第十話 あんぱんサンド
Ep.Ten 私生活
307…307…
あ、あった。
ビルの隣棟。
マンションだなこれ…
俺の目の前には307の扉。
ガチャリ。
玄関は広い。
明かりが付く。
『おかえりなさいませ。ご主人様』
おわっ!?
『失礼しました。いらっしゃいませ、お客様』
「え、なになに…?」
『私、明日乃亜夢様の世話係を任されています『W.H.I.T.Y.(ホワイティ)』と申します」
Whimsical Helper Interface for Tasking and dailY-life
聞いてなーい…
『お名前を聞いても?』
「鹿嶋有間です…」
『鹿嶋様…?』
『申し訳ございません。事前にお聞きしておりました。ようこそ、鹿嶋有間様』
「あ、どうも…」
『お部屋は既にご用意してあります。荷物も事前に運び入れています』
丁寧ね。
■
マンションの一室にしては…
というか普通にバカ広いなこの家。
『重要なのは『扉』だから』
ここも扉経由で別空間につながっているのだろうか。
亜夢の部屋
俺の部屋
何の部屋?
何の部屋?
保管庫…
は?
保管庫?
広いリビング
ダイニング
キッチン
え、5LDK…?
ばーん!と扉が開く。
「たーっだいまー!」
『おかえりなさいませ』
「おーホワッちゃん!ただいまー!」
元気だね…
『うるさいです』
■
「このAIさんのこと…聞いてないんだけど」
「あれ、言ってない?」
「あの部屋何?」
「師匠と妹…どっちも国外出てるけどそろそろ帰ってくるよ」
「それも聞いてねー!」
「あはは、そうだっけか」
情報くらいちゃんと教えてくれ。
キッチンに立つ亜夢。
料理できるの…?
「料理できるの…?」
思わず。
「今日は遅いしちゃんとやる気はないけど」
食パンを取り出す。
あんぱんを取り出す。
「あんぱんサンド〜」
やだ〜…
口に運びつつ。
「冗談だけど」
■■
アメリカ。
ニューヨーク。
NAS欧米支部ニューヨーク支部にて。
沈む能魔。
上に立つは銀髪を靡かせる少女。
それに人影が近づく。
「あれ、鎖田さん?シベリアに出張じゃなかったの?」
『お前をお迎えに来たのよ、そろそろ帰るだろ?どうだった、外国特訓は』
「まぁまぁね…早くお兄ちゃんに会いたいわ」
あんぱんサンド




