↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バグった世界にテコ入れを  ~スマホ片手に停滞世界を再開発~   作者: 未白ひつじ
6章 新たな土地はおかしな地

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

143/145

第4話 洞窟の種族

 唐突に現れたケモミミ……それをバーグは妻だという……。


 異種族間の結婚……そういうのもあるのか、そう思ったが、バーグから聞いていた女性の特徴の話がどうにも引っかかる。


 なので、バーグ夫妻には少し待ってもらい、有識者に聞いてみることにした。


「パンさん」


「……」


「おいこら、女神」


「……」


「寝屁神さま♥」


「だ、誰が寝ながらおならしてるっつーのよ!!!」


「なあ、なんなん、あれ」


「……どわーふ……よ?」


「ああ、そうだな。バーグは俺がよく知ってるドワーフだとも。酒が好きでヒゲモジャでちっこめで、ああ、テンプレどおりのドワーフだとも」


「で、でしょう? あんなんどっからどう見てもドワーフじゃないの……」


「じゃあ、バーグの奥さん……ヒルダは?」


「……ど、どわーふよ?」


「マジで言ってる?」


「え、あ……はい……」


「なあ……あれってよ、どう見ても猫人族とか、ニャン族とか……ウサ族と同じカテゴリだろうが!」


「そ、そうかしら?」


「……日本のオタクを一万人連れてきてヒルダを見せて『このファンタジー種族はオタク的になんと言う』って聞いてみろよ! 全員で声をそろえて『ケモロリ!』って言うぞ?」


「そこはバラけるかもしれないじゃない……」


「かもしれんが、だとしても『ドワーフの女性です』って言う奴は一人もいねえよなあ!?」


「いひゃいいひゃい ほほをひゅねりゃないでぇ!!!」


 ちっ……今日は珍しく粘るな……いつもならとっくに白状してる頃なんだが……。


 こうなったら、ルーちゃんに力を貸してもらうしかねえな。


「パンさん正座」


「え……?」


「いいから」


「……はい」


「ルーちゃん、ここに立ってママの目をじいっと見つめるんだ」


「うん、わかった!」


 よくわからんが、またなにか面白いことをするらしいと、ニコニコと笑みを浮かべながらじっとパンを見つめるルーちゃん。


 ほんとかわゆ。


「ルーちゃんの澄んだ瞳を見ろ。お前はこの瞳に嘘をつけるんか? つけないよな。さあ、ここの種族について正直に話せ」


「ママ? ちゃんとはなそ? しょうじきに言えばユウも許してくれるよ?」


「……わ、わかったわよ。でも別に悪いことしたわけじゃないんだから。絶対に怒らないでよね」


「怒らない怒らない。仏のユウさんに何言ってんだお前」


 こいつが予防線張ってるときって、決まってどうでもいいオチが待ってんだよな。


 どうせ、テンプレドワーフだと華がないだとか、モフりたかったとかどうでもいい理由なんだろ? 


 もうさ、そういうのに慣れっこなのよね。


 リプラシルがアホな世界だってのは、もう十分わかってるからさ、少しくらい馬鹿らしい話されても怒らねえっていうか、もうとっくに受け入れてるっつうの。


「あのね……ダイスで決めたの……」


「うん? 今なんて?」


「ダ、ダイスロールで決めたっていったの!」


「は? なんで?」


「う……あのね、このユリカゴ設計してるときにさ、息抜きに友達とTRPGしたの」


「TRPG……ね。まあ、おもしろいよね」


「でね、セッションが終わって一休みしてるときにね『うちのユリカゴにどんな種族置いたらいいかな?』って相談したのよ」


「ふむ、同僚の管理神か誰かに相談したのね」


「うん、同僚のブーちゃんにね。そしたらさ、ブーちゃんがね『ダイスで決めるのはどうかな★』って言ってね、ああ、それ面白いわねーってなったの」


「ん、待って理解が追いつかない……あ、ちょっと追いついてきた、追いついてきた……うん、えっと、リプラシルの種族はダイスロールで決めた、そこはわかった」


「あ、春の大地の子たちはさ、最初に作ったから……TRPG前に配置した子たちなんで、普通だから安心してね」


 なにに安心しろと……まあ……キンタたちって妙に顔が整ってるくらいで、後は普通のヒューマンって感じだもんな。


 あいつらに関しては、後出しで爆弾が出るようなことがないよって意味なんだろう……まあ、それについては良かったなって思うよ。


 けど、それは今関係ないよな。 


「それで……さ。なんで男女で種族が違うわけ?」


「う……違うくないし、違わないのよ」


「なんて? 」


「だから違わないの! バーグも、その奥さんのヒルダもドワーフなの!」


 ?


「俺の耳には、どちらもドワーフと聞こえたんだが」


「……それであってるわよ。種族を決めるダイスをね、間違えて二個振っちゃったの」


「おま、まさか……」


「そう……男がドワーフ族、女が猫族の特徴でシステムに登録されちゃって……でも、システム上はどちらもドワーフ族として登録されてるし、繁殖もできるから良いかなって……」


「あ~~~~!!! 理解が! 理解が置いて行かれたあ!!! 追いつこうとした今、まさに! 理解がマッハ5で置いて行かれたあ!」


「……それでね、ほら、私たち飲みながらやってたじゃない? 気づいたらワールドシステムにちょちょっとやっちゃってね……その、設定UIにダイスを組み込んじゃって……以降も同じノリで……ね?」


「んんんーーーーーー!!! 今聞いてはいけない話を聞いてしまった気がするーー!! 世界の仕組みがダイスロールで決められてるって聞いちゃった気がするーーー! 一般人の俺が聞いちゃダメなやつだこれ! あああああ! 窓に! 窓に! 窓にぃいい!」


「ちょ、ちょっと発狂しないでよ! だいじょぶだから! あんたは既に聞いても大丈夫な立場になってるから! ちょ、やめなさいって! ほら、みんな集まってきちゃうから! ね? ほら、大丈夫、だいじょーぶ……ね?」


 はあはあはあ……。


 いい加減な設定の世界だとは思っていたが、ここまでいい加減に作られてるとは思わなかったぞ……。


『お前たちって、神がダイス振ってノリで創造したんだぜ』なんて言われたらこの世界の人たちはどんな顔するんだろうな。


 ……みんな適当だから、なんやかんや普通に受け入れそうだな……。


 じゃあいいかあ……俺が悩むようなもんじゃねえしな……モフモフのお耳が生えてても、ロリでもドワーフでいいじゃねえか……。


 うん、この話は終わりだ!


 自分を無理矢理に納得させ、この件はゴクリと飲み込むことにした。


 こういうの、いつまでも引っ張ってるとろくでもねえことが起きるからな……。


 ようし、次だ次! 切り替えていこう!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。