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RaPPitManS  作者: 一橋赤蘭
第一章
18/24

第十八話 お前の罪を教えて

 あ、水曜日だ。


「今日、学校終わったら…パトロール…」


眠たい目を擦りながら亜夢が言う。


「あの…もうちょい寝るから先行ってて…」

「え、もう間に合わないぞ?」

「ムリァ…すやっ」

「あ、寝た」


由宇はすでに寝た。

鎖田さんは…寝相がすごいね。

体の鎖がバラバラになってるよ。

絡まらないのかな…



 一限目が始まったぞ。

亜夢が来ないぞ。

え、こないぞ?


「おくれましたぁぁぁぁぁ!!!」


全速力で走ってくる亜夢。

背中からは…

エンジンのマフラーが生えている。

なにそれ?

剛鐵装の一つ?

隣に座る。

マフラーが仕舞われる。

制服に穴が空いてる…


「起こしてちょうだいよ」

「お前が先に行けって言ったんだろ」


喋りかけないで欲しいなぁ…

亜夢は人気者だ。

そいつが俺みたいな隠キャと仲良く話して…

挙句一緒に住んでるなんて知られたら…

光が強くなるほどに、影はより濃くなりゆく。



「やっぱりがっこうではなしかけないで???」

「なんでー?」

「めだつの!隠キャくんが!ヘイトを浴びるの!」


じと…

なんだよ。

何が言いたいんだよ。


「…わかった。じゃあまた後で裏門で」


すんなり行った…



 放課後。

裏門で。

亜夢はあの後結局話しかけてこなかった。


「あ、いたいた。ほんじゃあいくよ」


 〈〈BALANCY〉〉


一瞬。

白い予測線があたかも閃光の如く。

遠くにいるね〜。


「待てやー!!!」

「遅ーい!!!」



 亜夢の異常性。

見える予測線はその人からざっと100m程度。

これはどれだけ動いても誤差程度でしか変わらないように見える。

亜夢…もといラピッドマンはその予測線と先頭を競り合うように動く。

予測線の先端と肉薄する。

おかしいよ…

とかなんとか考えてるうちに本日のパトロール場所の大通り市街地に到着する。

一見は平和そうだが…

平日とはいえ夕方の時間帯。

人が多いな…

少しくらっとするか?

ぱちん。

ほおを叩く。

気合いだ気合い。


〈平和平和。平和が1番。これ、サボってもバレないかな〉


亜夢のくぐもったような声。


「そんな声だっけ」

〈うん、少し改良した〉


かっこいいでしょ。

もうちょっと実用的な改良したらどうかな。


 平和が1番。


そんな願いは人混みの騒ぎにより消える。


「泥棒だ!」

「にげたぞー!」

「追えー!」


ジュエリー店からガラスの割れる音。

フェイス越しからもわかる。

呆れたような亜夢の表情。


〈…私らの担当って本来能魔退治なんだけどさ。たまにあるんだよねー…パトロール中の犯罪者対応も仕事だよ。ほら、いくよ〉


ラピッドマンは地面を踏み締めて飛び出…さない。


「どうした?」

〈あれ、ダメだな。人に当たる。あのー…犯人もどれかわかんないわ〉


んー…

手を耳に当てる。

声が聞こえる範囲ならば思考は聞こえる。

洗い出す。


(強盗?)

(買い過ぎた)

(なんか騒がしいな)

(強化グラスが割れた〜!)

(今の男の人、消えた?)

(逃げろ逃げろ逃げろ…!撒いてやる…!)


…!

見つけた。


「…ぶはっ!あ、亜夢!あれ!あいつだ!!!」

〈サンキュー、了解っ…〉


今度こそ踏み込んで…飛び出した!

犯人の予測線。

亜夢の予測線。

二つが交差する。

捕まえるつもりだろうな。


しかし。


フッ…


〈えっ!?〉


犯人の姿が一瞬消える。


亜夢は「犯人がいる」はずだった場所をすり抜け思い切り地面に激突。

えぐれたのは地面。


〈いたた…〉

「なんだ今の…」


亜夢に駆け寄る。


〈うーん、ま。仕組みはなんとなくわかった〉


背中を向けて逃げる強盗をしっかりと見据えて…

右手で指す。


〈あ、間違えた〉


左腕を向けて指す。


〈あの探偵ヒーローの決め台詞をね…さぁ、お前の罪を数え〉

「言わせないよ?」

???「「さあ、お前の罪を数えろ!!」」

ふふふ…

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