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バグった世界にテコ入れを  ~スマホ片手に停滞世界を再開発~   作者: 未白ひつじ
2章 交流するぞ

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第4話 女神の泉(笑)

 ……気絶するように眠り、気づいたら爽やかな森の朝ってわけで。


 おはようございます……本日は森のキャンプ地からお送りいたします……っつうわけで、集落探訪、二日目を始めていきたいと思います!


「よし、いくかクロベエ!」


「うん はじめての森 たのしみだね」


 クロベエには乗らず、一緒に歩いて森へと入っていく。


 ……いやあ、森だわー。


 マジでいいわ森……草原とは大違いだわー。


 あそこの木を見てみてくれよ、ほら、赤い実がなってるだろう? あれはね、ポアロっていうリンゴみたいな実なんだって。


 そして、あっちにあるのがリップで、桃みたいな味がするんだってさ!


 これだよ、こういうのだよ! こういうさ、未知の素材や景色との遭遇っていうの? ああ、次のマップに来たなあって感じのがないとモチベーションってのは保てないわけよ。


 近所にも森はあるけどさ、あそことは大違いだね。あっちの森じゃ、せいぜいラッツがとれるくらいで、ポアロやリップなんて見たこと無かったし。


 それに、魔獣が全然寄ってこねえんだよな。


 近所の森でこんくらい歩いたら、いまごろ美味しいお肉と、美味しくないお肉がたっくさんストレージに増えてるころだぞ?


 一応、薄っすらと気配は感じるけど、それもあんまり多くはない感じで。


 みろよ、クロベエの穏やかな顔を。マジでヤバい魔獣なんて居ないんだろうな。


 はあ……いいね、この森。のんびり散策できるの最高だ。


 果実の採取をしたり、ウサギみたいな魔獣を観察したりと、森を満喫しながら歩いていると、小さな泉がある広場に到着した。


 泉には桟橋がかかっていて、紐が付いた木のバケツと桶が置いてあった。


「うおー! この世界に来て初めて、知的生命体の存在を感じたぞ!」


 ポコン!


『近くの集落の人が使っている水場の一つね』


「おお、という事は、集落が近いってこと?」


 ポコン!


『いや……徒歩で二時間くらいはあるかしら? だから基本的には井戸を使っているはずよ』


「そっかあ……言われてみれば水場って言う割には、あんま綺麗じゃないもんな……」


 桶には木の葉が溜まっていて、中に水生昆虫のようなものが棲み着いていた。


 周囲はぬかるんでいるというのに、足跡が残っている様子もない。

 もしかして、もう使われなくなってるのかもしれないなあ。


 ポコン!


『こんなに荒れてるなんて変ね? つい最近まで誰かしら来てたはずなんだけど』


「集落から二時間だろ? なんでまた、わざわざこんなとこまでくるんだ?」


 ポコン!


『狩人が給水に寄るし、謎に含まれてる薬効目当てに汲みに来る人がそこそこいたのよ……』


 いいこと聞いた。天然のポーションってことじゃねえか。


 早速ペットボトルを取り出して、泉の水を汲んでおく。


 不老不死の身体とはいえ、ケガはするからな……でも、どんだけの範囲に効くんだろうな? 擦り傷くらいにしか効かないなら、あんましいらんかも……。


 あ、そうだ。図鑑に入れたら効果がわかるよな。


=====


【女神の水】

女神リパンニェルの加護を受けた清らかな水。

森の安らぎが溶け込み癒しの効果が多少ある。


【回復(小)】


=====


「多少ってなんだよ……もしかして、降臨した時に泉に祝福とかそういうのやったん?」


 ポコン!


『それがね、何もしてないのよね……』


「なにもしてない?」


 ポポポポポコン!


『そう。マジでなんもしてないのよ』

『なんかさ、こんなとこまでわざわざ水を汲みに通ってる人がいたわけよ。集落に井戸があるのに変だなって、音声拾ったら流石女神様の泉じゃ、ありがたいとか言ってるじゃん』

『なんで??? って思ったけど、まあ、悪い気はしなかったしね?』

『その名前で泉をデータベースに登録したんだけどさ……』

『流石に気になって調べたわけよ。だって、マジでなんもしてないのに、私の泉とか言われてんの、ちょっと嫌じゃない?』


「おもろい予感しかしねえ……いやまあ、確かにな。自分が知らんとこで良くわからんスポットができてるのは怖いわな」


 ポポコン!


『でしょ? それでね、調べた結果びっくりよ。なんと泉の水が薬になってるじゃないの』

『なんでって思ったら、滋養成分が含まれてる葉っぱが泉の底に溜まってたみたいでね』

『天然のエナドリみたいな感じになったのよね……』


「えー……つまり、大自然がエナドリを調合してしまっていたと」


 ポコン!


『そう、そんな感じw でね、疲れ切った狩人がここの水を飲んだらさ、めっちゃ元気になったとかで……それで奇跡の水的に使われてんのww おもろくない?』


 おもろいけど、ありがたみはまったく無くなったな……。


 でもまあ、天然のエナドリってのはいいな。


 こっちの世界に来てから疲れにくくなった気はするけど、エナドリ飲みてえって思うほどだるい時がそこそこあるもんな。


 ……と、三本目のボトルにエナドリを満たしたところで腹が鳴った。


 時計を見るとお昼。俺の腹時計もなかなかやるものだ。


「よし、ここでお昼にしようか」


 昼食は昨夜の残りだけど、フライパンで焼いたステーキも、鍋のままつっこんどいたスープもきちんと熱いまま。


 一瞬で昼食の用意が終わっちまったぜ!


「じゃ、いただきまーす」

「いただきます!」

「いただきー」


「うまいうまい 肉うまい! ありがとう ゆう! うまいうまい」


 はぐはぐと食べるクロベエ。デカくなったから食う量がめっちゃ増えてるが、この世界は肉の調達がらくちんだから助かるぜ。


「ゆうー! あたしもおかわりー」


 まぐまぐと食べるパンベエ。態度がデカくて食う量がはんぱねえ……いやまじでどうすっかな、この女神。またさり気に混じりやがって問題しかねえわ……。

 

 まあ、泉の解説とかしてくれたし……許すか? うーん、今後の働き次第で決めるか!


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