第十九話 亜次元
Ep.Nineteen 亜次元 5/1(wed)
〈ちょっと、せっかく決めようとしたのに〉
「なんか言わせちゃいけない気がした」
ちょいちょい消えながら移動してる犯人。
「なんの能力?見当ついてるんだろ?」
〈ついてるけど…ちょっと試す必要があるね〉
亜夢は「鍛治」の力で鉄球を作る。
〈これをね、ぶん投げる〉
「当たらないだろ?」
〈まあまあ、考えがある〉
ぶんっ…
やはり当たりそうなところで消える強盗…
と、思ったが。
鉄球に吹っ飛ばされる強盗が突然。
出てきた。
〈うーん、当たったね〉
なにが起きてるんだ?
〈『亜次元空間』ってものがあってね…〉
■■■
亜次元空間とは
地球及び太陽系と位相の異なる「近似次元」の空間のことである。
空間干渉系能力に共通する「中継地点」としての空間である。
この空間は全員共通の空間である。
明日乃亜夢の「運搬」などが有名な例であり、上級者であれば三次元内の座標を無視した物体の移動ができる。
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〈なんというか、こっちの次元を布の表面だとすると…布の裏面?みたいな空間のことで…全員共通の空間なんだよね。私の「運搬」がそうだけど〉
「じゃあ、あいつが裏面が裏面に行った時に鉄球を裏面に持ってって…裏面でぶつけた…ってこと?」
〈ま、そう。ややこしいんだよね…〉
逃げる強盗。
睨む亜夢。
亜夢が消え。
強盗の目の前に立つ。
「なっ!?!?」
いま、何をした?
〈アンタ、亜次元の使い方が下手だねー〉
逃げる強盗。
亜夢が再び消え…
羽交締めにして、俺の隣に戻ってきた。
〈本来亜次元はこちら、三次元空間を座標フル無視で繋げる空間なんだけど、その仕様が理解できない人が多いらしくて、こいつみたいに亜次元内外がどう距離だと思ってるのが多いんだよね〉
「んー、わからないわからない」
〈難しいんだよ。私も感覚でしかわかんない〉
「えっと、高速道路みたいな?」
〈あー、悪くない例えかも。いやでもちょっと違うよな、簡単な話、ワープができるのよ。ドクターストレンジよドクターストレンジ〉
ばたばたと暴れる強盗。
〈あばれてもむだよ〜。諦めな〉
「これどうするよ?」
〈警察に引き渡すよ〉
「え、大丈夫なの?」
〈警察は世界1の『能力メタ技術』の持ち主だからね。信用信用〉
■
「ご協力、感謝いたします」
〈はーい、この人は能力的に…2、3秒間程度の亜次元転移。「座標干渉理論」は知らないみたいだし、使えないっぽいからあんまり強い設備いらないかも〉
こいつ…
あの戦闘でそこまで見てたのか…
何言ってるのかはわからないけど。
〈あ、七時回ったね。帰ろう、アリマくん〉
置いてけぼり感を、より感じた。
■
「ミナトちゃーん!!!任務終了!」
「あいよ、了解」
「臨時報酬」
「ないよ!月給上乗せ!」
「えー?」
無情なる響きが扉の向こうから聞こえる。
総務処理課には入らないようにしとこう。
ややこしい亜次元周りの設定。
伝われーっ!




