↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バグった世界にテコ入れを  ~スマホ片手に停滞世界を再開発~   作者: 未白ひつじ
4章 あらたなおともだち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/144

第1話 祝福されし畑

 うちで使っている水には、女神の祝福がかかっている。


 その水を鑑定すると『回復+2』と『成長+1』という、謎のバフ効果があることがわかるのだが……『成長』がなかなか馬鹿にならない効果を持っているらしいんだよな。


 住み込みで働いているモルモルが『ここの水を飲むと頭が冴える』と言ったのが、水の効果が判明するにいたったきっかけだったのだが……。


 なーんか、ちょっと引っかかりを覚えたんで、モルモルたちの経過観察をしてるんだ。


 祝福のバフが多重にかかっちまったり、女神出汁の影響がやっぱりあったりしたとかでさ、モルモルたちが神スラに進化しちゃったりしたら……ちょっと怖いなって。


 だから、毎日モルモルたちと話したり、戦闘訓練を見せてもらったりして、観察日記をつけていたんだが……幸いなことに、今のところは見た目的にも、中身的にも大きな変化は見られない。


 まあ、いうてあれからまだ二週間くらいか? 大して経ってないからな。


 今後もちょいちょい気をつけて見ていきたいと思う。


 あ……いや、ひとつだけ大きな変化があったな


 うちのモルモルたちに名前がついたんだ。


 モルモルたちには、名付けをしてなかったんだよ。なんでって、別にそれで困らなかったから、すっかり忘れてたんだよ。


 うちのモルモルは、片方が地上に居ればもう片方は地下にいるわけじゃん?


 二匹一緒にいることはないから、モルモルーって呼べばそれで済んでたんだけどさ、この間、モルモルを呼んで庭掃除を頼んだら、こんなことを言われたわけよ。


『主の主よ。その「モルモル」とは、なにを指しているのだ?』


 ってね。


 俺もさ、アホだからさ、別に難しく考えねーで、こう答えちゃったわけよ。


『え、モルモルはモルモルだけど……』


 ってね。


 そしたら、こんなことを言われたわけ。


『なるほど……つまり、我だけではなく、地下にいる同胞を含めて指していると……いやまて、ダンジョンに居る同胞もということになるか……主の主よ、いったいどれだけの規模の清掃活動をしようとしているのだ? まさか……草原一帯を更地に……』


 やべえよな。思わず『ちょ待てよ』って言っちゃって、通りがかったパンにくっそ笑われちゃったわ。


 まあ、俺も悪かったっていうか、俺が悪いよなこれ。


 目の前のお前だよって言えば済んだのに、モルモルはモルモルだって言っちゃったから、妙な誤解をされちゃったわけなんだよな。


 それもこれも、モルモルたちが賢くなりすぎたのが原因なのだが、それは喜ぶことであって、困ることじゃないよな。


 んで、そもそも名前がないのが原因じゃんかって思い至ったわけですよ。


 じゃあってことで、ルーちゃんにお願いしたら『登録は私がするけど、名前はユウが決めてー』って言われちゃってさ……。


 なんか、ここの管理者は俺だから、住人の名前は俺が付けなきゃだめなんだとさ。


 んでさ、理屈っぽいやつに『モル助』と、地下が好きで、緩い性格のやつに『モルゾウ』とつけてやったんよ。


 そしたら……


『これで仕事がやりやすくなるな……感謝するぞ、主の主よ!』


『おー、俺はモルゾウっていうのかあー、ありがとね、主の主ー』


 と……プルプル揺れて喜んでいたわ。


 名付けをしたらさらにキャラ付けが強化されたっていうか、個体差が出てきた気がするんだけど……まあ、たまたまだってことにしておこう……。。


 さて……近況メモはこんくらいにしといて、作業に行きますかね。


 ダンジョンの引っ越し騒動の後、満を持して農業に手を出したんだが、そろそろいい感じになりそうなんだ。


 ……まあ、あれを農業っていうと怒られそうだけどな。


 またスマホでやったんかって? まあスマホは使うよな。


 畑はアプリから【盛土】で作ったし、種だって集落から貰ってきた野菜を【製作】で種子化したもんだからな。


 そういう意味ではスマホは使ったよ。


 ただ、種まきは自分たちでやったし、水やりだってそうだ。


 ルーちゃんとパンと三人でせっせとやったよ。


 ……ルーちゃんがジョウロでお水をあげた瞬間、ブワッと芽吹いてたけどな。


 なんでって、例の水だからだよ。


 確かに、あの水には成長のバフがついてるよ。


 でもさ……それがまさか植物にまで作用するとは思わねえじゃん? 


 もう、すっげえびっくりしたわ。


 でさ、どのくらいの効果があるのか検証しましょうってパンさんが言ってさ、種まきから収穫まで五日程度という、なにげにやべえ野菜『ラデカ』を植えてみたんだよ。


 なんか赤カブみたいなやつ。


 そしたらびっくり。一日二回、朝晩の水やりしてたら二日の午後には収穫可能になっちまったわけよ。


 そのデータを元に、パンさんが俺にはわからん難しい計算をしてたんだが……。


『野菜によってバラつきがありそうだけど、短いものなら数日で、長くかかるものでも一ヶ月もすれば収穫を迎えるんじゃないかしら……』


 なんて、やべえこと言ってたよ……。


 これで思い出すのがキンタたちの集落だ。


 あそこも、毎日どこかが収穫期! みたいなヤバい土地だったわけじゃん。


 てっきり、この世界全体がそうかと思ってたんだが、畑を見たパンが頭抱えてたんだよなあ……。


 あの顔は……さしずめこんな感じだろう。


(え、なにこれやば。なにが起きてんのかわからないわ……けど、どうも私のやらかしっぽいのよねえ……あーもう、過去の私なにやってんの!)


 これだ。


 おおかた、人が住み着きやすいように、加護をマックスでかけたとかそういう感じなんだと思う……。


 あの畑の様子と、祝福を受けた水の効果があんまりにも同じ過ぎてなあ。


 リプラシルがバグってなけりゃ、今ごろ祝福の女神として祀られていたんじゃねえかな……。


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。