その刹那、貴方は死を経験する
弐号にやってきた貴方は、因縁の相手スティーブン看守と遭遇してしまう。そこで心臓を貫かれた貴方、そこで貴方は、死を経験してしまう。
『もう持つまい!』
スティーブン看守のサーベルは、確かに貴方の心臓を貫いた。
『ぐっ…!』
「もう持つまい!」
ふと気が付いた貴方は、とっさにきたサーベルの動きを見て、迷わず、一切無駄のない動きですべてきれいに避けた。
「…何?」
急に洗練された動きを見て、スティーブン看守は戸惑いを隠せない。
一方貴方は息を整えながら左胸に手を当てる。血は出ていないのはおろか、当たった形跡すらない。
(確かに、貫かれた感覚がしたはず…)
『逃がさん!』
スティーブン看守が突きを繰り出すと、それは今までとは全く違う速度で貴方を襲い、またもや貴方の心臓は貫かれる。
「逃がさん!」
(またか!)
スティーブン看守が突きを繰り出す前、貴方は後ろへと下がった。
「はぁっ、はぁっ…」
スティーブン看守は冷静に、一切息を切らさず、一歩引いてこちらの様子をうかがっている。
(見切った、だと…?俺の最高速の一撃だぞ。いくら俺がもう若くないといえ、あれを避けるか)
(思考が加速した結果かは知らないが、未来を先に見ることができたのか?それとも思い込みがたまたま現実となったか…。見えた未来通りになってくれたから致命傷となるような攻撃はなんとか避けられたが、次が予想通りの攻撃になるかはわからん。)
貴方の額にたまっていた汗が、頬を通って雫となり、地面に落ちる。
「「ッ!!」」
貴方はスティーブン看守よりも先に前に出ると、拳はスティーブン看守の頭の右の空を突く。逆にスティーブン看守のサーベルは、貴方の左横腹の空を裂く。
その勝負はまさに一触即発。お互いの攻撃があと少しでもずれれば致命傷、勝負を決める一手になりかねない。貴方は危険を理解しながらも、近接戦闘に挑む。
(読める!スティーブン看守の次の動きが!)
貴方はスティーブン看守の一挙手一投足を完全に読み切り、針の穴に糸を縫うように相手のすべての攻撃を避けていく。だが、どの攻撃も決め手に欠ける。
「お前…なぜ避けられる」
「誰だってそんな危ないもの振り回されたら避けるに決まってるだろ」
「どうしてお前が、俺の突き技を避けられるのだ」
「さぁな、腕でも鈍ったんじゃないのか?」
貴方が軽口をたたいて看守を挑発し、ミスリードを誘っていた時、突如として上から重いものが降りかかり、貴方を押しつぶす。ギスギスとした痛みが貴方の背中に走る。
「遅かったじゃないか。四百七十一番」
貴方の背中から別の看守が下りると、看守の帽子と制服を脱ぐ。
「悪いね、俺も簡単には人を裏切ることはできないんだ」
こちら作者がミスって三話よりも先に投稿したものです。一生の不覚でした対ありでした。




