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RaPPitManS  作者: 一橋赤蘭
第一章
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第十四話 冴えない男のAwakening!

『お前ら降りろ、迎え撃つ』


ボロ屋の隣のガレージ、ここもナズーに繋がってるのか…

に車を止め、玄関口で待機する。


「きたよ…」


棒人間の師匠から糸

…鎖?

が出る。

捕縛。

そこにいたのは鎖でぐるぐるまきにされ暴れるゼロヒト。


(亜夢亜夢亜夢亜夢亜夢亜夢…)


『お前は何をやってるんだバカ』



「これがゼロヒト…キモイやつ」

「あひいっ♡」


…なるほど。


『で、なんでこんなこと…お前は接触禁止だろ』

「うるさいぞ鎖!亜夢の威を借る鎖の癖をして!何をえらそーに!」

「四天王にそんな口できるのあんただけだよ」


このおっさんが四天王?

無言で師匠さんが鎖をキツく締める。


「痛い痛い!グアァァァァ!HA⭐︎NA⭐︎SE!」


大人しくなったか?


「そもそも!なぁぜ何処の馬の骨とも知らんような雑魚が亜夢とバディなんだ!」


あぁ。

そういうことか。


「私の決定なんだから口を出さないでくれないかな」


少し離れたところから文句を垂れる亜夢。


「いいや俺は認めないね!亜夢の真のバディはいつも俺だ!」


ぽっと出の凡人がいきなり亜夢という人気者のバディとなった。

そりゃ認めない人も出るに決まっている。


「おいアリマのことァ!俺と勝負だァ!」

「ちょっと勝手に決めんな!」

『横暴がすぎるぞ』


だったら。

実力で。

亜夢の隣としてふさわしいと。

証明するしかない。


「わかった。やってやるよ」

「え⁉︎アリマくん⁉︎こんなやつ無視していいのに…」


師匠さんが亜夢を止める。


『本人がやると言ってるんだ。やらせてやれ…』


ゼロヒトの思考は相変わらず亜夢一色。

認めさせる。



「鬼ごっこだ」


ゼロヒトが提示したのは「鬼ごっこ」。

なんで…?


「お前が俺に勝てるはずがない!だからハンデだ。ナズー本部内を30分間俺から逃げ切れば勝ちだ」

「ゼロヒトが有利すぎんじゃん」

「いや、これでいい」


相手が有利な盤面で勝つ。


「それ以外のルールはなし。俺が10秒数える間に隠れな」

「意地が悪いわ…」


■■■


10秒でできるだけ遠くに逃げる。

時間稼ぎと隠れるため。

そのまま30分間やり過ごす。

それが有間の結論。

正解ではあった。

しかし。


「見つけた」

「うそだろ…」


ゼロヒトは一枚上手だ。

ゼロヒトの能力は「温度改竄」。

自分が触れている物の温度を改竄できる。

プラスマイナスの制限もない。

改竄した温度は空間中で伝導し大きな影響をもたらす。

それだけ調節に長けた彼は周囲の温度の正確な把握も可能である。

壁越しだろうがなんだろうがゼロヒトには見えるのだ。

間一髪で逃げる。

追う。

逃げる。

追う。

逃げる。

少しずつ距離を離す。


「ねぇ…アリマくん速くない?」


少し離れたところから見る3人。


『速いな。さっきラピッドマンとほとんど並んで走ってたなそういや』

「え、もしかしてフィジギフくんなのアリマくんって」

『どうだろうなー』

「ねぇそれなんかわかってるやつじゃんおしえてよおしえてよ」


兄妹。

そっくりである。


■■■


なんとか離せた。

でも…まずいぞ。

さっきと同じならこのまま冷気で機動力を殺される。

俺はあまり速くない。

このままじゃ追いつかれる。

幸い予測線が見えている。

何か…何かないか…!


■■■


現在は夜中。

周りに人気はない。

冷気が有間の動きを鈍らせ有間の「一動作あたりの思考時間」が相対的に伸びた。

全くの偶然。

本人すら知らない。

『覚醒』の条件が揃った。


■■■


ゼロヒトの手が伸びる。

こちらに向かって。

無理だ。

あーあ。

なんでカッコつけちゃったんだろう。

勝てるはずがなかったのに。

予測線が自分の頭を貫く。

刹那。


「なんだこれは…?」


自分の体から伸びる予測線。

こんなの見たことがない。

体がその線に引っ張られる。

このルートじゃあ捕まる!!

動け体…っ!

体がレールから外れた。

いや、別のレールに乗ったというべきか。

もう一つの「捕まらない」予測線を俺は。


 『選んだ?』


変則的な動き。

体が想定のしない動きに悲鳴をあげる。

いけるぞ。


■■■


これなら有間がどう動こうと捕まえられる。

ゼロヒトのそれは正しかった。

現実は違う。

「人としてあり得ない方向」に曲がったのだ。

本来人間は「殴る」という動作を殴り切るまで簡単にはやめられない。

「別の方向に手を振る」なら尚更無理だ。

有間は「予測線を乗り換える」ことで「行動のキャンセル」を実現した。

それは体にとっても想定外ではあったが。


■■■


 今のはなんだ⁉︎

混乱。

俺の知らない能力。

自分でも何をしたのかわからない。

筋肉も。

神経も。

混乱している。

痛い。

避けられたがこれじゃあ30分逃げ切れないぞ⁉︎


 「それ以外のルールはなし」


もう一回くらいならできるか?

ゼロヒトを。

行動不能にする。

メツァメロメツァメロ

覚醒回楽しいね

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