは、別の世界に転生することになった。
小さな(体格の)女の子になりたいって要望を伝えたのに、一寸法師なみに(サイズの)小さな女の子に転生させられてしまった。
次々と襲いかかって来る虫や小動物を撃退し、苦労の末に手にした打出の小槌は、呪いと引き換えに一時的に願いが叶うという、質の悪いレプリカだった。ぴえん。
せっかく助けた小梅という少女に再度降りかかる災厄をキャッチしてしまい、その渦中へ飛び込んで行くことになった。
鬼の里の長アイリスは、倒しても倒しても復活し、その度に若返って強くなっていく。
こんなの命がいくつあっても足りないよ。絶対に転生やり直してもらうんだから!
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青年期まで若返ったアイリスが、レオナルドの左側頭部めがけて右回し蹴りを放つ。
レオナルドが頭を後ろに反らして躱す。
アイリスは回し蹴りで発生した回転を止めずに、空振りした右足を左足より半歩前に下ろして間合いを詰めつつ、その右足を軸足に左の後ろ回し蹴りを放つ。
レオナルドが躱しきれずに腕でブロックする。
アイリスはブロックしたレオナルドの腕を蹴り足で登るように踏みつけて軸足にして、さらに回転して再び右の回し蹴りを放とうとする。
この蹴りを読んだユイがアイリスの眉間めがけて刀を投げた。アイリスの動きが一瞬凍りついて、レオナルドは右回し蹴りをかろうじて躱した。
レオナルドが、「凌いだ!」と思った刹那、アイリスは落下しながらさらに半回転ひねって、レオナルドのがら空きの胴を左の後ろ蹴りを強烈に撃ち込んだ。
レオナルドは数メートル吹っ飛び、その衝撃でユイもレオナルドから離れてしまった。
アイリスの左目に刀が刺さっている。
レオナルドは、ぎりぎりの攻防の最後で、アイリスに一歩上をいかれてしまった。
青年期まで若返ったアイリスは動きの速さと強さに加え、精神的にも強い。レオナルドとに精神的な強さの差には、アイリスには回復役がいるが、こちらにはいないという状況が少なからず作用している。
自分のダメージを無視できるというのは、ぎりぎりのせめぎ合いではかなり大きな差である。
ユイが太刀を手元に召喚しなおした。一方、アイリスは目の傷と体力を回復する。
ユイたちは、吹っ飛ばされた影響でせっかく特定した回復役の位置がわからなくなった。
結果、レオナルドたちだけに疲労と負傷だけが残る。
(このままではジリ貧だ)
レオナルドもユイと同じように考え、自ら仕掛けた。
後ろに引いた右足で地面を蹴って、左半身から右半身に切り替えながら、右ローキック。意識を下に誘導しておいて、回復中の左目に爆ぜるような右ストレート。
仰け反ったアイリスの左手を取り、左足を前に出して、体を入れ替えながら四方投げをうつ。
倒したところで、間髪入れずに喉目掛けて倒れ込みエルボーアタック。
起き上がって、顔面へもう一発倒れ込みエルボーを入れた。
ユイはレオナルドとはぐれてしまったが、離れた位置からでも、レオナルドが最初のローキックを放つ少し前に、キッチリ牽制として刀をアイリスの眉間に投げていた。
ユイは、回復役の副官を攻撃しに行きたいのだが、先程吹っ飛ばされた時に、見失ってしまっていた。
そうこうしている間にアイリスがぼんやりと光って回復がはじまってしまった。
(まずい。もう一段強くなると、本当まずい)
アイリスは立ち上がった。
見た目にはそんなに変化はないが、グッと引き締まったというか、張り詰めたというか、唯ならぬ雰囲気である。
アイリスがふっと動いたかと思うと、次の瞬間には、レオナルドに急接近して、右ストレートが顔面に入っていた。吹っ飛ぶレオナルド。
(強い。これはヤバイ)
レオナルドとユイが勝算を計算できなくなった時、レオナルドも身体光り始めた。
戦場にレイジが到着し、レオナルド回復しているのである。
そして、ユイの考えはレイジに伝わっていた。
レイジはレオナルドを回復させながら、ユイに向かって打ち出の小槌振った。
ユイが大きくなった。レオナルドやアイリスよりは小柄だが、普通の人間の大きさになった。
アイリスが攻撃をしてきた。
回復したレオナルドがアイリスの攻撃止め、同じスケールサイズになったユイがレオナルドの影から飛び出して、太刀でアイリスの左足を斬った。アイリスが驚異の反射で足を引いたので、ついた傷の深さは僅か2ミリほどだった。
アイリスは2対1に突然なったが、雄叫びを上げて自ら奮い立たせた。
再びアイリスが攻撃してきた。
レオナルドにフェイントを一回入れて隙を誘って、ユイに右回し蹴りから右ジャブ、左ストレートとコンビネーションを打ち込んできた。
ユイが距離をとって躱すと、その隙間にレオナルドが入りこんで、身体を張ってアイリスの動きを止めた。
ユイはその一瞬のチャンスを逃さずに、刀を振り下ろした。
左ストレートで伸ばした後、レオナルドに捕まれたアイリス左腕が手首から先が切り落とされた。
「ぐあぁぁ!」
アイリスは絶叫し、レオナルドの首に噛みついて、レオナルドが怯んだ隙に、離れた。
アイリスは左手を、レオナルドは頚動脈を手で圧迫止血しながら睨み合う。
それぞれの回復術士が回復魔法をかける。
ユイはマサムネを召喚する。ユイが大きい為にマサムネも大きい。ライオン並みだ。
マサムネはレイジを回収してレオナルドに預け、アイリスの側の回復役を探しに行った。
アイリスもレオナルドも出血は止まったが、アイリスの手首から先は整復出来ていない。
レイジと同程度の使い手ならば、接触すれば治すことは出来るだろうからもうすぐ出て来るはずだ。
予想通り近づいて来た副官を、マサムネが予定通り発見して対峙する。副官をアイリスに近づけさせず、回復魔法の邪魔をし、隙があれば削っていく。
アイリスは左手を回復できないまま戦い続けるしかなかった。
アイリスはレオナルドと同じ様に虚空から金棒を出してレオナルドを殴りつけた。
レオナルドは躱さずに前へ出て腕で受けた。
腕が折れたが、レオナルドの肩にいるレイジがすぐに整復を始め、レオナルドはアイリスの金棒を叩き落とした。
アイリスが一瞬自失した隙に、レオナルドが攻撃を仕掛ける。大振りのワンツーパンチから更に大振りの飛び回し蹴り。アイリスは両腕でブロックするが、その瞬間、ユイに背中を斬られた。
大量に出血、すぐに回復魔法が始まるが、途切れ途切れになってしまう。マサムネによる妨害が功を奏している。
ユイたちは、手ごたえ感じていた。
盾役、攻撃役、回復役、遊撃役、キッチリと機能していて、圧倒的に戦いやすい。
レイジは回復に専念出来、残りの3人はダメージを恐れずに役割に徹することが出来る。
アイリスたちが立てなくなるまで、そう時間はかからなかった。
読んでいただいてありがとうございます。
新しいお話を追加するとグッとアクセスが上がっておりまして、結構読んでもらえてるんだぁ。と、ニヤニヤしとります。
次話もよろしくお願いいたします。
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