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バグった世界にテコ入れを  ~スマホ片手に停滞世界を再開発~   作者: 未白ひつじ
4章 あらたなおともだち

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第2話 品種改良

 そんなわけで、予想以上に農業がイージーっていうか、収穫がくっそ早かったわけですよ。


 だったら色々試せるよねってことで、品種改良に手を出したのが先日のことだ。


 それをやろうと思った切っ掛けは、ほんの小さな閃きからだったな。


 可愛い芽がずらりと並んだ畑を見てるときにさ、もしかして野菜にも『個体差』ってのがあるのかな? って思ったんだ。


 思ったらもう気になって気になってしかたなくってな。


 パンえもーんって泣きついて、もうアホほどご機嫌を取りまくってさ、スマホに鑑定モードをつけてもらったわけ。


 しかも、農作物に限ってだけど、AIに分析させた詳細データも出るようにしてくれたんだ。


 報酬として、旨いイモの開発を約束させられたが……それは俺も食いたいので頑張るぜ。


 そんなわけでさ、棚ぼた的に実装された【鑑定】で発芽した芽をチェックしてみたんだけど……個体差っていうか、レアリティ表記があったからずっこけたよね。


 レアリティは、現在確認できてるもので四つ。


 ★コモン ★★アンコモン ★★★レア ★★★★エピック


 たぶん、この上に★★★★☆レジェンダリーがあるんだぜ。


 パンに言ったら『マジか……マジだ……AIのくせに面白いことを……ま、まあゲームみたいで良くね?』と、無責任なことをいってたが、俺も同意見なんで、これに関しては良いことにした。


 問題なのは、発芽した時点では、レアリティ以外の詳細がわからんってことだな。

 

 どうやら、収穫したものを鑑定してはじめて詳細がわかる仕様らしいんだよ。


 ますますネトゲくせえ。


 レアリティによって変わるのは、味と食事効果……そう、謎に食事バフが付与されるみたいなんだよな。


 そして、この効果は種子にしても引き継ぐわけだ。


 レジェンダリーメロンの畑みたいな、やべえのも作れちゃうわけ。


 そして、もっとヤバイのがかけ合わせだよね。


 これは【製作】の機能に含まれてたんだけど、種子と種子をかけ合わせて、新たな種子を作れるんだよ。


 ああ、キメラは無理だった。あくまでも同種だけね。


 仕様としては、味や食事効果をより上位のものにする……ことがある、ってやつでな。

 まあ、結構な確率で失敗しやがるんだ。


 ざっくりいうと合成ガチャなんだけどさ、これがまた妙に面白くてなあ。

 

 ほら、俺って強制的にソシャゲ禁じられてるような状態じゃん? もうね、ガチャ的なものが楽しくて楽しくて……もう、ここんとこ、暇さえあればずっと農業やってたのよ。


 そんで、ここ数日の頑張りの成果がこれですわ。


=====


 名前:キウンバ改二 ★★★★ エピック


 通常のキウンバと違い、ほのかに感じる塩味と、謎のうま味で食べ出したら止まらない逸品となっている。なお、タルットが言う「キウリー」とはキウンバのことである。


 効果:脱水回復+2(B) 熱病回復+3(B) 美容+3(B) 


=====


 名前:ジャモ改二 ★★★★ エピック


 ジャモは腹に溜まるだけの、美味しくない野菜として住民たちに認識されている。

 しかし、この品種はホクホクとした食感と、ほのかな甘みで美味しくなっている。


 効果:疲労回復+2(B) 筋力強化+3(B) 


=====


 名前:タマナ ★★★ レア


 いわゆるキャベツである。

 在来種のタメニンを球状に育つよう、品種改良した結果生まれた新種。

 元々、地球のキャベツに近い味だったが、エグみがあり、生食は難しかった。

 しかし、改良の結果、エグみが消え、甘みが増して揚げ物の友として活躍できるポテンシャルを得た。


 効果:解毒+1(B)


=====


 名前:ミーン改 ★★★ レア


 元となったミーンはパンの素材として栽培されている穀物、いわゆる麦である。

 品種改良の結果、酵母などをいれずとも、フワフワのパンを焼けるようになった。


 効果:体力回復+1(B) 防御力強化+2(B)


=====


 名前:ダイズ ★★★★ エピック


 在来種であるズンマという水色の豆を改良し続けることにより誕生した根性の逸品。

 似ても似つかない在来種から、よくもここまで大豆に近いものを作ったものだ。

 ズンマは、煮豆にするか、炒って食べる以外の使い道がなかったが、ダイズは、名前の通り大豆のように様々なものに化けるポテンシャルを秘めている……。


 効果:体力回復+1(B) 筋力強化+1(B) 素早さ強化+1(B)


=====


 みたかこの努力の結晶! 


 パンに見せたら感心しつつ呆れていたぜ。


 テキストがあんま変わったように見えないって? ああ、それね……。


 最初はすげーシンプルだったのよ。説明文なんてなくってさ、ただ名前とレアリティ、栄養素と効果だけが書いてある感じだった。


 そうだな、機能性食品のラベルみたいな感じと言ったらわかりやすいかもしれん。


 これはこれでいいかも……と思ってたのに、次の日見たら、レアリティだけ据え置きで、あとはいつものこれに変わってたよ……。


 パンがドヤ顔してたから、たぶん気に入らなくて全部書き換えたんだろうな……。


 成分表どこいったよと、頭を抱えたんだけど、よく見たら『詳細』って書いたボタンが増えてて、ちゃんと別画面で見られるようになってたわ。


 まあ……パンには言わねーけど、俺、あいつが書いた図鑑好きなんだよね……。


 味わい深いっつうか、癖になるっつうか。


 だから、復活したのはちょっと嬉しかったりすんだよな。


 あ、それでさ、鑑定結果に見える(B)ってのがどうにも気になったんで聞いてみたんだけどさ――


『ああ、それは永続効果じゃないものを表しているのよ。ほら、ゲームでよくあるでしょ? 食べると五分だけATK+5%される、みたいな感じよ』


 ――なんて非常にわかりやすい説明をしてくれた。


 てことは(A)がついたら永続効果ってことじゃん。


 筋力+2(A)なんてついた野菜を十個食ったらさ、もう死ぬまで筋力+20になるってことだろ?


 その『20』でどれだけ強化されるかわからんのが怖いので、みかけたらモル助にお願いして検証に協力してもらおう……。


 あいつ、なんか知らんが、うちの警備員みたいなこともしてるからな……強くなる分には困らねえのよね。 


 つうか、『筋力』やら『賢さ』みたいな、ゲーム的なステータスの概念があるのにびっくりしたわ。


 キンタ鑑定した時は体力や魔力しか無かったからさ、てっきりそこまでゲーム的ではないと思ってたんだが……リプラシルって思った以上にゲームっぽい世界だったんだなあ。

 

 鑑定画面では体力や魔力しか見えない辺り、システム上だけで管理されてるマスクデータなのかもしれんな。


 ……俺のステータスってどんな感じなんやろな? 自分で自分を鑑定したことがねえから、簡易な情報すら知らねえわ。


 ……


 ……やめとこ。鑑定して「スキルなしのクソ雑魚ナメクジw」とか出てきたら立ち直れないし……。


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