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RaPPitManS  作者: 一橋赤蘭
第一章
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第十五話 なぜ彼はバディにならなかったのか

 ゼロヒトに向き直る。


「逃げるのは諦めたか」


痛くて震える。

寒くて震える。

怖くて震える。

それと。

勝てるかも、という期待に震える。


「馬の骨が!亜夢と並べると思うなぁぁぁぁ!」


どこから取り出したのか金属バット。

もう捕まえるとかじゃなくて殺しにかかってるよね。

扇状の予測線。

自分から生える「まっすぐ」と「しゃがむ」。

まっすぐの予測線から乗り換える。

びしびしびし…

筋肉の音。

懐。

最後の力を振り絞ってアッパーをかます!


■■■


顎を強打されると、人は脳震盪を起こし一時的な行動不能に陥る。


■■■


「ゼロヒトはねぇ、私のバディ候補だったんだよ」


一発かまして数分。

いたたたた。

湿布を貼ってもらいつつ耳を傾ける。


「私は金属系能力。後『発動』は冷たい場所の方が効率が上がる。だから本来ゼロヒトと組むのが最適なのよ…だけど」


あ、起きた。


「…ダ…」

「なんて?」

「ヤダ…」

『なんて…?』

「ヤダヤダヤダヤダ〜っ!取られてたまるかーっ!」


スッゲー駄々こねる…

亜夢がピキってる。

キレてる。

読まなくてもわかる。


「そういうところが!無理だって!言ってんの!」


歓喜とも悲鳴ともとれない叫びがビルで響いた。

ナズーに入って2日目の夜である。



 翌日。

あ、まって起き上がれない。

痛い痛い痛い。

無理無理無理。

うん諦めよう。

にしても…

昨日のはなんだったんだろうか。

自分の予測線が見えるなんて初めてだ。

また見えなくなってるし…

まあ、いいか。



 椅子に座る。

新しく会った2人と向かい合う形で。


『改めまして、俺は「鎖田朧サダ オボロ」だ。亜夢の…師匠だな』

「よろしくお願いします…」


握手を交わす。

じゃら…

まるで金属を握っている…

いや金属だよこれ。


『あー、俺は金属製なんだ。この体は鎖の塊』


鎖田は見た目が棒人間そのもの。

その体をよく見ると、無数の細い鎖で構成されている。

相変わらず思考が軽々しい。


『俺の魂能は「鎖」。鎖を出す能力さ』

「それだけ?」


思わず。


『それだけ』

「おししょーはねぇ、その『雑魚能力』で最強に至ったんだよ〜」

『コンプレックスを刺激しないで…?』


…なんとなくわかったわ…



 もう1人。

さっきから黙っている。

亜夢の妹?


「ほーらー由宇〜…挨拶挨拶ー」

「あ、え、えっと…あ、「明日乃由宇アスノユウ」でふっ!」


噛んだぁ…

かわよ…


『こりゃだめだな』

「由宇の能力は『力操』。物理の授業でやったじゃん…ほら、力の矢印…あれを捻じ曲げたり大きくしたりできる能力。クソ強いはずなんだけどさ…」


いかんせん由宇は物理できなくって…


『ちなみに操る力はなにも物理的なものに限らなくって、干渉系の魂能にも作用するらしい。カシマ少年の魂能で、由宇の思考読めないだろう?捻じ曲げてるから。無意識で』


なるほど。

確かによく考えたら由宇ちゃんの予測線は見えないな。


■■■


兄は過保護である。師匠、もとい今の保護者も過保護である。ついこの間まで由宇はアメリカにいたのだ。筋骨隆々とした筋肉に囲まれて過ごす青春時代は、細身が好みの由宇にとってさぞ辛かったろう。そして見た「兄以外のドンピシャ」。由宇はときめいていた。多分、初恋である。

えー、

書き溜めがなくなりました

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