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朝起きたら、 飼い猫が美女になっていた  作者: ベル


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第二十五章 普通の女の人みたい

猫耳がなくなった翌日、こはくは美容室へ行くことにした。


今までは帽子を取れば耳が見えるため、髪を切りに行くこと自体が難しかった。


美咲が自分の通う店を紹介してくれ、最初だけ一緒に来てくれるという。


出かける前、こはくが聞いた。


「長いのと短いの、どっち好き?」


直人は少し迷う。


「今もいいけど、少し短いのも見てみたい」


「じゃあ短くする?」


「決めるのはお前」


「分かってる」


駅へ向かう途中、帽子を被っていないこはくが言った。


「普通の女の人みたい」


「外から見たら普通にそう見えるよ」


「直人には?」


「こはく」


こはくは嬉しそうに笑った。


美容室では、髪を鎖骨くらいまで切った。


送られてきた写真に、直人はまた《かわいい》と返した。


夕方、こはくが帰ってくる。


髪が短くなり、首元が前より見える。


直人は一瞬そこへ目を向け、すぐ顔へ戻した。


「どう?」


「かわいい」


「写真と同じ」


「実物の感想」


こはくは満足そうに笑う。


そのあと、冗談半分に直人の髪へ手を伸ばした。


「美容師さん、こうしてた」


「俺は切らなくていい」


「触るだけ」


指が髪をすくう。


「人間だと駄目?」


「嫌なわけじゃないよ」


「じゃあ人間同士」


その言い方に、直人は一瞬息を止めた。


夜、こはくは自分の部屋へ戻った。


二時頃、直人は物が落ちる音で目を覚ました。


続けて、壁に何かがぶつかる鈍い音がする。


「こはく?」


返事はない。


直人はすぐベッドから起き上がった。

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