後書き、
後書き、あるいは彼らが生まれた経緯について
「昨今流行の悪役令嬢転生短編を書こうと思って筆をとったのだが、どうした事か完成した物は王子に転生していた」
そんな具合に始まったのが、この『私の乙女ゲー転生が詰んでいる』だった。
繰り返すが、本当に意図した結果ではない。
手書きでさらさらと書き殴ったとき、何故か悪役令嬢よりも王子の方の描写で興が乗ってしまった結果としか言えない。「あ、なんか王子の方を滅茶苦茶こき下ろしてしまった、こっちに転生させた方が追いつめられて面白そうだぞ」と……そんな偶然から始まったのだ。
その後調子に乗って続編を投稿し、私はさてと首を傾げた。
別にこれで終わりにしても問題ない。しかしどうにも引っかかる感じがする。
転生した後の行動は一区切りついた。しかし、だ。
「ああ、そうか。何故この王子は婚約破棄などと言い出したのか、私にはまだ分からないんだ」
考えてみよう、と再び興が乗った。
その頃の彼はまだ名前も定着しておらず、ただ『王子』という役のみをふられた張りぼてのキャラクターだった。続きを書くならば前世の少女を主軸にするだろうと考えていたため、そこまで個性を求めていなかったのだ。
ただ、理由もなく婚約破棄発言をするバカではないだろうと思った。その方が面白いと。
「世に溢れるカタルシス短編では、バカ王子の末路は廃嫡というのが主流だろう。ならば、そうか。テオフィルは廃嫡されたかったのだ」
その瞬間から、彼は『王子』ではなく『テオフィル』となって動き始めた。これが連載の決め手となった偶然だ。
無論、偶然で書いたので、矛盾が凄まじい。
穴を掘って埋まりたい。
本当に、読んでくださった方に感謝と謝罪しか出てこない。私自身も予想していなかった。
テオフィルよ、お前いつの間にメンヘラ化したんだ……?
5話を書いているあたりから薄々そんな気はしていたが、まさかここまで闇が深いとは思っていなかったぞ……?
問いかけてみたところ、「それは私の所為ではなく、生みの親に問題があるのではないかな?」と苦笑いされた。
納得した。
私が書く主人公は病む。毎度のことである。
さて。
果たしてこんな助長な文章をここまで読んでくれている方がいるのかとも思うが、いると仮定しよう。いやいるはずだ、そうに決まっている。そうでなければ空しい。
テオフィルの物語を読んでくれて、ありがとう。
あなたがいたから、彼はハッピーエンドに辿りつけた。私だけでは到底無理だった。何せ、エタり癖のある作者だから、完結できたのはまさに奇跡だ。
読了、ありがとうございました。
これを期に、感想や評価をくれたってええんやで……|ω・)




