鬼って、本当に鬼のように強いんだね
神さまが引き起こした事故によって死亡した私たちは、別の世界に転生することになった。
小さな(体格の)女の子になりたいって要望を伝えたのに、一寸法師なみに(サイズの)小さな人間に転生させられてしまった。
虫や小動物に襲われ、命からがら辿り着いた屋敷で今度は鬼が襲いかかってきた。
絶対に転生やり直してもらうんだから!
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鬼は虚空から取り出した金棒を振り回して、屋敷の縁側を叩き壊した。
その風圧と衝撃だけで私たち吹っ飛んで散り散りになった。
私は鬼の左足の前方に落ちた。
レイジはパーティーメンバーなので、なんとなく存在が分かる。私の後方だ。
マサムネは召喚獣だから、居場所だけじゃなくて、状態まで分かる。私の右前方、鬼の左足の左側にいる。大丈夫、怪我してない。
レイジが、レイジが防御強化の魔法をかけてくれた。
顔を見たら、遠目から見ても分かるくらいビビってる。そりゃ怖いよね。スケールが東京タワーみたいだもん。
私だって、ビビってる。
でも滾ってもいる。このシチュエーション萌えるね。
違う、燃えるだ。
だいたい話し合いの最中にいきなり殴りつけてくるとか、ふざけてる。絶対ギャフンと言わせてやるんだから!
あれ? こんなに好戦的だったっけ?私。
黒鬼は仕留め損なった自覚はあるようで、私たちを探している。
左前方に私を見つけると、右足を一歩前に進めて向きを変えて、私を正面に捉えた。金棒を逆手に持ち替えて、先端を地面に突き刺すように叩きつけて私を潰しに来た。
先端を躱す。
躱したところを見られたので、すぐに第2撃目がくる。それも躱すと、イライラしたように連続して繰り出してきた。
躱せない速度ではないけれど、一撃で死んでしまう威力の攻撃の連続。
途中で変化とかさせられたら、躱せないかもしれない。
イライラが頂点に達したようで、声をあげて、大きな動作で潰しに来た。
左方向へ素早く動いて、金棒の先端を躱しながら、鬼の右足側へ移動した。
願わくば、金棒を持つ自身の腕が死角になって、私を見失ってくれますように。
鬼は金棒を持ち上げて、先端をるように叩きつけた地面を確認する。
今度は持っている金棒の先端を確認している。
首を傾げて、しゃがみ込んで、もう一度地面を確認している。
私の死骸が無いことが信じられない様子だ。
隙だらけだけなので、急所攻撃でもして、一気にケリをつけたいけれど、デカ過ぎて私には急所に届かない。
仕方ないので、まずは足から攻撃することにする
目の前に右足の小指がある。私の胸の高さくらいだ。本当は親指がいいけど、股の間に入るのは難易度が高すぎるので、小指で我慢する。
小指を斬り落とすつもりで、思い切り刀を振り下ろす。
半分くらいまで斬ったところで、痛みを感じた鬼が叫びながら、右足を庇うように引きながら、体を時計回りに4分の1ほど捻った。
私は刀ごと横方向に急加速して体を引っ張られた。握力が耐えきれずに手から刀が離れ、すっ飛んでいってしまう。
しかし、体重が0.3グラムしかないので、運動エネルギーに空気抵抗が勝って、ふわっと着地出来た。
刀を送還し、再召喚した。
鬼は右足の小指を押さえて、怒りの咆吼をあげている。
小指が千切れかけているんだ。そりゃ痛いだろうし、虫けら程度の存在にそん事をされたとあっちゃ、怒るよね。
鬼は怒りと苦痛に満ちた表情で、右足があった場所にいるはずの私を探している。
そんなところにはいないんだけどね。
私がいるのはあんたの右側。しかも結構離れている。
ここまで離れてしまうと、近づくときに見つかりそうだな。
どうしよう。
鬼は金棒を順手に持ち替えて、怒りに任せて地面に叩きつけた。
地震かと思うほど地面が揺れた。
鬼、強いな。
その時、鬼がこっちを見て、止まった。
まずい、見つかった?
真っ直ぐにこっちに向かってくる。
完全に狙いを定められている。接近してそのまま踏み潰しに来た。
躱したところへまた足がくる。
完全にムキになってる。数回出鱈目に踏み潰そうとしたあと、私を見失なったようだ。
地面スレスレに顔を置いて私を探している。
急所が目の前にある。
目玉に突撃して、脳まで一気に切り裂いて終わりにしたい。そう思っていたら、マサムネが実行した。
マサムネは下側になっている左目に突撃し、眼球に爪を立てたその刹那、鬼の掌がマサムネを叩き潰した。
送還は間に合わなかった。
鬼は掌を満足そうに眺め、マサムネの死体を、フッと息を吹きかけて飛ばした。
まぶたに傷がついていたが、眼球は無傷だった。
くっ、さすがに顔周りは、守りが堅いな。
鬼は再び、地面に顔を擦り付けるように、私を探す。
鬼は、遂に私を見つけて、腕を振り下ろして来た。
正直言って、今のは危なかった。
間一髪躱して、この隙に、後方に私の元に戻ってきたマサムネを再召喚する。
死んじゃった後の再召喚は結構魔力を持っていかれる。
一瞬力が抜けた。
制限なしに無限に死に戻りできるわけではないらしい。
私自身は、今躱したばかりの腕に乗り、腕を肩の方へ駆け登る。
私の意図を理解したレイジは防御力効果を重ね掛けしてくれた。
鬼は、自分の右腕を駆け登ってくる私を、怒りと若干の恐怖で、左掌で右腕ごと叩くが、タイミングが丸分かりだったので、叩いてきた左腕の手の甲に、飛び移った。
今度は左腕を登ってやろうとすると、発狂したように左腕を振って、私を振り落とそうとした。
腕の毛にぶら下がって、耐えようとしたが、何度か体を鬼の腕にぶつけて、負傷して、落ちた。全身打撲だ。
何本か骨折もしてるっぽい。レイジの強化があってコレか。
ぐはっ。吐血もした。
こんな攻撃とも言えないものでヤラレるとは、やっぱりデカイというのはそれだけで鬼のように強いね。
レイジが走って来てくれている。
私が落下しているその時、マサムネが鬼の左足のアキレス腱を切りにいった。
ナイスタイミングだ。
左足は足首を深く曲げていて、アキレス腱は伸び切った状態。うまくいけば断裂できるかも。
アキレス腱を3本の爪が切り裂く。
だけど惜しくも最後までは切れなかった。
鬼は再び咆哮をあげる。左アキレス腱のあたりに、敵がいるものだという前提で、張り手のように傷を叩いた。そして、自分の手を確認して、敵の死骸がないのを確認すると、力まかせに地面をたたいて、八つ当たりをしている。その爆風でマサムネが飛んで行った。
私は駆けつけたレイジに回復してもらった。
レイジの回復魔法すごい。時間は少しかかるけど骨折も治るのか。これでまだ戦える。
私達の攻撃、効いてるね。明確な攻撃も躱せてる。
でも、八つ当たり系のヤツを食らわないようにしないと。予測できないのはやばいね。
回復が終わった私は、こっそりと接近して、右足の親指の爪と指の間に小太刀を突き刺して、股の間を逃げる。
三度目の咆哮があがる。いや、もうこれは咆哮じゃなくて悲鳴だね。
股を抜けて逃げる途中、上をみると鬼の一物が見える。笑えるほどでかい。大きな神社の鳥居の柱みたいなものがぶら下がっている。足を攻撃されて膝をついているので、それは届きそうな位置まで降りてきていた。
顔は守りが固かったけど、こっちはどうかな?
黒鬼の腰巻に鎖鎌を投げて引っ掛ける、鎖を縮めると、質量に差がありすぎるので、私が引っ張られる。一物が迫ってくる。一物の先端の尿道を狙って、刀を振り下ろし、そのまま走って逃げた。
多分、一物は双頭の蛇になってるだろう。逸物の一物だね。
鬼は両膝をつき、股間の一物の先端を手で押さえながら、前のめりに倒れた。
鬼は痛みで今は動かないけど、意識はある。暴れだす前にトドメは刺しておきたいね。
顔側に回って、目か耳あたりから脳を攻撃するか、それとも、目の前の丸出しの金玉をどうにかするか。
回り込むのも面倒なので、丸出しの金玉を片方斬った。
デカいので全部は斬れなかったけど、鬼は口から泡を噴いて気絶した。
念のため、マサムネと私は、それぞれ片足ずつ手分けして、アキレス腱を完全に切断した。
勝った。
打出の小槌持ってるかなぁ?




