↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バグった世界にテコ入れを  ~スマホ片手に停滞世界を再開発~   作者: 未白ひつじ
2章 交流するぞ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/150

第21話 姉みたいなアレです

 パンちゃんが楽しげに歌う『リブッカ哀歌』を聞き流しているうちに集落についた、ついてしまった……。


 どうする? なんて説明すりゃいい? 森に落ちてたから拾ったとか言えばいいんか?


 人は森に落ちてねえわ……神様がたまに落としやがるが、んなこと滅多にねえわ。


「はあ……まじでどうしよ……」


「ま、私にまかせておけば大丈夫よ」


 やけに自信がある顔で任せろというけど、不安しかねえ……。


 その自信の根拠はなんなんだよ……ねえんだろうなあ、根拠なんてひとっつもねえんだろうな。


「あ! 肉の人が戻ってきたぞ……うん? なんか増えてるぞ?」


「肉か? 違うな……人だ!」


「誰だ! 肉の人二号か!?」


 戻るなりあっという間にとり囲まれ、誰だ誰だと始まった。パンちゃんは……ちょっとだけ焦った顔をしているな。


 ほれみろ、言うのと味わうのは違うんだぞ? こうやって圧を掛けられるのはキツいやろが。


 ……肉の人二号は不覚にも笑っちまったが、マジで辞めて欲しい。


「どうもはじめまして。ユウがお世話になってます!」


 こいつやりやがった! これは……良くない、良くないぞ! わかってんのか? 娯楽に飢えた集落でそんなムーブかましたらどうなるか……お前、わかってんのかあ!? 


 ああああ! リットちゃんだ、リットちゃんが、肉を見た時と同じレベルのキラッキラの笑顔を浮かべて駆け寄ってきたぞお!


「こんにちは! おねーちゃんはだあれ? もしかしてユウさんのお嫁さん?」


 ぐっふぅ……決まった、リットちゃんの『お嫁さん?』攻撃だ! あーあーあー、みろみろ、キンタにマーサまできやがった! なんで一家揃って集ってくんだよ!


「おっ? ユウの奥さんか? ひゃー! 綺麗な人だな!」


「まあ! ユウさんったら、こんなにいい人がいたのねえ」


 リットちゃんファミリーを皮切りに、やいのやいのと盛り上がり始めた。


 うわあ……どうすんだこれ、知らねえぞ……? 


 なあ、パンちゃんよお……これって、もちろん、なにか作戦があっての行動なんだよな? 

 任せろって言ったんだ、ちゃんと場が収まる奇策があるんだよなあ……?



「ふぇ……およめしゃん……?」


 くそがよ、真っ赤な顔でフリーズとかしてんじゃねえよ! ベッタベタ過ぎてキュンときちまったじゃねえかよ……!


 あ、再起動したようだ。


 よし、今のはなかった、今のは見なかった。互いのために、それがいい、いいね?


 ……任せろって言ったんだ、ちゃんと場が収まる奇策があるんだよなあ……?

(本日二回目)


 ポポポコン!


 おっとメッセがきたな……どうやって送ったんだ? ああ、念話みたいに手を使わず送ってるのか……器用なことをしよる……。


 ええとなになに……作戦指示はっと……。 


『適当にノリだけで押し切れるとおもったの』

『なによこれ無理じゃないの』

『反省してるから、うまくまとめて……ていうか助しけて! 奥様方の圧が怖いの!』


 わかってたよ……。


 ポコン!


『いま、そんなやさしいかおで、わたしをみないで……』


 知らねえよ! ったく、なにが任せておいてよだ、その結果がコレだよ!


 ええい、こうなったらテンプレだ! テンプレ設定で誤魔化すしかねえ!


「あ、あー、その…こいつはパンちゃんといって……」


 ポコン!


『こいつって! それにパンちゃんって! リパンニェルよ!』


 うるせえな……今めっちゃ考えてんだから黙ってろ!


「ええと、パンちゃんは姉みたいな奴なんですよ。うん、故郷から離れ、一人暮らしを始めた俺の様子を見に来たようなんですが、はるばる来てみれば家に居ない。そう言えばこの辺に集落があったわねと、ここまで探しに来たようです」


ポコン!


『めっちゃ早口でワロタ。 息継ぎわすれてない?』


 ポヒュ!


『お前には肉をやらん』


 ポコン!


『すいません』


 なるほどねえ、と頷く一同を見てなんとか誤魔化しきった……と思ったが


「へえ! 姉みたいな、か! みんなこっからくっつくんだよな!」


「はるばるユウさんを追って来たんだって!」


「あらー いいわねえ」


「今日は沢山お肉食べて沢山がんばるのよ!」


 エンチャントファイア!


 ますます盛り上がる集落の人々! いやあ、面白くなってまいりました!


 ポコン!


『エンチャントファイアじゃないわよ! 面白くないわよ! どうすんのよこれ!』


 しらねえよおおお! お前が言うなすぎるだろうがよ! ええい、もう知らん! 

 

 こうなったらノリと勢いで有耶無耶にしたるわ!


 つか、肉食わせとけばそのうち忘れるだろ!


「さあ! ほらほら! 肉ですよ肉! 焼けたんでしょ! 肉! 会場の準備しますよー!ほら! 肉だぞー! 肉! 肉!」


 場の空気を切り替えようと、肉アピールをしたのに奥様方はまだニヤニヤしている。


 くそがよ、花より肉だろうがよ! ここぞとばかりに花を愛でようとしてんじゃねえよ!


 ちくしょう、みてろよ! こんな生ぬるい空気、びっくりさせて消してやるからな!


「今からテーブルや椅子を用意しまーす、見ててくださいねー」


 またユウさんがなにかをするぞと、ワクワクした顔をする男達。


 いいよ、いいよ君たち……ほんと純粋で最高だ。それに比べて奥様方と来たら……まーだニヤニヤニヤニヤと俺とパンちゃんを見ちゃってもう!


 ニヤニヤできるのも今のうちだけだぜ!


「今からー、皆さんに魔法をみせまーす!」


「マホウ?」


「なんか魔力使って色々やるのがマホウらしいぜ」


 見てろよ見てろよー!


 仰々しくスマホを取り出して【製作】を立ち上げると、屋外向けのテーブルを選択して、確定ボタンを押した。


「テーブル召喚!」


 ぽっ ぽっ ぽっと、次々と現れるテーブル。


 十個指定したから、ポコポコポコポコ生えてきておもろいな。


 どうだ! びっくりして俺らの話などできまい! これには奥様方も何が起きたのかわからないという顔で唖然としているぜ。


「て、テーブルが……出てきたよ? いったいどこから出したんだい?」


「おっと、椅子も必要ですね……椅子召喚!」


 ポッポコポッポコと広場に生える丸椅子たち。これには会場に集まった人たちがわっと沸いて大興奮だ。


「ユウさんのマホウ、すげえんだよ!」


「そうそう、矢が通らねえリブッカも一撃だったしな!」


 狩人達が俺の活躍を語っている……いいぞ、いいぞ。場がすっかり『甘酸っぱい幼馴染ネタ』から『謎のマホウ』に切り替わっている。


 語れ……もっと魔法について語れ……。


「ほほう……マホウ? ですか……」


 知っているのかマモ爺!


「昔聞いたような聞かないような……忘れてしもうたわい!」


 って、知らんのかい!


「しかしマホウってやつは便利だねえ……うちらも使えるようにならないかしら」


「ユウさんが言うには素質がどうのって話だが、おめえにあるかねえ」


「うるさいよあんた!」


 狩人の誰かが『婆ちゃんの婆ちゃんが指を光らせて』とか言ってたから、たぶんどうにかすれば魔法を使えるようになりそうな気はする。


 ただ……魔法を教えるような流れになると、それはそれでまずいよな……魔法の使い方なんて俺が知りてえくらいだ、教えられるわけねえわ。


 つうことで……ここで場を肉に転換する!


「ほらほら! せっかくの肉が冷めちまうよ! 今日は肉日、肉を楽しまないと! ほれほれ! 今日初めて狩ったリブッカに、キンタたちが狩ったクッカにロップもあるよー!」


「そうだ! 肉食わねえと!」


「肉だ肉だ!」


「肉を食うぞー!」


「あたしのリブッカー!」


 ふう……なんとか流れを肉にもってけたぜ……これで何もかもが有耶無耶になったな!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。