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RaPPitManS  作者: 一橋赤蘭
第一章
20/24

第二十話 しぶちょーのドキドキ⭐︎アリマ大改造!

 学校から帰るなり、鎖田さんから。


『綾嬢から呼び出しだ。行ってこい』


綾嬢って支部長のことだよな。

どういう関係なの?

由宇が驚いたような顔をする。

かわいいね。

相変わらず思考が読めないのは不気味だが。


「あ、亜夢はクラスメイトと出かけました。遅くなるらしいです」

『ん、了解』


由宇がショックを受けている。

よく顔に出るなぁ。

かわいいね。



 ちょっとこの一週間で色々ありすぎたな。

整理したい。

亜夢は能力五つ持ち…

まだ何かを隠していそう。

あ、ここ右。

あとゼロヒトか。

あれ以来会ってないけど…

ランクとフェーズ?

難しいわ…

ごちん!

支部長室の扉。

いったー…

ぶつけた…


「おー!アリマか!入れ入れ!」


扉の向こうからは思考の圧がとんでもない。


「失礼します…」


ぎいいいい…


重い扉を押す。

広い部屋に大きな椅子。

その椅子のサイズに見合わない小柄な少女。

かわいい。

いい匂いする。

くらっとするほどに。

じゃなくって。


「なにをによによしておるのじゃ。はよう座れ」

「は、はい」


顔に出てた…

隣の執事さんが相変わらず異様な雰囲気を醸し出している。


「えっと…今日はなんの用事があって…?」

「うん、うぬの能力に違和感を覚えたからの」



「本来魂能は一つにつき一言で言い表せるのじゃ。あーん、例えばゼロヒト!あやつは『氷の生成』『熱』『冷気』。ぱっと見三つ四つ能力があるように見えるのじゃが、あれは「周囲の温度変化」でまとめ、一つの能力となっている」

「でも、複数あるのは珍しくないんじゃ…?」

「あれはそもそも出元から違うのじゃ。三つの因子があるなら三つ。どれだけ複数に見えても因子が一つなら一つの能力。能力の分化はそういう基準で測っておる」


執事に「アイス」とねだる支部長。

かわよ…

頬張りながら


「での、お主の因子の数も一つだから一個の能力のはずなんじゃよ。でもな、「思考読み」と「行動予測線」ひとくくりにできる気がせん!」


いまいちピンとこない。

というかそれの何がダメなんだ?


「あー、それの何がダメなんです?」

「あいや、だめ、ってわけじゃないのじゃが…それつまり。お前は能力の全貌がみえていないのではないか?」


ぴしゃーん!

衝撃の事実。


「どういうこと?」


悪寒。


「んー、余も説明がへたなんじゃがの。数学とかであるじゃろ、数列の法則を見出すヤツ」


さくさくさくさく。

一生懸命食べながら喋ってる…

かわいい…


「あれとおんなじだと思ったのじゃ。例えば…1と3。これだけが並んでてもどんな数列なのかはわからぬ。それが1,3,5,7,9,と並んでたら」

「奇数の数列」

「と、『一言で』表せるようになる。完全なる余の自己満じゃが、これがしたい」


沈黙。


「これはフェーズのステップアップとかとはまた別の話であって、ただ能力の理解を深めるだけじゃ。それでもそれはきっと必ずお主の進化の糧となる…と、思う」

「なるほど…?」

「余は伊達に生きておらん。似たようなことは何度もしておるゆえ、色々試してみよう」


ぱんっ。


手を打ちつける音。


「お主、モノの予測線は見えるのか?例えば車とか…」

「見えないですね。人と能魔に限ります」

「その『人と能魔のみが対象』っていうの多いんじゃよな〜。その辺も研究しないといけないの」


びゅん。

薄い鉄板。

ナイフ?

が正面から飛んでくる。

無理無理避けられない。

え、うそ死ぬ?

ナイフに押し出された空気が触れる。

ぐん。

と頭が横に逃げる。


「なんだ。避けられるではないか」


こ、この人…

怖え!


「な、なんで今…ナイフ…ナイフ?投げてきたんですか?」


さっきまで頭があった位置に刺さる鉄板。

ナイフじゃないなこれ。


「なんか、避けれそうだっから…」


亜夢に似てるぞこの人。


「今のは予測線か何かが見えたのか?」

「え、え?いや…わ、かんないす」


びゅん。

またかよ!

避けれる速度ではない。

はずなのに。

体はもう一度。

勝手に避けた。


「言語化するのじゃ。ゆっくりでいいから」


『匂い』が変わる。

実験室の匂いがした。

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