↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
朝起きたら、 飼い猫が美女になっていた  作者: ベル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/35

第十一話 自分のスマートフォン

週末、直人はこはくを連れて携帯電話の店へ行った。


古い端末でも家の中では困らなかったが、外へ出る機会が増えた以上、連絡手段は必要だった。


店内で端末を見比べたこはくは、淡い黄色の一台を選んだ。


「これ」


「性能じゃなくて色で決めた?」


「毎日見るから」


「まあ、それも大事か」


契約は直人名義の追加回線にした。


こはくには本人確認に使える書類がない。


店員から関係を聞かれ、直人は一瞬詰まった。


「家族みたいなものです」


隣でこはくが直人を見る。


手続きの途中、名字をどうするかという話になった。


「三上こはく?」


こはくが口にする。


直人は妙に落ち着かなくなった。


「今は表示名だけでいい。勝手に名字まで決める話じゃないから」


「じゃあ、こはく」


「うん」


帰宅後、電話とメッセージの使い方を設定する。


古い端末で覚えていたので、今度は早かった。


こはくはすぐカメラを開いた。


「撮る」


「何を?」


「直人」


「何で俺」


「写真、残るから」


こはくは人間になってから、写真を撮ることを気に入っていた。


猫だった頃は自分で残すことができなかったからだという。


気づけば、こはくが隣へ寄ってきていた。


「一緒」


「今?」


「うん」


画面の中に二人の顔が並ぶ。


直人が構える前にシャッター音が鳴った。


「待て、今の顔変だろ」


「普通」


「消して撮り直そう」


「消さない」


「何で」


「最初の二人の写真だから」


直人は言い返せなかった。


その写真は結局、こはくの新しいスマートフォンに残った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。