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魔法少女(24)の異世界転移  作者: ほすてふ
第二章 ドワーフ地下帝国

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066 混乱

 不死帝を探すスキャンの様子をじりじりとしながら待っていると、映像の中に蜘蛛のような、しかし明らかなメカ、ロボットに見える者が映り込んだ。


「あれは?」


 副長が尋ねる。


 状況からするとセキュリティドローンだろう。


「あれがセキュリティドローン?」


『肯定』


 八本足の虫、蜘蛛かカニのような形状で、白い装甲で覆われた三十センチほどの機械が多数。

 床を、壁を、天井を這うように、あるいは滑るように移動していく、


 そしてほどなく、元聖女たちの映像と、ドワーフと不死帝の腕の映像の範囲に現れた。


 そして、ピカッと光った瞬間。


 アンデッドたちも、不死帝の腕も、いくつもの欠片に切断され、蒸発するように消えていった。


『反可能性レーザーによりあらゆる存在を因果から解放し排除可能』


「艦内全域に声を届けて! 白い蜘蛛のようなものには攻撃しちゃダメ!!!! アンデッドの敵だよ!!!!!」


 意味は解らないがめちゃくちゃヤバそうであると、それだけは感じ取れたヒスイは

予備管理知能に指示を出した。

 セキュリティドローンと敵対しないようにと。


 反可能性レーザー? 絶対受けてはいけないやつだ。


 映像の中では、ヒスイの声が届いたらしい。

 皆驚きながらも警戒にとどめ、攻撃行動は思いとどまってくれた。


 ヒスイは胸をなでおろす。


 その瞬間。






 ヒスイは背後から火球を受けて燃え上がった。






『スキャン完了。第三管制室、命令権者の至近距離に該当エネルギー保持者が存在。セキュリティドローンを派遣?』

『命令権者への攻撃を確認。緊急制圧』


 燃え上がったヒスイはさらに後ろから殴られる。金属の鎚鉾が後頭部にぶつかる直前に、ヒスイが身をよじり、打撃は肩に当たった。


 その勢いでヒスイは前に転がった。痛い。痛いだけならいつもと変わらないが、生身に激しい打撃を受けてしまった。


「副長……!?」


 ヒスイが離れた瞬間に、四方八方からスプレーが吹き付けられている。その対象は副長だった。


 吹き付けられたスプレーはすぐに硬化し、火球の杖と鎚鉾を持った等身大副長フィギュアが出来上がる。


「なんで……?」


『命令権者の危険に対し、障害を緊急補修用瞬間固化スプレーによる緊急制圧』


「あ、そっちじゃなくて」


『……』


「再変身しておくんだった。うかつすぎたな……」


 でもなぜ副長が?

 そう思いながらどうにか立ち上がろうとする。

 火球は全く平気だった。

 轟炎竜の魔力の影響だろう。変身していない状態ですら、炎が平気だとは思わなかったが、まあ結果オーライだ。


 ともかく、今からでも変身しておこうと判断する。


『医療処置は必要?』


「まだ大丈夫。マジカル・チェンジ! 魔法少女マジカルナックル!」


 変身した姿はいつもと変わっていた。

 打撃を受けた肩周辺が、新緑の色に染まっている。

 新緑の精霊の魔力が集まっていた。


 変身してから魔法で治療しようとしていたが、変身時に新緑の精霊が気を利かせてくれたようだ。


『異世界の者ハナグルマヒスイにしてマホウショウジョマジカルナックルよ。まだ終わっておらぬぞ』


「えっ!? 轟炎竜閣下、なんで?」


『魔法によって結びつきを強められておる』


「ああ、エルエルヴィちゃんの……」


『痛みも共有しておる』


「あっ……」


『魔法が切れるまで痛い目に遭うな』


「善処します」



 頭の中でそんな会話をしていると、補修スプレーとやらに固められた副長がバキバキとひび割れていく。


 一体副長はどうなっているのか。

 不死帝に乗っ取られた?



「マジカル・根っこ」


 マジカルナックルは魔法の根っこを伸ばし、副長をぐるぐる巻きにしようとした。

 この上からもう一度スプレーをしてもらえば動きを封じることができるだろう。

 そう思って指示を出そうとした。


 だが、根っこよりも早く、副長が脱出していた。





 黒い魔力に包まれている。






「それは……!」




 不死帝の魔力ではない。

 黒い魔力。


 覚えがあった。


 これは。


 轟炎竜を支配していた魔力と同じものだ!




 真っ黒な魔力に包まれた真っ黒人間となった副長だが、よくよく見ると、不死帝の力も内包している。

 胸からお腹にかけて、不死帝の魔力が癒着していた。

 黒い魔力に覆われているせいでわかりにくいが、わずかに存在を主張している。


 というよりも、黒い魔力に抵抗している?


「何がどうなっているの」


 とりあえずそう口にしたが、答えを期待しているわけではなかった。


「シタガエ。サモナクバシネ」


「わ、わかりやすい答え!」


『解析が必要?』


「できるなら、っていうかそんな余裕があるかな」



 黒い副長が鎚鉾で攻撃を仕掛けてくる。

 打撃としてはさほど危険を感じないが、嫌な予感がした。

 身をかわし、すれ違いざまに肘に魔法打撃を打ち込む。


 手ごたえがない。魔法防御が高い?

 違う。

 こちらの魔力を奪われた感覚。

 不死帝のエナジードレインか。



『解析を開始。第三管制室での破壊行動は非推奨』


「どこでも推奨はしないでしょう」


『命令権を剥奪し排除することになる』


「あっ、はい」



 不死帝の腕一本と謎の黒い魔力。そして副長。


 強敵であり、手掛かりであり、救出対象だ。


 突然出現した黒い魔力は、なにを意味するのか。



「脱出ルートを示せる? 救助した、ええと原生生物にもわかるような方法で」


『緊急脱出艇へのルートを光らせることで案内する』


「それで。艦内へ放送。みんな、光る方向に向かって。脱出用の乗り物があるらしいから!」


「ニガサン」


「ああもう!」


 黒い魔力が帯状に広がり、ネットのように周囲を囲む。


 出口らしい場所は黒の帯網にふさがれる。


 つる草や根っこを使ってマジカルナックルがやるのと似たような手を使われた。


「触りたくないなあ、この黒いのはさあ」


 自分の言葉で例の虫を連想し、さらに嫌な気持ちになるマジカルナックルだった。

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