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バグった世界にテコ入れを  ~スマホ片手に停滞世界を再開発~   作者: 未白ひつじ
1章 拠点を作るぞ

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第6話 詫びアイテムなんじゃねこれw

 ポコン!


 ……あれ、今、メッセ受信した音がした?


 びっくりしてスマホを見てみると、パンちゃんからメッセが入っていた……って、なんであいつが俺にメッセ送れるんだよ。


 さてはスマホ弄ってる時に俺のメッセID抜いたな? 日本ならおまわりさんに『メッ』ってされるやつやぞ! つか俺が言ったるわ!


「メッ!」


 って、やってる場合じゃねえわ。わざわざ送ってきたってこた、大事なこと書いてるかもしれん。どれどれ……。


『メールやSNSみたいに、個人と直接やり取りできるものは止めてます。あと、利用履歴が残る系も後々面倒なので封印しました』


 ポコン!


『ブラウジングとサブスクは、裏技を使ってなんとかしました。地図の件は、探索の楽しみが無くなると思った女神の思いやりです。どちらも苦労したので感謝するように』


 ポコン!


『ソシャゲの件だけはごめんなさい。これもどうにかしてあげたかったけど、無理でした!

ヒント:あなたは二年後、二年前の日本に帰ります(少年探偵のスタンプ)』


 ポコン!


『追伸 あと、何かうるさくぼやいてましたが、ちゃんと確認しましたか? ログインボーナスの他に初心者ボーナスも付与されているはずです。忘れたわけじゃないということを理解してくださいね。まったく貴方はトリセツを読まずにクレームを入れるモンスタークレーマーなのでしょうか?』


 ポコン!


『これからはクレームを入れる前にアプリをきちんと見るようにしましょうね』


 ポコン、ポコンと音を立ててメッセージが追加されていく。


 ソシャゲの件はなんかうっすらと把握したわ。

 

 こっちとあっちで時間の流れが等倍だから、二年経って戻った俺と、こっちにいる俺がネットワーク上で同居できてしまうわけだ。

 

 下手すりゃ、あっちの俺とこっちの俺が、同時に同じソシャゲを立ち上げることになると。


 すると、アカウントの譲渡を疑われて、最悪垢BANと……。


 なるほどなー、ソシャゲができない原因は未来の俺だったか……つらいけど我慢するしかねえ。


 つうか、さっきからポコポコポコメッセ届いてっけど、もしかしてパンちゃんには送れるんかな?


 ポヒュ!


 『色々思う所はあるが、飲み込んでおくぜ! とりあえずさんきゅーね(苦い顔でお辞儀をする猫のスタンプ)』


 うん、やっぱコイツとは送受信ができるようだな。


 ムシャクシャした時にクソメッセでも送ったり、ウザいスタンプ連打とかやろっと。


 メッセージアプリを閉じて、さっそく女神アプリを開いてみると『ストレージ』なる、テンプレ項目が増えていた。


 言うとうるせーから言わねーけど、さっきまでこんなの無かったからな。ちゃんと確認したもんよ。


 ぜってー俺のボヤきを聞いて後から実装したんだぞ、これ。


 でも正直、めっちゃくちゃ嬉しいわ。


 ストレージだぜ、ストレージ。ログボで貰ったカバンが霞むくらいのいいプレゼントですやん。


 ファンタジーノベルが大好きな全てのおじさんの憧れですよ。どれさっそく……ええとどうやんだ? 虚空に手をかざす感じか? 


 いや待てよ……これって俺に付与されたスキルじゃなくて、スマホの機能じゃん。

 てこた、入れたいものをスマホの画面にあてる感じで使うのかな?


 どれ……おお、小石が消えた。やっぱこうやって収納すんのか……。


「とりあえず検証だな。さっき入れた石はどんな感じになってんのかなっと」


 ぽちっとボックスアイコンをタップすると、収納物一覧が表示された。


 そこには、俺が入れた石と、ついさっき『欲しかったなあ』とボヤいたグッズの名前が表示されていた。


【内容物】

『石』『ナイフ』『ファイヤースターター』『水筒』『シェラカップ』『皿』


「異世界サバイバルキットじゃなくて、普通のキャンプキットだよなこれ……ホムセンで見たことあるブランドだもん。つかさー、ぜってー俺のぼやきを聞いて後から入れたよなーこれ。ぜってーそうだって。ていうかさ、もっとこう異世界を無難に過ごせるような、活躍できるような何かが欲しかったよなあ」


 あえて声に出してぼやいてみれば、案の定メッセが飛んできた。


 ポポポコン!


『そういうチートめいたのは……まあ、そのうちよ、そのうち!』

『……あと、別にあなたの話を聞いてから足したわけじゃないから。ストレージもさあ、グッズだってさあ、やっぱりこういうのも必要だよねって、後から気づいて足してあげたんじゃないの!』

『てかさ、あたしがチートあげるつってんのにスマホがいいって言ったのあんたじゃん!(赤い顔で怒る絵文字✕5)』


 なんかもう『後から足した』とか言っちゃっててくさはえる。


 やっぱこいつポンコツだわwww

 

 でも、こういうやつ嫌いじゃないぜ? 


 文句言いながらも、ちゃんと優しいっつうか、俺のこと考えてくれてるしさ、俺の愚痴を聞いて、すぐにフィードバックしてくれてるんだもん、ほんとありがたいよ。


 普通さ、こういうのって『やれるもんはぜんぶやったから、あとはがんばれば』みたいな感じで終わりじゃん。


 なのに、パンちゃんさんったらアフターケアばっちりすぎて最高だわ。

 感謝のメッセでも送っとこっと。


 ポヒュ!


『サンキュー、パンちゃん。君がいるから俺は頑張れる!(親指を立てる王子様キャラのスタンプ)』


 ポコン!


『あば、byk』(削除されました)


 ポコン!


『やば、音声入力あかんわ……いらんのまで入りょ……ああもう』(削除されました)


 ポコン!


『そ、そう。わかってるなら、それでいいのです!』


 ……いやあ、ほんっと、おもしれえ女神さまだ。


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