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神界漂流記  作者: 沙也静 美玖
3/4

冷徹な正義

前回までのあらすじ

ついに鍵を開けて牢屋を抜け出すことに成功した貴方。しかし、その先では予想外のことが多発。死罪人との戦闘を経て、貴方はようやく弐号に行くことに成功した。

 エレベーターが「ピンポーン」と音を鳴らす。弐号についた音だ。エレベーターは参号から弐号までしかつながっていない。なので壱号に行くには現在地とは反対方向にあるエレベーターを使わないければならない。

「しかし、夜とはいえ静かだな」

参号には巡回のための看守が何人か配属されていたが、弐号では一人も見られない。真夜中というのもあるが、一人や二人くらい看守がいてもいいはずだ。

「なんともまぁ、不気味だ…。そっちはどうなっている?」

看守に話しかけるが何の返事も帰ってこなかった。不審に思った貴方は看守のほうへと向く。

「おい、何とか言っても…」

だが、そこに看守の姿はなかった。

(おかしい、さっきまで一緒にエレベーターに乗っていたはずだ。…いや、それだけじゃない。あの看守、ほかにもおかしな点はたくさんあった…)

今思えば、あの大男相手に一人で何分も耐えていた。看守といえどあれほど戦闘ができるのだろうか?

(それにあの雰囲気…いや、考えても仕方がない)

それよりも今考えるべき問題は別にある。またしてもエレベーターの生態認証だ。本来はあの看守にお願いして壱号へとつながるエレベーターを起動してもらおうと思っていたが、消えてしまった以上ほかの手立てを考えなくてはならない。どうしてこうも不測の事態しか起こらないのだろうか。

と、考えていたのだが貴方は違和感に気が付く。静かだ、どこまで歩いても看守が一切いない。歩くにつれて、中央の広間についた。そこにはようやく看守が一人立っていた。

(よかった、流石にいた)

「おい、助けてくれ。参号で死罪人が暴れた。応援を求める」

貴方は看守のほうへ駆け寄る。

「ん、おぉ。もしかしてその囚人ってのは、コイツのことか?」

看守は持っていた球体を地面に投げつけると、球体は「ベチャッ!」という気色の悪い音を立てて貴方の足元に転がってきた。

「これは…!」

その球体は、先ほどまで戦っていたザラキの首だった。すでに目に光は一切なく、絶望の中死んだ表情をしている。

「囚人の討伐ご苦労だった。処刑はこちらで済ませた。次は貴様の死刑執行だ、『三百五八番』!」

「スティーブン看守ッ!」

「脱獄及び管内での暴動。貴様の処刑を開始する!」

スティーブン看守はサーベルを取り出すと、貴方に突き技を繰り出した。貴方は必死にその攻撃を避ける。

「どうして看守がここに!」

「ハハッ!バレていないとでも思ったか!ご丁寧に看守同士でつぶしあっている姿は実に滑稽だったぞ、醜いお前たち囚人には身分相応のショーだったな!」

(最初から筒抜けだったのか…)

「あのどこの馬の骨かもわからん看守は優秀だったようだなぁ」

(まんまと罠にかかったってわけか)

「しかしまぁ、アレを見てもいまだ懲りずに脱獄を試みるとは。いい度胸だなぁ!」

「アレだけのことを平気でやれるお前にだけは言われたくはないね!」

「クズの戯言がぁ!」

スティーブン看守のサーベルの速度が怒りによってさらに上昇する。サーベルの刃があなたの首をかする。

「ぐっ!」

銀色の一筋がかすめた後、貴方の首筋から血が流れ始めた。

「お前をとらえた暁には囚人どもにやつの首を見せた後、お前を三百五十七番の前でじっくりと殺してやろう」

「やられねぇよ!」

貴方はサーベルをよけながらも、スティーブン看守に勝つビジョンをイメージする。

(スティーブン看守は罪人とは違う強みがある…。どちらかというとこちらのほうが打ちづらい!)

ザラキはその巨体とパワーを生かした戦闘を仕掛けてきたが、スティーブンはそれほどのパワーを持ち合わせていない。しかし、彼は素人とは一線を画した確かな技術が体にしみている。訓練されたサーベルの使い方は貴方を逃がすまいとこれまでもかというほど一つ一つの洗練された突き技が貴方の命を狙う。それゆえに、貴方が反撃する隙を一切見せない。

「零号全ての看守と囚人が眠った!だがお前と二百四十五番を除いてな!」

「ぐっ、おぉっ!」

避ける一方、厳しい戦いを強いられる。

「もしお前が実行したと罪を認めるのであれば!おとなしく牢屋へ戻り悔い改めるというのならば!罪を軽くしてやろう」

「へっ!仮にここで真実を伝えたとしても、アンタは端から殺す気でしかないでしょ!」

「フン!せめて苦しまずに一突きで殺してやろうと思っていたのだが、生意気な奴め。予定変更だ!貴様がより苦しむよう嬲り殺してやる!」

スティーブン看守の突きがさらに激しくなる。

(さっきまで手加減していたというのか!)

貴方は避けるものの、かすり傷も増えダメージは顕著に蓄積されていく。

(考えろ…考えろ!)

貴方は思考を巡らせ、最初からスティーブン看守の攻撃パターンを分析し続けていた。今まで受けてきた傷の部位とサーベルの動き方から次の動きを予測する。


『もう持つまい!』

だが、必死の回避もむなしく、スティーブン看守は貴方の左胸を正確に貫き、心臓を射止めた。

『ぐあっ…!』

貴方は貫かれた胸部を抑えながら、地面に倒れこんだ。

ごめんなさい、作者のミスで四話を先に投稿してしまいました。謹んでお詫び申し上げます。おそらく追っていただいている7人の方、急に意味わからん話展開して申し訳ありませんでした。作品上展開を変えづらいので第4話変更ございませんが、その先の話はより一層これまでよりも力を入れることを約束します。大変申し訳ございませんでした。

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