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バグった世界にテコ入れを  ~スマホ片手に停滞世界を再開発~   作者: 未白ひつじ
6章 新たな土地はおかしな地

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第7話 試食会ですよ

 ピコピコと手を振りながら、一生懸命先導する可愛い生き物に続いて歩いていると……。


「あれ、マルリさんが知らないやつを連れてるぞ」


「変わった奴らだな……それに魔獣を連れているぞ……」


「魔獣もすげえが、荷車もデケエな……」


「しかし、ほんと変わった奴らだな」


 と、なんかめっちゃ注目を集めちまってな。


 気づけば、空洞の住人たちがぞろぞろ俺たちの後をついて歩いていて。


 広場に到着するころには、多くの住人たちがひしめき合っていたのでした。


 まあ、呼び集める手間が省けたと思えば……いいか。


「ほれ、ユウ。広場についたぞ! はよ出して見せんか!」


 待ちきれなくなったのか、マルリさんがピョコピョコ飛んでおねだりをしてくる……。

 

 クロベエがちっちゃい頃にこうしてご飯をねだってきたっけなあ……かわよ。


「ようし、じゃあ肉と野菜をだしますよっと」


 お土産用に箱詰めしておいた肉や野菜が、ぽこぽこ、ぽこぽこと次々と現れた。


 マルリさんも、住人たちも「どこから出してるんだ」と、びっくりしていたが、興味は直ぐに肉や野菜に移ったようで。


 ストレージに関して突っ込まれることは一切なかったのでありました。


 ほんとリプラシルの連中ときたら、扱いやすくて困っちまうぜ。


「おい、見ろよあの野菜……見たこと無いものばかりだ……ほんとに野菜なのかな?」


「まるっとしてるし、多分野菜だろ。つーか、マサモ以外の野菜ってあったんだな……」


「肉も凄いぞ、なんだあのデカいカタマリ! ウーフンとは違うみたいだが……」


 なかなかの好感触だが、見た目だけで判断しちゃあいけないよ。


 ここはやっぱり、舌で味わってから判断してもらわないとね。


 つーわけで――


「よーし、みんな聞いてくれ! 今からこの野菜と肉を使ってメシを作るぞ! 手伝える人はこっち来てくれー!」


「おおー! 変わった野菜を使えるなんて、面白そうだ、アタシはやるよ!」


「うちも手伝うわ!」


「わしもわしもー!」


 ワラワラと集まってきたのはケモ耳少女の群れ。


 絵的には滅茶苦茶癒されるんだけど、こんなに愛らしいのに……この殆どが既婚で子持ちっつうか、めっちゃ年上だってんだから、やべーよなあ。


「なあ、あんた。料理するのはいいけどさ、どこでするのさ?」


「そうよ、ここらじゃ蒸気穴も熱い地面も無いわよ?」


「近くだとどこだっけ……」


 ああ、そうか。ここの住人は蒸気熱や地熱で調理してるんだったな。


 それはそれで中々にエコでよろしいんですがね、実は奥さん、ここにどこでも料理ができる便利な道具があるんですよ。


 ストレージからドスンドスンと、魔導コンロを出し、作業用と食事用にテーブルや椅子も次々に出して会場を作っていく。


 この時点でかなりのインパクトを与えられたみたいだが……本番はここからだ!


「はい、じゃあ料理できる人はここで材料を切ってねー。お肉はこんな感じに……こっちの野菜たちはこんな具合に……」


 ざっくり説明をして材料を切ってもらう。予想外に人が集まっちまったから、ここは手っ取り早く肉鍋にするんだ。


「ええと、手が空いてる人はこっち手伝ってくれ。この台の上にさ、水を入れた鍋を置いて欲しいんだ……そうそう、そっとね、そっと」


 魔導コンロに鍋をおいてもらい、俺が次々とスイッチを入れていく。使い方は今度ゆっくり教えればよいだろう。


 何をしているのだろうという顔で鍋を眺めていたが、間もなく湯気を立て始めたのを見て驚いている。


「これは魔導コンロと言って……熱い地面みたいに、鍋を温められる道具なんだ。うん? 詳しく聞きたい? まあまあ、こいつについてはまたここに人を集めて説明すっからさ」


 つうか、男どもの視線がギラギラしててうぜえ……なんかやらせるか? 


 うーん……料理はできないだろうしなあ……でも、タダメシ食わせるのもなんか癪だな……ああ、食器がねえわ。


 どうも、ここは集落時代の『始まりの村』より、ちょこっと人口が多いっぽいからな……俺の手持ちじゃ全然足りねえ。


 作るのもめんどくせえし、持ってきてもらおう。


「おうこら男共! お前らは家から食器をもって来るんだ!」


「食器?」


「おう、肉が入ったスープを作るからよ、なるべく深いやつをもってこいよな」


 肉のスープと言ったのが効いたのか、ヒゲたちがウオオと雄叫びを上げて方々に散っていった。


 うーむ……ここでも肉は強しか……リプラシルだわー。


 さあ、調理の続きをしよう。


 醤油ベースの鍋スープに具材を入れて少々煮る。


 いい匂いが辺りに広がりだした頃、マルリさんがたまらず駆け寄ってきた。


「ま、まだか? 知らない匂いじゃが、これは美味しいものだと腹がいっておるぞ!」


 ついつい頭を撫で、もう少し待ってねと言ったら『子どもじゃないぞ!』なんて怒られたけど……まんざらでもない顔してたよね?


 マルリさんから伝染したのか、ヒゲやら猫耳やらのおなかがグウグウと大合唱を始めた。


 まあ待て、もう少し、もう少し……うん、完成でい!


 さあ、おあがりよ! 


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