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27話 お祭り騒ぎ

よろしくお願いいたします。

王都リューネルはちょっとしたお祭り騒ぎになっていた。

冒険者に護衛されグリフォンの遺体が王都に運ばれたからだ。

また、二組の冒険者チームが、少人数かつ死者無しでグリフォン討伐を成し遂げたことで、人々はさらに熱狂していた。

グリフォンを乗せた牛車の前を≪夢見る羊≫≪紅蓮の牙≫メンバーは歩いている。

ベントーラなどは勇者のような歩きかたで手を振りながら歩いていた。

モニカも陽気に手を振っている。ペネロペ、ベルゴミ、モリエーロ、ネグロはいつも通り、ミカエラだけ腕を組み不機嫌そうだった。

ココ達は最初はあっけにとられていたが、トーニ、ジーナはすぐに手を振り出した。

ココ、アーシャ、ペソットは恥ずかしく下を向いていた。

『シャキッとしなさい!』

マティルダに念話で怒られるココであった。


その群衆に紛れて冒険者風の2人が紛れ込んでいた。

「あれですね≪夢見る羊≫は」

1人の男が言う。

「噂の商隊護衛での魔法、今回のグリフォン討伐、確定だな」

もう1人の男も静かに答えた

「魔女があの男に乗り移っているのか?別の何かか・・・」

鋭い目つきで、ココを見ていた。


ココ(実際はマティルダ)が氷魔法を使用しグリフォンの死体の腐敗を最小限にした事、少人数で討伐、死者無しで冒険者ギルドの評判を上げた事を考慮してして成功報酬とは別に、20枚の金貨が追加された。

ココが金貨20枚も半分ずつにしようといい出したが、ベントーラは

「≪眠り猫≫の功績が大だよ!受け取る訳にはいかないな!まあ、俺達はオーガ討伐の報酬があるから大丈夫!」

と、言い受け取らなかった。

その夜は、2つのチームで祝賀会を行った。

ネグロは『騒がしいのは苦手だ』と言い、最初の1杯で席を立った。

ペネロペとミカエラは違う理由で難しい顔をしていた。

他のメンバーは盛り上がったが、翌日早くに、王国役人の検分、冒険者ギルドへの再報告

があり早めに切り上げた。


王都に到着した時、宿が空いていたので、同じ宿にした。

宿の方も今噂の冒険者チームを泊めるという事で手厚い対応に変わっていた。

「俺達、ちょっとした英雄みたいだな」

トーニが興奮しながら言った。

「私も苦手ですね・・・恥ずかしくて」

「私も・・・」

ペソット、アーシャは同じ意見だった。

「あら、そう、気持ち良かったじゃない」

ジーナはまんざらでもなかったらしい。

「俺もこんな事になるとは思ってなかったよ・・・目立たない様にと思っていたが、逆に目立ってしまった。」

ココは率直な意見を言った。

「真面目だなーお前は・・・ねっ!魔女様!」

トーニはマティルダに話を振る。

「本当にもっと胸を張って歩いて欲しかったわ!」

マティルダは姿を見せていた。

「好きな男には堂々として欲しいわよね」

ジーナがからかう。

「す、好きではないわ!」

マティルダは顔を赤くして否定した。

ジーナはケラケラ笑っていた。

「・・・今はお気楽ね、グリフォンぐらいで!ドラゴンだったらどうなるのかしら?」

マティルダは話題を変えた。

「魔女はドラゴンと戦ったことあるんすか?」

トーニは期待を込めて質問した。

「数回あるわ、若いドラゴンは、まあまだけど、エルダードラゴンには引き分けたわ」

マティルダは指を顎に当て思い出すように語る。

「エルダードラゴン(老竜)ですか?」

ペソットは驚いた。伝説上の生き物だからだ。

「彼は人の言葉も理解するの、しかも古代魔法まで使えるの、私と同じレベルで話せる竜は居なかった・・・」

「ドラゴンと魔法の話をしたのですか?」

ココは驚く。

「ええ、数少ない友達だったからよ」

何かおかしいとでも言いたげなマティルダだった。

「500年前でかなりのお爺ちゃんだったから、もう死んじゃったろうな・・・もう一度、話したかったな・・・」

寂しそうに呟くマティルダ。

「スゲーな、やっぱ魔女様は、若いドラゴンはまあまあで、そのお爺ちゃんドラゴンとは友達って・・・」

トーニは想像しても思いつかない様子だった。


話が一区切りついた時ココが静かに口を開いた。

「さあ、アーシャ」

ココは優しくアーシャの背を押した。

「・・・魔女様!私をグリフォンから守ってくれてありがとうございました!」

アーシャは涙ながらに感謝を述べた。

「私からも、お礼させてください!妹を守って頂きありがとうございました!」

ココも一緒に頭を下げた。

「ちょ、ちょ・・・大した事じゃないし大げさよ・・・」

マティルダは恥ずかしそうに、でも、嬉しそうに返答した。

「妹が旅に同行すると言った時に、妹は守らない約束で同行を許してもらったのに・・・」

ココは更に頭を下げる。

「そ、それなら!アーシャは俺が守ると言ったのに、守る事が出来なかった。魔女様申し訳ない!」

トーニも勢いよく謝った。

「・・・い、いや、だから・・・そう!鏡!手鏡を守ったの!アレは私の大事な物だから・・・」

マティルダは勢いに押され苦しい言い訳をした。

「魔女ちゃん、素直に受け取りなさい、貴方は立派な事をしたの!堂々としなさい」

ジーナが母親の様に諭す。

ペソットは同意するように大きく頷いた。

「そ、そうね、貴方が居なくなると私の肉体を探す旅に支障が出るから守ってあげたの、か、感謝しなさい!」

マティルダは強がった。

「はい、ありがとうございます。」

3人は再度感謝を述べた。

「もう・・・本当に素直じゃないのよね・・・」

ジーナはやれやれといった仕草をした。

ペソットは黙って苦笑いをしていた。


「魔女様!」

アーシャが珍しく大きな声を出した。

「な、何よ!」

マティルダは身構える。

「魔女様は、お兄ちゃんと親密な関係じゃないですか・・・」

アーシャは、素で爆弾を投入する。

「し、親密な、か、関係ではないわ・・・」

マティルダは顔を真っ赤にして否定する。

アーシャは無視して話を進める。

「あの・・・今後・・・魔女様の事を・・・」

意を決するアーシャ。

「お姉ちゃんって呼んでいいですか!!」


ありがとうございました。

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