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バグった世界にテコ入れを  ~スマホ片手に停滞世界を再開発~   作者: 未白ひつじ
3章 かぞくっていいな

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第4話 このダンジョンコアかわいい…

「……いつかやるとは思ってたけど……ほんとにやらかしちゃったの!? もしもし? ポリスメン?」


「おいこら、どこに通報してんだよ! いいからこの子を鑑定してみろって!」


「そう言って誤魔化しても罪は消えない――ええ……? 待って、待って待って!? ダンジョンコアってなによ!」


「それを聞きたいから呼んだんだろ……? マジでどこの子なんだよ?」


「どこの子って……ダンジョンの子? って違うか。コアはダンジョンそのものだものね……うーん…ちょっと待ってログを漁ってみる」


 俺たちのやり取りを不思議な顔で見つめる女の子。


 うん? どした、俺の袖なんて引っ張っちゃって……ああ、スープか。よっぽど気に入ったんだな。ほら、どうぞ、おたべ。


 嬉しげにスープを食べるのを見ていると、かわいい子供にしか見えんのだが……ダンジョンコアなんだよなあ。 


 木匙をギュッと握り、はぷはぷとスープを口に運んでは、目をキラキラとさせている。


 やべえ……めちゃくちゃ愛らしい。


 あ、ちがうからな? ちっちゃい子が好きとかそういうのはねえから!


 あれよ、娘がかわいいなあとか、子猫が可愛いなあとかさ、そういうアレだから。マジでそういう趣味はねえから誤解してはいけないよ。


「わかったわ!」


「ヒッ! ごめんなさい!ゆるしてください!」


「……何に謝ってるのよ? わかったわよ、この子の正体が」


「おお、マジかよ! それで……この子はどこのなに子ちゃんなんだ?」


「まず……この子の親はね、ユウ、あなたよ」


「はあ? 身に覚えが無いっていうか、どうやったらダンジョン孕ませられるんだよ!」


「な、何変なこと考えてるのよ、違うわよ! ほら、あんた岩塩の採掘したでしょ」


「岩塩……ああ、それがどうしたんだよ?」


「あの時さ、はしゃぎすぎて岩山に大穴開けちゃったじゃないの」


 あったな……塩の洞窟なんて名前までつけたっけ……なんか既に懐かしいな。


「その洞窟にね、どういうわけか大量のマナが溜まっちゃって、ダンジョンコアが生まれちゃったのよ」


「確かに穴を掘ったのは俺だよ? けど、マナって天然のものなんだろ? 俺がパパとかちょっとちがくね? あ、まさか穴を掘ったって言うのに……」


「ばか! やめなさいよ、違うわよ! スマホよスマホ!」


「俺のスマホがどうしたってんだよ」


「私の加護が強くかけられているから、神気をまとってるわけ」


「つまり?」


「スマホから滲み出た神気がね、ちょっぴり洞窟内に残留しちゃって……たまたま近くに生まれたコアと結びついて……なんというか、奇跡が起きちゃったのよ……」


「急に神話めいてきた……」


「マジでそんな感じなんだよなあ……奇跡の力で受肉を果たしたコアは、自らを構成する神気と、魔力の香りを辿って……この家まで来たってわけねえ……」


「……その理屈だと、俺とパンちゃんの子ってことになるんですけど……」


「ちょ、ちょっと……やめてよ……そんなん……でもあるけど、なんかこう、アレだから!」


「お、おう……そ、そうだな……なんかすまん」


「謝らないでよ……それはそれでこう……ああもう!」


「そ、そうだ……受肉したのはわかったが、なんでこんな姿なのかが謎だな?」


「そうよね……私のデータにも無いからホント不思議……どこかで見たことがあるような気はするんだけどね」


「……奇遇だな、俺もちょっと既視感がある。何かのソシャゲかね?」


「わからないわね……うーん……ここまで出かかってるのに……」


 パンちゃんと二人、頭を抱えて居ると、女の子がちょいちょいと袖を引いた。


 またスープのおかわりかなと思ったら、どうも違うらしい。


「俺たちが何をしてるのか気になるのかな?」


「そうみたいね……この子……ううん、名前がないのも不便ね。ユウ、あんた名付けしちゃいなさいよ」


「え? 俺がつけちゃっていいの?」


「本来ならば、神である私の役目なんだけど、今回のケースなら、貴方にも命名権があるからね。ち、父親なんだし……せっかくだからつけてあげなさいよ」


「そっか……父親、かあ……」


 やめろよ、顔を赤くしながら言うなよ……変に意識しちゃうだろ……。


「生まれは塩のダンジョン、だからシオリなんてのはやめてよね?」


「流石にねえわ……ああ、まてよ。でもさ、逆にありかもしれん」


「えぇ……?」


「ソルトからルトってどうよ?」


「ルト、ルトちゃん……ルーちゃんか。悪くないわね」


「だろ? よし、ルトにしよう。この子の名前はルトだ!」


 そう決めた瞬間、女の子が真っ白な光に覆われ、辺りに清々しい空気が広がった。


「システム――リプラシルに名前が認められたみたいね。みてなさい、保留されていた成長が始まるわよ」


 そして……


「…る…と?」


「しゃべったああああああ? はやくね? 突然じゃね?」


「保留されてたって言ったでしょ。システムに登録されたから、今日からじわじわと相応の知能レベルまで成長していくはずよ」


 おお……ファンタジーなのかSFなのかわからねえ……わからねえが……!

 

「ルーちゃん! 俺はユウ、お前のお父さんだぞ!」


 急激に湧き上がる父性。もうルーちゃんが愛おしくてたまらなくなっちまって、抱き上げ……ようと、したところで、パンちゃんに奪われた!


「ごめんねー、気持ち悪かったねー。私はリパンニェル! ルーちゃんのお母さんよ!」


「りゅ…? ぱん・・ ぱん! ぱん!」


 やっぱりパンって言われてやんの! 言いにくいよな、ニェルって。


 ぐぬぬと悔しそうなパンちゃんだが、何か譲れないものがあるのか頑張っている。


「お母さん、が難しくて言えないのね? ママよーマーマ!」


「まーま? まーま!」


「そう! まーまよー! えらいわねー、ルーちゃーん!」


 顔中ドロドロに溶かしてルーちゃんに頬ずりしておる……なんだよ、母性あふれる顔しやがって……すっかりメロメロじゃねえかよ。


「おれはクロベエだよー ルーちゃんのお兄ちゃんだよー」


 さり気に兄貴アピールをするクロベエ。


 ……おまえ俺を親だと思ってたんだな……くっ、嬉しいこと言いやがって!


 あれ? なんかルーちゃん服着てね? あれか、システムに認められたからか!


「すげえな、名付けすりゃ服まで用意されるんだな」


「あはは、ばかね、そんなわけないでしょ? さっきウシマツ屋に行って買ってきたのよ」


 ウシマツ屋って、日本の子供服屋じゃねえかよ。


 気軽に行き来してんじゃねえよ……。


 ……そういやビールとか取り寄せてたな。


 上手くおだてりゃ……他にも色々調達してきてくれそうだな?


 よっし、今度雑に煽てて、ハンバーガーとか買ってきてもらおっと。


「なによ、なんか悪いこと考えてるでしょ?」

「え? いや、ルーちゃんにワンピース似合ってるなあって」


「ふうん、まあいいわ。あらールーちゃんリボンも似合いましゅねー」


 ふう……ルーちゃんのお陰で企みがバレずに済んだぜ……しっかし、マジで可愛いなルーちゃん。


 うーん……白いワンピースを着た姿を見ると……余計に既視感がムクムクだわ。


 マジで何のキャラに似てるんだろうな?

 


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