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転生したら最強すぎた件について   作者: ミリア
プロローグ〜第一章
2/37

まだ名を呼ばれない

王都アステル

帝国アルス

◆ 人界/王国アステル・王都周辺


(ミリア視点)


王国アステルの王都での暮らしは、拍子抜けするほど穏やかやった。


冒険者ギルドで依頼を受けて、

街の外に出て、日が沈む前には戻ってくる。

それだけの毎日。


「……思ってたより、普通やな」


王都いうたら、もっと張りつめた空気があるもんやと思てた。

せやけど、ここは違う。


人は忙しそうでも、どこか余裕がある。

戦争の気配も、切迫した空気もない。


その日も、王都近郊の森で薬草を集めとっただけや。


異変は、唐突に起きた。


風が止まる。

葉擦れの音が消えて、空気が澄み切る。


「……また、これや」


草原で目ぇ覚ましたとき。

この世界に来た直後。


あのときと、同じ感覚。


誰かに見られとる。

せやけど、怖さはない。


足元に、うっすらと霜が浮かんだ。


「……寒いわけやないのに」


しゃがみ込んで指先で触れてみる。

冷たくない。

むしろ、妙に落ち着く。


「……嫌やないな」


そう思った瞬間、霜は音もなく消えた。

森は、何事もなかったみたいに元へ戻る。


「……気のせい、か」


そう自分に言い聞かせて、歩き出す。


けど、胸の奥には

確かに“引っかかり”が残っとった。



◆ 精霊界/境界層


(精霊視点)


秩序の流れに、微細な変動。


破壊ではない。

侵入でもない。


調律の揺り戻し。


観測対象は、人界・王国アステル領内に存在。

だが座標が、完全に一致していない。


精霊たちは即断を避ける。


名を呼ぶには、早すぎる。

精霊女王へ報告する段階ではない。


共有された判断は一つだけ。


――この存在は、秩序を歪めない。

――同時に、秩序に縛られてもいない。


「まだ、静観」


精霊界は、再び沈黙を選んだ。



◆ 王国アステル中央教会


(記録官視点)


定例観測の報告書に、微細な誤差が記された。


魔力濃度、わずかに変動。

環境影響、軽微。


原因不明。

実害なし。


「……自然変動の範囲だな」


記録官はそう判断し、

報告書を封じた。


上位機関へ上げるほどではない。

祈祷を要請する必要もない。


王国アステルにおいて、

問題は起きていない――そう結論づけられた。



◆ 人界/王都アステル・夕暮れ


(ミリア)


王都へ戻る途中、空を見上げる。


「……今日、なんか変な日やったな」


理由は分からへん。

せやけど、何かが“近づいた”気ぃはする。


「ま、知らんけど」


そう言って、歩き出す。


白い力は、まだ眠っている。

呼ばれてもいない。


けれど世界は、すでに一度――

王国アステルという舞台で、

ミリアを“観測”した。


それだけで、この日は終わった。

一部、二部

呼んでみた感想を頂けたらと思います。


まだ登場人物は少ないです。


お読みになったら

評価してくれると、励みになります。


面白い

普通

つまらない


など、正直に書いて下さい。


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