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朝起きたら、 飼い猫が美女になっていた  作者: ベル


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第十四話 女友達

数日後、牛乳が切れた。


直人が仕事から帰ると、冷蔵庫に新しい一本が入っている。


「これどうした?」


「買ってきた」


「一人で?」


「うん」


直人は反射的に「勝手に」と言いかけ、止めた。


「出る前に連絡はほしかった」


「じゃあ次は言う」


「頼む」


「駄目って言わない?」


「行き先と時間聞いてから決める」


「また条件」


「何でも自由ってわけにはいかないだろ」


こはくの眉が不満そうに寄った。


「でも子どもじゃないよ」


「分かってる」


直人は少し間を置いた。


「だから、行くなって決めつけるのも違うと思ってる」


「じゃあ相談する」


「俺も遅くなる時は連絡する」


「約束」


「約束」


買い物の途中で美咲に会ったらしい。


いつもの牛乳が見つからず売り場を見ていたところ、美咲から「何か探してる?」と声をかけられたという。


牛乳を探してもらい、卵や魚の話をし、服の店まで教えてもらった。


「三上さんって家でもあんな感じ?」


美咲にそう聞かれたと、こはくが話す。


「何て答えた?」


「家のほうがだらしない」


「余計なこと言うなよ」


「ほんとだから」


その流れで連絡先を交換した。


こはくのスマートフォンには美咲からメッセージが来ている。


《今日はありがとう。あの牛乳で合ってた?》


《合ってた》


《よかった。今度また会ったらおすすめのお店教えるね》


《うん》


「女友達できた?」


こはくが聞く。


「たぶん」


「私の?」


「ああ」


こはくは嬉しそうに画面を見た。


その週末、美咲から服を見に行かないかと誘われた。


直人は一緒に行こうとは言わなかった。


「帰る時間だけ教えて」


「うん」


こはくが笑う。


「直人、一人で留守番できる?」


「誰に言ってるんだよ」


「できる?」


「できます」


役割が少しずつ逆になっている気がした。

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