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バグった世界にテコ入れを  ~スマホ片手に停滞世界を再開発~   作者: 未白ひつじ
4章 あらたなおともだち

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第8話 かしましいうさぎたち

 激戦……激戦? まあ……激戦でいいや……それを終えて。


 ただいまーと、広場に戻ると、ロップたちが輪になってルーちゃんとお話をしていた。


 なにこれ、きゃわわ。


「おお! くろのせんし! ぶじでしたか!」


「またすくわれた! われらのせんし! ありがとう!」


「それで、クロベエ。おまえ、こいつらと知り合いなの?」


「それがさあ……前に来た時、たまたま助けた感じになったんだよね」


「たまたま……?」


「でっかい鶏持って帰ったでしょ、あいつがこいつらを襲ってたんだよ」


「ああ……レッグコッカの時にか。つか、こいつらいっつも襲われてんな?」


「鶏を取ったから、ロップはいいかなって見逃してやったらこれだよ」


 なるほどな……クロベエくんが『どっちもだ!』って強欲な選択しなくて良かったな、おまえら。


「その時もさ、こいつらキイキイうるさかったんだけど、言ってることわかってもやっぱうるさいよね、こいつら……」


 ルーちゃんのスキルがあってもなくてもうるせえんだな、こいつら。


 つーか、ロップがめっちゃ増えてんだけど? 


 ぴょんぴょこ、ぴょんぴょこと、どんどんロップが現れて、口々にクロベエに感謝をしてんだけど?


 こんなにたくさん何処に隠れてたんだ?


「うーん、どうやらここはこの子たちの集落的な場所なのかもね。ほら、よく見ると、あちこちに穴が空いてるでしょ? あれ、たぶん巣よ」


 あ、パンさん居たんですね。


 なるほど集落か……集落? てことは、こいつらって魔獣じゃなくて魔族なのでは?


=====

 魔族:ウッサロップ


 見た目はデカいロップだが、魔臓があるため、カテゴリ的には魔族である。

 集落を形成するほど知能が高いが、発声器官が未熟で、共通語を話せないため魔獣扱いされている。


 義に厚く、一度恩を感じた相手には一生尽くすとも言われている。

 そこはかとなく戦士の気概を感じるが、戦闘力は皆無なので気持ちだけ受け取っておこう。


=====


「なあ、パンさんよ」


「なによ?」


「こいつら、魔族ってマ?」


「は? うっわ、マジだ。魔族なの?」


「鑑定文書いたのパンさんだろうに……」


「ふしゅー……ふしゅー……」


 ほんと、ちょいちょい雑だよなあ……せめてちゃんと覚えといてやれよ。


 

 ◇回想おわり◆


 ――そんなわけで、妙なウサギどもに囲まれながら昼食を摂る羽目になっている我々なのですが。


 このウッサロップたちがまた、甲斐甲斐しく木の実やらなんやらを次々運んでくるもんだから、部族の危機を救った勇者様一行感が凄まじいんですわ。


 勿論、勇者様は俺では無くてクロベエな。


 クロベエさー、マジで異世界主人公みたいだよな。クッコロとフラグ立てるわ、ウサギに戦士、戦士と称えられるわ。


 ま、別に羨ましくなんてねえけどな。


 勇者って年でもねえしさ……。


 ……ほんとうだよ?


 って、ウッサロップたちがクロベエを取り囲んで面倒なことをいい始めたぞ。


「せんしさま、これからも、われらほごしてほしい」


「くろきせんしいれば、われら、あんしん」


「われらのへいおん、くろきせんしのおかげ」


「これからもたのむ。くろきせんしよ!」


 みろよ、クロベエのやつめっちゃ嫌そうな顔してんじゃん。


「ユウの傍から離れるのは嫌だからむり」


 ……聞きました? 


 クロベエちゃんったら、俺から離れたくないからダメってズバッと断ってますわよ! なんてかわいい子なんでしょ! 


 もう、しんぼうたまらん!


「や、やめれーユウ。腹毛をわしわしするなー」


「へへへ……クロベエの腹毛は俺のもんじゃい! ロップ如きにやれるもんか!」


「まったく、ユウはしょうがないやつだなー」


 でもな……こうやって縁が出来てしまったからにはこのままバイバイってのもちょっとな。


 このままなんもしないで放置してさ、次来た時にここが荒れ果ててたら……。


 うっわ、想像しただけで胸がキュッとしたわ。


 ウッサロップの楽園が荒らされるーってだけで堪えるのに、こいつら魔族だからな……どうにかしてやりてーとは思うんだけど……。


 あ、そうだ。


 こいつらもダンジョンの住人にしてしまえばいいんじゃん。


 あそこなら寿命以外で死なねえらしいし、か弱いらしいこいつらにとって安住の地になるんじゃねーかな。


 ルーちゃんの眷属も増えるし一石二鳥じゃんな。


「なあなあ、パンさんよ、こいつらもダンジョンで保護してくんね?」


「それは私も考えたし、良い案だと思うけどまだ難しいのよね」


「難しい?」


「ルーちゃんが創った一階層は湿原でしょ? 森の魔物にとって快適に暮らせる場所じゃないのよね」


「まあ、そりゃなあ。でもさ、こう水気が少ないところにコロニー作ってとかさあ」


「契約はね、心からダンジョンに住みたいと思わなければ上手くいかないの」


「はえー……そんな事情があったんか」


 ……確かに湿原はな……なんかじめじめしてるし、変な妖怪達がひしめいてるからな……俺だって嫌だし、ウッサロップだって嫌がるだろうなあ。


 うん? じゃあ湿原じゃなかったらよくね?


「だったら、森仕様の二階層を作って……って、ああ、なるほど『まだ無理』って、そういうことか。ルーちゃんのレベルじゃまだ次の階層を創れないんだな?」


「ご明察。だからかわいそうだけど、ルーちゃんが育つまではどうしようもないのよ……」


 ぐぬぬ……なにかこう……良い具合に事が進む方法が無いものか。


 ご都合主義全開のこう、お前それはじめから仕組んでたやろって突っ込みたくなるくらいの解決策がさあ……。


 ガササッ……

 

 ……この音! 来たぜ、来たぜ! これは……フラグが回収された音だぁ!


 解決策が向こうから歩いてきやがったぞ!


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