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魔法少女(24)の異世界転移  作者: ほすてふ
第二章 ドワーフ地下帝国

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064 竜の炎

「轟炎竜イグニス」





 マジカルナックルが告げるのと同時。


 エルエルヴィもまた、魔法を発動させた。





「繋がりを強め、連鎖せよ。鎖の魔法」





 気づけば、元聖女たちとドワーフたちは、マジカルナックルと不死帝を中心に等間隔で囲んでいた。

 そして彼らのチェインメイルが消滅する。

 鎖の鎧(チェインメイル)が、エルエルヴィの魔法の触媒として使われたのだ。

 マジカルナックルが不死帝を追いかけている間に打ち合わせをしていたのだろう。

 相応な規模の魔法が発現する。


 その魔法の焦点はマジカルナックルではなかった。


 不死帝だ。


 しかし、マジカルナックルもまたその影響に巻き込まれる。





 意識が切り替わる。


 圧倒的で傲慢な赤がそこにあった。

 力強くのびのびとした緑が支えてくれている。


 なんだ。

 異世界の者ハナグルマヒスイにしてマホウショウジョマジカルナックルよ。

 これほど早く窮地に遭うとは。何をしておるか。


 いちにんしょう余がふたつはややこしい?

 なんだそれは。意味が解らぬ。


 まあよい。まずはこの煩わしい力を吸うものへの対処からだ。


 こうして、吸い取られる力そのものを炎とせよ。


 そうすれば、奴の内部から焼き尽くせよう。


 群れねば何もできぬ不死者ごとき、余の敵ではないのだ。


 だがそこは、余自ら向かうには狭すぎる。


 一撃だけ与えてやろう。


 巻き込まれるでないぞ。






 意識が現実に戻る。

 マジカルナックルを包む炎が、ドラゴンのあぎとの如く変化し、今まで以上に燃え盛っていた。


『な、なんだこれは!?』


「『竜の炎に抱かれて消えろ』」


 手四つの状態で、ドレインされる力が炎に代わる。


『ぐおおおおおお! 熱い!』


 竜炎のあぎとが開く。力が収束していく。


 マジカルナックルの目の前から。


 轟炎竜の炎が解き放たれた。



『ドラゴンのブレスだと!?』


 不死帝の瘴気が、轟炎竜の炎の吐息を押しとどめようと集まっていく。


 遅れて、多重に防御魔法が重なっていく。

 不死帝の中にいる、万年宰相たちが必死で守りを固めているのがわかった。


「不死帝。お前のすべての眷属との繋がりを強めた。今その肉体に与えられるダメージは、すべての眷属が同時に受ける」


 エルエルヴィが宣告する。

 なるほど、先ほどの魔法はそういう効果だったのか。


 不死帝の不滅の備えへの対抗策を、エルエルヴィが用意していたのだ。


 魂の繋がりをたどって別の眷属の元へ逃亡し生きながらえるのならば、繋がりをさらに強めて同期させる。


「生者の成長が避けられないのと同じように、不滅の繋がりもまた切り捨てられないだろッ!?」


 不死帝が聖女を無力化したのと同様の構図。

 眷属との繋がりによって死を免れる構造を棄てられない不死帝は、繋がりの強化を敵性の効果と認識できず受け入れてしまった。それがわかる。


 意趣返しの形になったのは偶然か。

 それとも――




「くらえや!」

「くたばれ!」

「いけぇ!」




 ドワーフたちが、魂光鋼のハンマーを投げつける。


 ハンマーは動けない不死帝に直撃し、それをきっかけにブレスと瘴気の均衡が崩れた。


「マジカル・奪取!」


 さらに、魔力奪取の魔法を敵を守る魔法にぶつける。


 不死帝の前に重ねられた魔法の守りが、崩れ散る。






 轟音。






 あまりの音の衝撃で、マジカルナックルは吹っ飛んだ。


 視界の隅で、不死帝の身体が消滅し、轟炎竜の炎はさらに向こうまで、指向性のある光線のように貫いて。


 そしてマジカルナックルが吹き飛ばされたために、その光線状の破壊が振り回された。

 壁も、天井も、足元も、発泡スチロールよりも容易く貫き切り刻む太くて長い棒状の破壊。


「まず――」


 エルエルヴィの声が聞こえたような気がして、そしてマジカルナックルの意識は途切れた。








 異世界の者ハナグルマヒスイにしてマホウショウジョマジカルナックルよ。


 巻き込まれるなと申したであろうが。


 まだ終わっておらぬぞ。


 すぐに立て。


 命の危機が迫っておる。





 意識が戻ると変身が解けていた。


 そして、それどころではない光景があった。


 明滅する光。


 金属の光沢。


 引き裂かれた、いや融解したような天井の痕跡。



『エマージェンシー。エマージェンシー。責任者は直ちにコンタクトを。責任者は直ちにコンタクトを。強制排除開始まで三十。二十九。二十八』



 金属の部屋。見覚えのない機械。光る空中投影ディスプレイ。


「ファンタジーから、SFになった?」


 SFの宇宙船の操縦室か、マッドサイエンティストの秘密基地か、科学防衛隊の指令室か。

 そんな印象を受ける部屋にヒスイは倒れていた。

 常に変化し続ける計器らしい表示が至る所にある。

 見覚えのないものばかりだが、一目でわかることがある。




 明らかな人工物。高度な技術によって作られたものだと。

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