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バグった世界にテコ入れを  ~スマホ片手に停滞世界を再開発~   作者: 未白ひつじ
4章 あらたなおともだち

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第15話 モル丸改造計画

「もう、うるさいわねえ……せっかくルーちゃんとジャモ掘りしてたのに……って、何よこれ! また私が知らないスキルが生えてるじゃないのよ!」


「リプラシルやべーよな、運営が知らない仕様があるんだもんよ、これがネトゲなら会社が飛んでるぞ」


「う……ほ、ほら……ゲームと現実は違うから……何が起きるかわからないのが、リアルの面白いところじゃないの……」


 取ってつけたようないいわけしよるわ……。

 

「そ、そんな事より謎スキルよ、謎スキル! ええと……こうしてこう……これでユウのスマホでも詳細が見られるようになったはずよ」


「お、マジか! どれどれ……」


◆◆◆◆◆


 【吸成長】

 

 【吸収】の上位スキル。成長効率が大幅にアップした。



◆◆◆◆◆


「うっわ、えっぐ……やたら逞しく育ってると思ったが、このスキルのおかげかよ」


「吸収って、普通は食事に使うスキルなのに……なんでこんな……」


「……その食事がヤバ過ぎたのが、成長とスキル強化の原因だろうなあ」


「ヤバい食事ってなに……あ! ちょっとユウ、ばか、すけべ!」


「はあ? なにがよ?」


「なにって……もう! だったら、なにがヤバイのよ!」


「いや……うちのメシってよ、祝福の水使ってるだろ? それで作った野菜にゃバフついてるし、そりゃモルモルたちも強まるよなって思っただけじゃん」


「あっ……そういう……」


「変なパンさんだな……」


 ……まあ、こいつが何を想像したかはわかるけどな。


 どうせ、残り湯だの、なんだのを想像したんだろ? 流石にそこまでは考えてなかったっつうか、想像力が逞しすぎるだろ……まあ、実際にやべえ効果はありそうだなって今ちょっと思ったけどさあ。


「女神様、ダンジョンから参りましたモル丸です! 何時もダンジョンを見守って下さり誠にありがとうございます!」


「あ、どうもどうも。女神さまです……さっきルーちゃんが召喚してた子ね」


「どうか、我もモル助のように強くしてくれませぬか……なにとぞ、なにとぞー!」


「え、ちょ、なに? ねえ、一体何があったの? ユウ、説明しなさい!」


「ああ、それがだな……」


 かくかくしかじかと、詳しい経緯をパンさんに伝えた。


「……あいつら、裏でそんなことを……モルゾウにルーちゃん預けてきて良かったわ。あの子にはまだこういう話聞かせたくないもの」


「ルーちゃんの前では仲良しごっこしてたらしいからな……アイツらマジで許せねえわ」


「それで、力が欲しいって話につながるのね?」


「そういうこと」


「なるほど……そうね、スキルの発生条件も確定させたいし、試してみましょう!」


 そして……モル丸改造計画が始まった。


 なんていうと生体実験みたいでアレだけど、やる事は普段モル助がやってることと同じだ。


 うちの掃除っつうか、浄化作業だね。


 モル丸からしてみれば食事を摂ってるだけなので、こんなので強くなれるのだろうか……なんて、僅かながら不安に思ったこともあったようだが、モル助とモルゾウを見て、考えを改めたようだ。


 アイツら、実際に強くなってっからなあ……。


 けどさ、本当にそれだけで大丈夫? って今度は俺のほうが思っちゃってさ。


 確かに、このままでも十分強くなれるだろうさ。


 だが、それだけでいいのだろうかと。


 今のモル丸に必要なのは、ただ叩きのめせるだけの力じゃない。

 

 鼻歌交じりに叩きのめし、格が違うのだと見せつける圧倒的強者と言えるほどの強大な力だ。


 そんなことをふと、思っちゃったら……へへ、魔が差しちゃってね。


 年越しが近いし、さっさと解決したいなあって思っちゃってさあ、パワーレベリングだとばかりにとにかく効きそうなのを色々食わせちゃったんだよ。


 パンさん由来の湯と薬草から作った女神ポーション。


 ヒッグホッグ肉と、レジェンダリー野菜で作った肉野菜炒め……などなど、各種バフ料理を仕上げとばかりに振る舞った結果……。


=====

 名前:モル丸(仮)

 職業:モルモル(塩のダンジョン)

 LV:6

 体力:229

 魔力:48

 スキル:溶解 吸成長 

=====


 しっかり吸成長を覚えたのでありました。


 一応さ、パンさんと二人でデータを取りながらやってたんだけど、女神ポーションを作って飲ませたのがパンさんにバレちまってね……。


 なにしてくれてんじゃと、ブチギレるパンさんを、まあまあこれもルーちゃんのためじゃとなだめてるうちに……なんかこうなってたわけですよ。


「……吸成長、覚えてるな」


「おぼえたわね……」


「俺としてはやはり女神ポーションがカギだと思うのだが」


「私としてはそれは考えたくはないのだけれども」


「……まあ覚えたから良いってことにしようや。悪かったな、パンさん……」


「……結果オーライだからいいわよ……アンタに飲まれたわけじゃないしさ……」


 というわけで、なんとか吸成長を生やすことに成功したわけだが、俺が求めていた結果とは程遠いんだよな……。


 もっといい感じに強化されると思ったんだが、そこまで簡単な話じゃなかったようだ。


 ただ、あまり時間をかけてらんねえのよねえ。


 そうだな、もっと色々……これまでモルモルたちに喰わしてなかったのも食わしてみるか……。


 モルモルたちに処分をさせていなかったもの、それは地球由来のものだ。


 空き缶や紙パック、飲み残しや食べ残し等、地球産のゴミは、なんとなく嫌な予感がしたもんで、モルモルには頼まずパンさんに頼んで処分して貰っていたんだ。


 けどさ、ラノベでよくあるじゃん? 地球産のものに謎のバフがあるやつ。


 食べ物なら食事バフがすげえ乗ったり、アルミホイルで作った魔法杖からスゲエ魔法が出たり……そういう、謎のバフが有るじゃんか。


 こうなったら試すほかあるまいと、パンさん立会のもと、まずはビール缶を一つあげてみると……。


「おお、この硬いのはいいな、何か力が漲るぞ!」


「お、マジかよ。パンさん、平気そうだぞ!」


「ほんとあんた無茶するわよね……まあいいわ。本気でヤバいときはロールバックしたげるから、どんどん食べなさい。ほら、ゴミならたくさんあるから……どんどんおたべ」


 パンさん……優しいようでなかなかに外道っすな……つうか、これまでのゴミ、ストレージに入れてただけで処分してなかったのかよ……。


「おおおおお! みなぎる、漲るぞお! 女神様、遠慮せずどんどんくだされ!」


「いい子ね、ストレージのゴミ全部持ってっちゃって!」


 ほんとこいつ……けど、経験値効率ははなかなかに高そうだな。


 すまぬモル丸よ……!


 ダンジョンのため、ルーちゃんのために頑張ってゴミ処理をしてくれ!


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