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転生したら最強すぎた件について   作者: ミリア
プロローグ〜第一章
4/37

判断されたもの

◆ 帝国アルス/大神殿・上層


(帝国教会視点)


王国アステルからの報告は、静かすぎるほどやった。


境界の揺らぎ。

実害なし。

精霊反応は弱く、残留痕跡もほぼ無し。


「……記録上は、問題なし、か」


帝国教会の高位司祭は、資料を閉じた。

王国教会の判断は、いつも通り慎重で、消極的や。


「同一人物が関与している点は?」


「猫耳族の冒険者。名はミリア」


経歴に空白がある。

だが、権能反応は観測されていない。


「神力反応も無し。精霊契約の兆候も不明」


「ならば――」


結論は、静かに下された。


「境界に“触れただけ”の存在だ」


帝国教会は、この件を

低危険度・経過観測

として処理した。


それ以上でも、それ以下でもない。



◆ 魔界/反逆神の領域


(反逆神視点)


境界が、揺れた。


だが――

残らなかった。


「……抑えた、か」


反逆神は、その一点だけを見た。


本来、境界に触れれば歪みは残る。

だが今回は、痕跡すら薄い。


「力はある。だが、使わなかった」


それは、躊躇。

あるいは、恐れ。


そう判断するのは、自然やった。


「なるほど……」


反逆神は、笑う。


「未熟な器、か」


神が動いた形跡はない。

精霊界も沈黙している。


ならば、脅威ではない。


少なくとも、今は。



◆ 魔界深層


(反逆神)


「世界は、何も変わっていない」


秩序は保たれている。

神々は動かず、精霊も沈黙。


それが答えや。


「……弱さ、だな」


反逆神は、そう結論づけた。


力を持ちながら、踏み込まない存在。

世界に従う存在。


利用もできるし、

放置もできる。


今は、まだ。



◆ 帝国アルス/非公開記録


対象名:ミリア

分類:観測対象

評価:不確定

備考:王国アステル領内でのみ活動確認


それだけが、淡々と記された。



◆ 人界/王国アステル


(同時刻・ミリア)


「……なんやろな」


理由は分からへん。

せやけど、背中に視線を感じた。


「ま、気のせいやろ」


ミリアは、それ以上考えへん。


この日は、何も起きなかった。

世界は、静かなままやった。


ただ――

誰かが、判断を下した。


それだけの日。

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